2018/04/27発行 ジャピオン964号掲載記事


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おすすめバス路線
 

 
乗ればニューヨークがもっと見えてくる、というおすすめのバス路線五つを、バス好きジャピオン取材班が実際に乗って検証してみた。
 

M4
THE CLOISTERS PENN STATION

 
名所をつなぐ 由緒ある路線
ペン駅向かいの横道を起点とするM4系統の北行きバスは、マディソンアベニューを110丁目まで上る。このルートの歴史は古く、そもそもは1832年に世界で初めて開通した鉄道馬車の路線。70年以来路面電車に取って代わられ、1936年3月の市電廃止でバス路線となった。

マンハッタンを南北に縦断する長い沿線にはグランドセントラル駅、美術館、セントラルパーク、コロンビア大学など見所が目白押し。市内観光にも便利だ。

125丁目辺りからはハーレム。車窓を流れる街の雰囲気にもぐっと生活臭が漂い、リズム感のいい乗客が増える。大声で楽しそうに話す常連客に時折運転手も合いの手を入れる。 165丁目でブロードウェーに別れを告げ、ワシントンハイツの住宅街を抜けるとフォート・トライオン・パークの園内に入る。ロックフェラー家が市民のために残した大公園。その奥に建つメトロポリタン美術館クロイスター分館がM4の終点だ。中世フランスの修道院を移築した建築と庭園は、四季を通じて美しく、1時間かけてバスで来た甲斐がある。復路はセントラルパーク沿いに5番街を南下するので、また違った味わいがある。


M4の終点はクロイスター美術館
 

ジョージ・ワシントン・ターミナルも通過


Q32
JACKSON HEIGHTS
PENN STATION

 
アジアと直結 買い物バス
マンハッタンとクイーンズを結ぶ珍しい長距離路線の一つ。ペン駅からミッドタウンまではM4と同じルートだが、59丁目で右折してクイーンズボロ橋を渡る。眼下のイーストリバーやルーズベルト島の景色は圧巻。地下鉄と違って、窓外の季節変化や天候が見えるのがバスの利点だ。
対岸に到達するとクイーンズブルバードを地下鉄7ラインと並行して、東へ走る。長引くウッドサイド地区の保線工事でダイアが乱れているラインだけに、この系統は通勤の代替手段としてもありがたい。

人種多様性では世界一といわれるクイーンズだけに車内では多言語が飛び交う。沿線には日本食料品店をはじめアジア系のスーパーがある。特にQ32の終点があるジャクソンハイツはインド、バングラデシュ系の移民の多い場所。安くて新鮮な食材を扱う店がひしめく。スーパーで大量の買い物をした時などはバスが極めて楽である。

ちなみにQ32のような各駅停車の路線の場合、夜間(午後10時〜午前5時)に限り、乗車時に運転手に伝えておくと、バス停以外で降車できる「Request- A-Stop」というサービスがあるので、深夜帰宅の多い人は利用するといい。


マンハッタンとクイーンズを結ぶQ32
 

クイーンズでは7ラインの高架下を走る


B24
WILLIAMSBURG
GREENPOINT

 
BQBをひた走り 空白エリア埋める
行き先の名前だけ見ると、人気の両地区を結ぶだけに、おしゃれな若者がさっそうと乗り込んでくるのかと思いきや、乗降客は年齢も人種もばらばらな住民たち。

ウィリアムズバーグ・ブリッジ・バス・ターミナルを起点に、メトロポリタンアベニューを東進し、キングスランドから州間道278号線に入り、コシャスコ橋を使ってニュータウン川を渡る。一旦クイーンのズサニーサイドをかすめ、再びニュートン川をジョン・ジェイ・バーン橋を使って渡り、グリーンポイントまでB(ブルックリン)Q(クイーンズ)Bという不可思議なルートを走る。

地下鉄路線図を見るとその謎は解ける。地下鉄が何も走っていない空白の地域を、B24が埋めるように走っているのだ。ブルックリン側では古い建物と新設のコンドが入り混じり、今まさに新興住宅地として開発が進んでいるイーストウィリアムズバーグ、クイーンズ側ではサニーサイドの南側。共に街に出るには地下鉄で遠回りを強いられる地域だ。

景色としては二度の川越えが圧巻。ファーストキャルバリー墓地を目下に見つつ、川の先には摩天楼も望める。


ウィアムズバーグ橋のたもとが起点
 

ニュートン川をわたるB24の車窓


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