2018/03/02発行 ジャピオン956号掲載記事


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犯罪、火災の体験談

読者が促す注意

 ニューヨークで犯罪被害に遭ったIさんと、火災被害に遭ったKさんに、その時の状況や、どう対処したのかを話してもらった。ぜひ参考にしてほしい。

こめかみに銃で脅し  

 「危険な場所を危険な時間に歩いていた自分に100%非があった」と振り返るのはブルックリン在住のIさん。今から13年ほど前、地下鉄Lラインのハルセイストリート駅から自宅への帰り道でのことだった。しこたま酒を飲んでいて、時刻も深夜すぎ。近辺はいつも10代の不良たちがたむろする危険地域だと分かってはいた。たまたま、会社を整理した時期で気分が不安定だったのも原因かもしれないという。Iさんはいつになく自暴自棄な足取りで人通りのないストリートを歩いていた。

 「気が付くといつもの悪ガキどもが正面から歩いてくる。互いに小突き合いながら談笑しているから、まさかと思ったが、突然、襲い掛かってきて、こめかみに銃口を突き付けられた。ひんやりした感触に背筋が凍りました」

 一瞬にして酔いから覚めたIさんは、とっさに財布ごと強盗に差し出した。

 「どんな安物の鉄砲でもあの至近距離から撃たれたら即死です。自分でも意外なくらい冷静に対応したと思う」

 きっと最初から狙われていたのだろう。千鳥足の日本人は格好のカモだ。幸い、事件が精神的なトラウマになることはなかったが、不快感は尾を引いた。

 「拳銃強盗は昔に比べて減ったけど犯罪多発地帯のティーンエージャーは要注意。大人と違って刑務所に送られたらどうなるかが分かっていない。安物拳銃も氾濫している。今も治安が良くないといわれるブルックリンの奥地などは絶対に近づかないこと。特に夜は言語道断です」とIさんは注意を促す。

近隣の火災で被害  

 2011年3月、仕事を終えてクイーンズに帰宅したアーティストのKさんは、自宅(築80年以上のアパート4階)の上の部屋が猛火に包まれているのを見て驚愕(きょうがく)した。

 消火隊をかき分けて自宅に飛び込むと、延焼こそないものの絶え間ない放水で家中が水浸しだ。折しも夫(映像アーティスト)は海外出張中。まず、隣人と友人に助けを求め、停電して真っ暗闇の中、夫の商売道具であるコンピューター機器と祖母から受け継いだ着物類を避難させる。天井からの滝のような漏水はおさまる気配もない。

 上階の住人は老夫婦で、室内はゴミ屋敷状態だったため、消火ホースが入らない。さらに上の6階の床に穴を開けてホースを挿入するという大作戦でようやく鎮火に至ったが、Kさん宅はとても住める状態ではない。その晩は友人宅に宿泊。翌日から始まった復旧作業は半年以上かかった。

 近隣火災による損害賠償はどうなっているのだろう?

 「家主も大家も出火原因は教えてくれません。訴訟にまでは至りませんでしたが、消防署に出火報告書を請求したところ、書類が届き、原因は台所のガス台の消し忘れと判明しました。それをもとに大家に掛け合い、被害総額を費目ごとに細かく提出。その半分を補償してもらい部屋の改装中は家賃を半額に下げさせました」。近隣火災被害は、自分ではどうしようもない不可抗力だが、「言わないと何もしてくれません」とKさん。今でも消防車のサイレンを聞くとドキッとするという。

 「とにかく自宅の火の用心は万全にして、日頃から近所の人たちと声掛けして、万一の場合は助け合う準備をするしかありません。そして、火災保険は絶対入っておいたほうがいいです」

 

防犯、防災に関する事前情報を得るため、
また何か起こった際の連絡先をリストで紹介。

 

緊急時には迷わず911

 警察、消防、救急に関する緊急事態の場合は、まず911に連絡すること。電話すると通信センターにつながり、かけている場所と電話番号はオペレーターに伝わる。まずオペレーターに場所と事態の内容を告げる。日本語を希望するときは「ジャパニーズプリーズ」と伝えると通訳を介してくれる。

 

緊急でない場合、防犯の相談はNYPD

 緊急でない場合の犯罪被害の報告や相談は、それぞれの区域を管轄するNYPD(ニューヨーク市警)に連絡すること。あらかじめ住居がある区域のNYPD分署を調べておこう。ウェブサイトでは最近起こっている犯罪に関する情報、防犯に関する対策情報の提供、さらにオフィスや自宅の防犯対策に関する無料相談や無料レクチャー、子供の安全対策からネット安全対策まで、幅広い知識が得られる。携帯電話を事前に登録し盗難時に対応できるシステムもある。
TEL: 212-867-7060
www1.nyc.gov/site/nypd/index.page

 

日本人の強い味方:在NY総領事館

 在ニューヨーク日本国総領事館は在外邦人向けに、防犯、防災に関する情報提供を行っている。ウェブサイトでは日本語で、当地、および海外生活で気を付けたいことなどの情報を分かりやすく掲載。緊急時の対応から、家庭でできる緊急時の安全対策、最新の犯罪数などの発表(3カ月ごと)なども見ることができる。この他にも登録しておくと、月や季節ごとの防犯対策や最新の犯罪傾向などの情報を受け取れるメールマガジンも発信(ホームページ上でも確認可能)。

 この他にも、外務省は、海外で大規模な災害や事件が発生して邦人が巻き込まれる可能性がある場合に、安否照会を日本、および海外の照会者が依頼することができるシステムをウェブサイトで提供。また海外に出立する前に登録しておく「たびレジ」の他、漫画で安全対策を訴える「ゴルゴ13の中堅・中小企業向け海外安全対策マニュアル」の発行など、海外での安全対策の方法をさまざまな形で発信している。

 総領事館に電話で問い合わせる場合は、開館時にはオペレーターに「邦人援護班」と告げる。緊急の用件の場合には、24時間電話で対応するシステムがある(下記電話に問い合わせること)。

 
 


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