2018/05/11発行 ジャピオン966号掲載記事

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資産運用はまず目的ありき
吉田成巳さん

Q資金運用する前に考えることは?
A資産運用の相談に来られる人には、私の方から、「なぜ資産運用をしたいですか?」「現在、あるいは将来に不安に感じていることは何ですか?」「5年後、10年後、どうなっていたいですか?」などと逆にお聞きします。

例えば「60歳でリタイアしハワイに住みたい」「子供たちの大学資金を払えるだけのお金を貯めたい」「5年後に家を買いたい」「家族に少しでも資産を残したい」など、まず目指しているものが何かを明確にすることが大切。スタートの仕方で結果も変わります。

Q日本人特有のお金への考え方は?
Aもちろん日本人だからということはありませんが、相談に来られる日本人のお客さまで、「よく分からないから銀行のセービング口座やCDだけ持っている」「銀行で金融商品を購入したが、実は全く分かりません」という人もいます。アメリカ人のお客さまは、目標を持ち、すでに資産運用をしていて、「こうしたいが、一番効率的で節税するいい方法は」「これを達成するためにこうしたい」と助言を求めに来る人が多いです。

日本では資産運用やお金に関する教育は積極的にはされてきませんでした。そうすると資産運用に対して抵抗感が強くなってしまう。例えば不動産では大金が動くので、失業したら、ローンが払えなくなったらと考え怖くなる。事前に正しい理解があれば恐怖は減ります。リスクを取らない方がリスクになることもあるので、一概には言えませんが、何かを始める前の事前理解が大切です。

Q投資とギャンブルの違いは?
A投資とギャンブルは全く違うものです。比較することもできません。投資とは将来のために行うものなので、私はその人が10年後、20年後に求める人生設計を実現するお手伝いをしています。来年に必要なお金なら、現金で持っていた方がいい。10年先、20年先に使えるお金を増やすのなら、上手な包括的な資産運用は必要です。

Q将来に備えるために考えることは?
A現金だけで計画通りにリタイアできる人は、ほとんどいないと思います。401kやIRA、不動産など何らかの形で資産運用をして、物価上昇率以上にお金の価値を上げていき、将来の収入を作る必要があります。現金を貯めるだけでは、お金の価値は上がりません。資産運用を始めても、計画通りにうまくリタイアできることは少なく、体を壊したり、失業、事業の失敗など、大小問わず何かしら不測の事態は起こるもの。なので、できるだけ早く始めた方がいいです。

また、人には向き不向きがあります。例えば株式市場のグラフの赤い下降線を見た瞬間眠れないという人もいて、いくら説明しても体が受け付けないわけで、そういう人は株式投資ではなく、自分に合った運用をした方がいいです。やり方は一つではありません。ゴールへの道はいくらでもあり、自分に合った方法を見つけることが大切です。

Qどんな意識で資産運用に臨めばよいでしょう?
A昔は銀行の金利が何十%、退職金、年金があり、また、同じ企業で一生働いて退職できました。今は会社も倒産するし、金利もほぼ0%、年金受給も不確かで、これまでの常識が通用しない時代になると感じます。AIや技術の発達で仕事の多くがなくなり、スマホで何でもできる時代。そうした変化に対応し、資産運用の方法、考え方も変えるべきです。意識を変えるためには、まず教育。将来のゴールを設定した後に、どういうものがあるかを理解することから始めてください。

Q専門家に相談することの利点は?
A専門家は、まず将来の目標から始まり、貯金額や借金、家族構成などを聞いてくるので、何かを始める前に自分がやるべきことがはっきりと見えてきます。また各種ローンを払っている場合、一番コストが低く、早く返済できる方法もあります。ポートフォリオや保険の定期的な見直し、相続・贈与、税金対策など。細部がおろそかになっている人も多いので、今やっておくことが大切です。

また、専門家の中には私を含め、サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー(CFP®)という資格の保持者がいます。CFP認定者は高度な知識と経験を持ち、法律上、顧客にとって本当にいいものだけを提供する信頼度の高い立場にあります。相談する際に、CFP認定者であるかどうかも一つの目安となるでしょう。

いずれにせよ、専門家のところに行く前に、ある程度自分で勉強して、自分が何を求めているかを考えておくのも大切です。




吉田成巳さん
サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー®(CFP®)、個人金融専門家(PFS)、米国公認会計士(CPA)、税理士(EA)。アメリプライズ・ファイナンシャルアドバイザー。
www.ameripriseadvisors.com/narumi.yoshida
TEL: 917-472-2678
 


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