2018/04/13発行 ジャピオン962号掲載記事

Pages:     

ベテラン住民が語る
この街のたまらない魅力

 グリーンポイントに10年以上住み続けている2家族に、このエリアの魅力について聞いた。

身に染みる人の優しさ

 ハーバリストのマイヤ・ロビンソンさんは、フォトグラファーの夫と3歳の娘と一緒にグリーンポイントのレナードストリートに暮らす。同エリアに住み始めたのは結婚前の2004年。

 「当時は全くどんなところか知らず、ただ家賃がマンハッタンに比べ格段に安かったので選びました」とマイヤさん。実際に暮らしてみると住民の優しさに感激したという。

 「道で3回お財布を落としましたが、毎回出てくるのです。もちろん、中身も一切抜かれずに」。子供ができてからは、人々の優しさがさらに身に染みるそう。「ベビーカーを押しているとドアを開けてくれたり声掛けしてくれたり。第一、乳幼児の数がやたら多くて公園も充実。子育てには最適の街です」とマイヤさん。

 古くからポーランド系の移民が多い土地柄なので、ポーランドの総菜店やソーセージ専門店などがたくさんある他、夏季にはファーマーズマーケットも出るし、ナチュラルフードを扱う店もある。

 「隣町のウィリアムズバーグまで足を伸ばせば日本食材店もあり、食生活には全然困りません」と語るマイヤさんが、この街に住み続ける大きな理由が、コミュニティーガーデンだ。

 フランクリンストリート61番地にあった空き地を利用する共同家庭菜園(2013年創立)で、年間25ドルの会費を払ってメンバーになると、週に2、3時間程度の労働奉仕すれば好きな野菜やハーブを育てられる。収穫物は約50人のメンバーで山分けするのがルール。ハーバリストのマイヤさんは仕事で使う薬草の一部と、トマト、キュウリ、ズッキーニなど自宅で消費する野菜の一部をここでまかなっているという。この街の住みやすさは、こうした住民同士の強固な絆に支えられている。

映画の新名所に

 「僕が住む歴史保存地区に認定される通りは、家並みも街路樹もキレイで、家に帰ってくるたびに幸せな気分になります」と語るのは、俳優で映画監督の鈴木やすさん。

 やはり14年前にマンハッタンのヘルズキッチンから引っ越してきた。住まいはグリーンポイントの典型的なレールロードの間取りのアパート。うなぎの寝床のような長い空間をうまく区切って使っている。妻と6歳になる子供との3人暮らし。小学校の学力レベルも高く教育環境は抜群だという。「地下鉄もGラインだけでなくLや7の駅からも徒歩圏内なので、交通の問題は全くありません」。治安も極めて良好。14年間で一度も犯罪に遭遇していない。

 「すっかり忘れていたのですが、越してくる前に、今住んでいるアパートで演劇の稽古をしていたんです。グリーンポイントにただならぬ縁を感じています」と言う。

 現在、通りを隔てた向かいの一戸建ての購入を考えている。というのもフランクリンストリート界わいの工場街が再開発されて、近年、撮影スタジオや映像編集所など、映画関係の会社が続々集まっているからだ。役者、脚本家など映画関係の住民も増えてきたという。

 周辺でのロケも盛んで、やすさん自身すでに3本の短編映画を地元で撮っている。「独立系映画が中心ですが、じんわりとグリーンポイントのハリウッド化が進んでいます」。やすさんをこの地に導いたのは、銀幕の神様だったのかもしれない。

962-Greenpoint1

 
 
962-Greenpoint1_02
(写真左)グリーンポイントに14年住んでいるマイヤさんと3歳の娘さん、(写真右)マイヤさんが参加するコミュニティーガーデンの様子

962-Greenpoint1_03
(写真左)グリーンポイントに深い縁を感じるという鈴木やすさん一家、(写真右)自身が監督する短編映画も地元で撮影している



Pages:    

過去の特集

NYジャピオン 1分動画


利用規約に同意します
おすすめの今週末のイベント