2018/04/27発行 ジャピオン964号掲載記事


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M42
UNITED NATIONS W42 ST PIER

完全な観光路線で いつもと違う景色
東西の移動に難があるマンハッタンでは、「クロスタウン」と銘打ったバス路線がいくつもある。M42もそうした路線の一つで、マンハッタンの中心部分に当たる42丁目を東西に貫く。

ハドソンリバー沿いのピアを出発し、終点の国連本部までは約25分の旅。タイムズスクエアを通過し、ブライアントパーク、グランドセントラル駅、そして国連までをつなぐ完全なる「観光路線」で、乗降客のほとんどは観光客。

ただ彼らに混じって、いつも見慣れている風景を車窓を通して眺めていると、こちらも観光気分が盛り上がってくる。考えてみれば、それぞれの場所に行く時には地下鉄で移動することが多いため、街の「続いた景色」を見逃していたことに改めて気付かされる。

クロスタウンバスは、この他にM8、14、23、34などがあり、それぞれストリート名がついているので、分かりやすい。セントラルパークを東西に貫くM72、79、86、96もある。歩くには距離があり、地下鉄では不便。そうした場所こそ、バスを使って、あらためて景色を眺めてみることをおすすめしたい。世界中の人を魅了するニューヨークの街が新たな角度で見えてくるはずだ。



名所をつなぐ観光路線M42の車窓


終点は国連本部のすぐ脇


Q70-SBS
LAGUARDIA LINK

安くて早い 空港行きバス
以前は、国内出張などで「フライトがラガーディア発」と聞くと億劫に感じたものだが、ラガーディア空港に行くにはバスが一番便利だ。2013年に開通した急行バスQ70(通称ラガーディアリンク)を覚えておくといい。

Q70は、地下鉄7ライン、ロングアイランド鉄道のウッドサイド駅のガード下が起点。同駅にはエレベーターもあるので荷物があっても、乗り継ぎは超便利。もちろん乗り換え料金も適応される。市内在住者なら自宅から空港までわずか2ドル75セントで行けるわけだ。ルートは、途中7ラインの74ストリート駅にのみ停車して、あとは空港の三つのターミナル(B、D、Cの順)までフリーウェーで直行。渋滞に遭わなければ乗車時間は15分程度で済む。車体は、最新式のハイブリッドバスで清潔だし、車内にはスーツケースを載せるラックも装備。24時間運行で、便が夜遅い時にもアテにできる。

最近は日本からの客人も経由便でラガーディアに入るパターンが多いという。空港から市内へのタクシー料金は70ドル。ウーバーとて50ドルは下らない。家族や友人の送迎に、車窓も楽しめるQ70はうってつけだ。



ラガーディア空港の3ターミナルを結ぶ


空港付近の車窓も楽しい


魅力のビンテージバス 乗って知るバス史
ニューヨークのバス史については文献が極めて少ない。バスの歴史を知りたければブルックリンにある交通博物館(NewYork Transit Museum)に行くのが一番だ。旧地下鉄駅を利用した同館では、新旧バスの運転台に座ってハンドルを握ることができる。また、鉄道馬車から路面電車、トロリーバスを経て現在のバス路線が完成するまでの長くて複雑な経緯も、パネル展示で詳しく説明されている。大きな転換期は、市の交通委員会(当時)が、地下鉄、高架鉄道、路面電車の全てを一手に掌握した1940年。これを機に路面電車の撤廃が始まり、網の目のような路線がバスに取って代わられる。47年にはスタテン島、クイーンズ、マンハッタンにあった民間バス会社を市が買収し、初の市営バス網ができる。その後、市営と民間が共存してしめぎを削るバス時代が到来。ゼネラルモータースやマックなどの大手自動車メーカーが次々と打ち出す最新式のバスは、流線型のデザインが特徴的で、科学技術や宇宙開発など明るい未来を志向した戦後アメリカの夢が込められていた。

同博物館では、そんな時代の証であるビンテージバスも収集。スペースの都合上、館内には展示できず、普段は市内各所のバス車庫に保存されているが、時折「バス祭」と題して一般公開する。中でも最大規模のものは毎年ブルックリンのアトランティックアベニューで開催される「蚤の市」での展示。何台もの名物バスに無料で試乗できる。同館広報によると日程は9月最終週末を予定とのこと。

New York Transit Museum
99 Schermerhorn St., Brooklyn, NY 11201
www.nytransitmuseum.org


ビンテージバスは、同博物館主催イベントで市内を走ることもある。写真はM42の路線を走った際の様子


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