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病気によって機能が低下した肝臓を取り出し、他の人の健康な肝臓と取り換える治療です。
肝臓は、主に3つの機能を担っています。まず、栄養の貯蔵です。食べた物の栄養素は消化管で吸収され、肝臓に運ばれて蓄えられます。次に、アルコールや薬剤など、体に入った有害物質を解毒・分解して排泄する機能。そして3つ目に、体に必要なタンパク質を合成する機能です。
このように、肝臓は体にとって大切な臓器ですが、ウイルス感染や大量のアルコール摂取など、さまざまな原因により障害が生じ得ます。肝障害の多くは適切な治療と、場合によっては生活習慣改善に取り組むことで回復は可能ですが、適切な治療でも改善せず肝不全に進行することがあります。肝不全とは、肝機能が著しく低下した、命にかかわるような重篤な状態です。
肝不全に至る原因はさまざまです。何年もかけて肝障害が進行することもあれば、薬物や肝炎ウイルスなどにより、肝機能が急激に低下するケースもあります。生体維持が難しいレベルに肝機能が低下し、薬物療法などの内科的治療で回復が見込めない場合、肝移植が唯一の有効な治療法となります。
また、肝不全以外にも、肝がん患者に肝移植が行われることがあります。
私が勤務するマウントサイナイ病院では、肝臓移植外科医・内科医、循環器内科医、麻酔医、臨床コーディネーター、ソーシャルワーカーなど、さまざまな分野の専門家がそれぞれの立場から患者を評価し、移植を含めた最適な治療選択肢を個々人に対して判断しています。患者や家族の希望ももちろん考慮した上で、肝機能がどの程度保たれているかや、肝移植以外の治療選択肢、その患者にとっての肝移植手術のリスクといった観点から検討を重ねます。
移植が必要かどうか、また必要な場合、どのタイミングで移植を受けるかは、重要な評価となります。肝移植を受けなくても生活できるのであれば、その方が手術のリスクを避けることができ、移植後に必要な薬を飲む必要もありません。一方、肝障害が重度になってから肝移植を行う場合、全身状態がすでに悪いため、手術のリスクが高くなることがあります。
最善のタイミングで移植を受けるためには、肝移植を最終手段としてではなく、治療選択肢の一つとして捉え、個々の患者の状態に応じて柔軟に治療計画を立てることが大切になってきます。
移植の目的は、日常生活を問題なく送れるようになり、社会復帰することです。術後に元気に仕事に戻り、好きだった運動を再開された人はたくさんいます。
しかし、肝移植は大手術であり、術中・術後の出血や、感染症などの、重大な合併症を起こすことがあります。
臓器に対する「拒絶反応」も、その一つです。他人の臓器を体内に入れるので、患者の体がそれを異物とみなすことで起こります。拒絶反応を避けるため、肝移植後は免疫抑制剤の内服は不可欠となります。
術後は定期的に通院し、肝臓が正常に機能しているか、合併症が起きていないかなどの検査を受けることも必要です。
妊娠は可能です。ただし、肝移植を受けていない人に比べて、妊娠・出産に伴うリスクが高い可能性があること、また肝移植後に必要な内服薬の中には、胎児に影響を与える種類もあることから、妊娠を希望する人は事前に主治医と相談するといいでしょう。
近年の医療の進歩により、肝移植の成功率は向上しています。肝移植手術を行う施設によってばらつきはありますが、肝移植1年後の患者の生存率は90%前後です。肝移植は、命に危険がある重度の肝疾患の方が対象になる治療ですが、残念ながら約10%の人が亡くなっています。
生存率を100%に近づけることが、私たち移植外科医の課題だと考えています。
※次回は、生体肝移植や日米移植医療の違い、臓器提供者(ドナー)登録などについてお聞きします。
別城悠樹先生
Yuki Bekki, MD, PhD
マウントサイナイ病院移植外科臨床フェロー。
九州大学医学部卒業後、沖縄県立中部病院勤務(研修医)、
九州大学医学部博士課程修了(博士号取得)、
福岡市民病院勤務(医員)を経て2018年7月来米。
日本外科学会外科専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本消化器病学会消化器病専門医。
ニューヨーク州医師免許所持。
The Recanati / Miller Transplanta-tion Institute
at The Mount Sinai Hospital
5 E 98th St., 12th Fl. (at Madison Ave.)
TEL: 212-241-8035(成人)
212-659-8060(小児)
https://www.mountsinai.org/care/transplant/services/liver
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