2018/04/20発行 ジャピオン963号掲載記事

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何が違う?

日本とアメリカの出産の流れ

病院での一般的な指導や分娩方法は、日米でさまざまな違いがある。出産準備クラスを開催する「NJココットくらぶ」代表、スズキ有里さんがポイントを解説。

まずは妊娠の基本となる、妊娠期間の数え方を知ろう。「日本では最後の生理の開始日を0週として4週間ずつ、1カ月単位で数えますが、アメリカではこの0週目が1週目にあたります」とスズキさん。このため、同じ妊娠期間でも日本よりも1週短くカウントされる。

アメリカでは妊娠期間を3カ月ずつに区切り、ファースト・トライメスター(妊娠初期)、その次の3カ月がセカンド(中期)、最後の3カ月をサード(後期)とする分け方が一般的だ(それぞれの時期の特徴は5ページで紹介)。

通院頻度は少なめ

妊娠が発覚してから病院に通う回数も、一般的にはアメリカの方が少ない。特に違いが見られるのは、妊娠中期にあたる、24週目から27週目。日本ではこの時期になると、2週間に1回の通院を推奨されることが多いが、アメリカでは4週間に1回程度。

「日本では検診時に毎回腹部エコーを行う病院が多いですが、アメリカでは保険によるところが大きく、施設により妊娠中2、3回の場合も。これは日本の産婦人科医が自ら検査をするのに対し、アメリカでは専門の検査技師に送られるためだとされています」

またアメリカでは日本に比べ、染色体異常を調べるスクリーニングは妊婦の年齢問わず勧められるのが主流。

カフェインと生魚は控えて

日本では妊婦が魚を食べることは一般的だが、アメリカでは要注意。「生魚は厳禁。またマグロやカジキなどの水銀濃度が高いものは、特に控えるように指導されます」とスズキさん。

一方、カフェインを1日100から150ミリグラムに抑えるように指導する医師が多いのは日本同様。「スターバックスコーヒーのトールサイズでカフェインは260ミリグラム含まれているので、コーヒーが好きな人にはディカフェがおすすめです」。

出産はワンストップ!

ついに陣痛が始まって病院に駆け込む際、日本では相部屋で待機させられることが多い。一方アメリカは陣痛が始まってから産後の回復までをLDR(Labor=陣痛、Delivery=分娩、Recovery=回復の頭文字)と呼び、このプロセスをすべて同じ部屋で行う。

「個室なので他人の目もなく、精神的にも肉体的にも負担は軽くなりますよ。同時に個室ということで、旦那さんをはじめ、家族の立ち会いが一般的です」

気になる「無痛分娩」

出産時、アメリカで主流といわれているのが、硬模外麻酔を使ったいわゆる無痛分娩。日本ではまだ一般的とは言えず、不安を感じる妊婦も多いのでは?

スズキさんはこの麻酔について、「無痛にするのではなく、痛みを和らげるもの。もちろん100%副作用がないというわけではありませんが、麻酔の中でも一番安全性が高いといわれています」と教えてくれた。出産後は2、3日で退院とする病院が多いのも、麻酔を使用することにより妊婦の負担が大幅に軽減され、体力の回復が早いことを見込んでいる。

文化や習慣の異なる異国の地で出産するとなれば、大きな不安が伴うのは当然のこと。「情報は集められるだけ集めることが重要です」とスズキさん。次ページでは、読者の実際の出産体験談を紹介する。

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スズキ有里さん
(RN-BSN, Childbirth Educator)
日本看護師免許取得、米国認定看護師。日本で看護師として勤務後、2001年に来米。2016年に「NJココットくらぶ」を設立、現在担当講師を務める「出産準備担当クラス」は、ニュージャージー州フォートリーにて毎月1回、日曜日に開催。1クラス105ドル(1組2人)。産前・産後や家族の病気時のためのクッキングサポートも行っている。(http://njcocotteclub.wixsite.com/mysite


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