2018/06/08発行 ジャピオン970号掲載記事

Pages:      
970_IndustryCity_tobira

これが話題の街!
時空を超えた空間

ICはブルックリンの南部、サンセットパークの湾岸エリアにある。最寄りは地下鉄D、N、Rライン36ストリート駅。マンハッタンミッドタウンから急行で行けば約30分。駅を降りて海側に1ブロック歩くと8棟のクラシックな6階建ビル群が現れる。これがICの中心。総床面積650万スクエアフィートのこの広大な元工業用スペースには、スタートアップ企業を中心に約380社のオフィスが入っている。その半数以上がデザイン、IT、メディア関係だ。

地上階はフードホールがあり、小売店が軒を連ねる。今夏は、のみの市、ブルックリンフリーが土曜日に開催されていて、観光客、地元住民の新しいデスティネーションとなっている。

歴史を知っておく
前身は1895年に倉庫業者アーウィン・T・ブッシュが開発した、ブッシュターミナル。ふ頭、鉄道貨物駅、倉庫そして生産工場を一体化した総合物流センターで、当時としては画期的な発想だった。1910年までに巨大倉庫区が確立。15年には専用引き込み線が全開通。25年に工場区が完成しニューヨーク港随一の物流拠点となり、市内の全取引量の4分の1の貨物を扱う巨大工業地区に成長する。製造拠点から全米各地に向けてじかに製品を発送できたため、大小さまざまな企業がここに工場を移した。専用発電所、商店街、食堂街なども備えた、昼間人口数千人の自立した街だった。

戦後、トラック輸送と高速道の整備が進み、重工業の軸足がニュージャージーに移ると、同ターミナルは、テナントを失い急速に衰退。70年代以降は、廃虚同然と化す。周辺の治安も劇的に悪化した。

生まれ変わる工場空間
ところが80年代半ばに入ってブルックリン再興運動が湧き上がると、同ターミナルの存在価値が再評価される。さらに工業仕様の頑丈な作りで、ややぶっきらぼうな内装は、ミレニアル世代のアート感覚に合致し、カッコイイ空間として認知される。2009年を境にアーティストたちがスタジオを構え、中庭ではファッションや音楽関係のイベントが行われるようになった。

そして11年に10年計画の大改装が始まった。現在はフードホールが拡張され、一般人の入れるエリアも拡大したが、未だ成長中。今年2月には、市内初の酒蔵が登場。また日系スーパー、サンライズマートと日本料理店10店舗が入るジャパンビレッジのオープン(7月予定)と話題に事欠かない。

970_IndustryCity_tobira

 

970_IndustryCity_1-1
8棟のビルが並ぶIC。約380社が入る上層階は、20世紀初頭の建物特有の開放感あふれるオフィススペースになっている

970_IndustryCity_1-2
週末にはフードコートに人が集まる

970_IndustryCity_1-3
今夏はのみの市、ブルックリン・フリーが毎週末IC内で開催されている

970_IndustryCity_1-4
マンハッタンの知る人ぞ知る人気バーガー店、バーガージョイントも入店している


Pages:      

 

 

過去の特集

NYジャピオン 1分動画


ただいま配布中2018/12/14発行

巻頭特集
ニューヨークらしいバッグがほしい日本で使ってい...

   
Back Issue 9/14/2018~
Back Issue ~9/7/2018
利用規約に同意します
おすすめの今週末のイベント