記事広告

情緒あふれるアズベリーパークに佇む アットホームな日本食店「TAKAレストラン」

ニュージャージー州アズベリーパークにある「TAKAレストラン」。この町に住む唯一の日本人であるTAKAさんが提供する、絶品の日本食が堪能できる同店は、ローカルの人々に愛されている町一番の人気店だ。今回、人情深い人柄が魅力のオーナー・TAKAさんの元を訪ねた。


ニューヨークから車で1時間ほど南下した、ニュージャージー州ジャージーショア沿いに位置する、アズベリーパーク。ここは歴史的建造物が残る情緒漂う町でありながら、青く美しい海が目の前に広がるリゾートとして、夏季はニューヨークや近隣州から多くの観光客がバカンスに訪れる地でもある。

そんなアズベリーパークにある、「TAKAレストラン」。真ん中にアイランド型のバーカウンターを構えた、200席収容(バーカウンターを除く)の広々とした店内では、すしやロール(巻きずし)、カクテル、日本酒などが楽しめる。2005年のオープン以来16年にわたって、地元の人々に愛されてきた。

中でも看板メニューの「ショートリブ」は、ニューヨークタイムズに「ニューヨーク一のショートリブ」として取り上げられたことがあり、同店の名物として人気を博している。

現在も客数を25%に制限した店内飲食やテークアウトを提供し続け、コロナ禍にもかかわらず店は繁盛しているという。

 

和のテイストも取り入れたスタイリッシュな店内では、現在25%の客数で店内飲食を営業している

 

マンハッタンから電車の場合、ペンステーションからNJトランジットの、ノースジャージー・コーストラインに乗車し、アズベリーパーク駅下車︎

 

ホームレスも経験した
来米直後の下積み時代

「TAKA Restaurant」オーナーのTAKAさん

 

TAKAさんは、レストランオープンまでは激動の半生を送ってきたと言い、「自分でもここにたどり着くとは思っていなかったです」と笑う。

福岡の筑豊地区出身で、1992年に来米。かばん一つでロサンゼルスのリトルトーキョーに流れ着き、餅屋でアルバイトをしながらその日暮らしの生活をしていたが、その後日本人のいない環境を求めて東海岸のマイアミへと飛んだ。

新たに飛び込んだ地では、英語が話せないことから皿洗いとしてさえも雇ってもらえず、あてもなくホームレスとして過ごす時期もあったという。

「頑張るか死ぬかの覚悟でアメリカにやってきたのに、ずっと自分の人生が行き詰まっている感じがしていました」

そんな苦悩の日々を過ごす中で、マイアミでオープンするという日本食レストランに拾われた。ところが働き口が決まったのも束の間、しばらくすると調理スタッフが全員帰国してしまうからとキッチンをたった一人で任されることになり、未経験ながらに必死に料理を覚えた。

数店舗を経験した後、現在のビジネスパートナーに出会い、ビザや仕事のサポートを得て、98年にアズベリーパークにやって来た。「TAKAレストラン」をオープンした最初の数年は、朝から晩まで働き通しだった。

「でも一度、一文無しを経験しているから、どんなに長時間労働でも仕事があるだけでありがたく思えました」

地道に働いていくうちに、次第に店は軌道に乗った。今では地元の議員や市長といったVIPも常連客として訪れるといい、幅広い人脈を築いている。全くつてのないアメリカで、人に助けられながら今の居場所を確立した。

 

色とりどりの鮮やかなすしロールや肉料理は、地元の人にも好評

従業員は人一倍大切に

皿洗いから始まった自身のたたき上げのキャリアから、従業員は人一倍大切にし、どんな人でも雇うのがTAKAさんのモットーだという。

現在シェフを募集しているが、「料理のスキルや経験は求めません」ときっぱり言う。

「うちでは年齢、人種、経歴、バックグラウンドを問わず誰でも働いてもらえます。転機を求めている人や人生を再スタートしたい人を応援します」

初めての地での生活は不安が伴うものだが、従業員には寮も用意されているため、生活の基盤からサポートしてくれるのは安心だ。

「海も近く、ニューヨークにも車で1時間ほどで行ける。ゆっくりした時間が流れるアットホームな町です。来ればきっと気に入ってもらえると思います。面白いところです」

アズベリーパークの地で、TAKAさんは新たな仲間を待っている。

 

キッチンでは、さまざまな人種のスタッフが手際よく料理をさばく

 

今も歴史的建造物が現存する趣残るアズベリーパークの街並み

 

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1240

今年のセントパトリックデーはイル文化を探索しよう

3月17日(土)のセントパトリックデー(Saint Patrick’s Day。以下:聖パトリックデー)が近づくとニューヨークの街中が緑色の装飾で活気づく。一足先に春の芽吹きを感じさせるこの記念日は、アイルランドの血を引く人にとっては「盆暮れ」と同じくらい大事。大人も子供も大はしゃぎでパレード見物やアイリッシュパブに出かける。聖パトリックデーとアイルランド魂の真髄を紹介する。