2018/03/02発行 ジャピオン956号掲載記事

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防犯・防災で
今、知っておくべきこと

今、ニューヨークで心配なのは、テロと、今冬特に目に付く大規模火災。こうしたことから身を守る方法を、「Safecoリスクコントロール」代表で、防犯専門家の橋本晃宏さんに聞いた。

Q 予測不可能なテロに対しては、どのように身を守ればいいですか?

A まず、「自分の周りでテロなんて起こらないだろう」と、他人事のように思わないことが一番大切です。NYPD(ニューヨーク市警)は約10年前に対テロ特殊部門を組織しました。それはニューヨークでのテロの発生が危惧されていることの証左だといえます。

 予測ができないテロの発生に遭遇することを100%回避する方法はありません。ただ、だからといって事前に何も考えておらず、何か起こっても適切な行動をとれなければ、命を落としかねません。

 「命が助かる可能性を1%でも上げる」が基本の考え方です。そのためにすべきことをあらかじめ考えておきましょう。

Q では実際にテロに巻き込まれたときにすべき対処法は?

A 乱射事件に遭遇した場合の対策として、NYPDは「アボイド」「バリケード」「コンフロント」ということを掲げています。

 場所を問わず銃声や爆発音が聞こえたら、まず発生地から遠ざかるように逃げること。ラスベガスでの乱射事件でも、異変を察知して素早く逃げた人が多く助かっています。銃撃をしている場所を感知して、それと反対方向に逃げますが、逃げる際には頭をかばいながら低姿勢を保つこと。ジグザグに走って逃げると一撃される可能性が低くなる場合があります。

 昨年末には地下通路での自爆テロが当地でありました。こうした場合も爆発音を聞いたら発生地を感知し、それとは反対方向に走って逃げます。多くの場合、爆発は数回起こるので、近くにいると二次被害に遭う可能性が増えます。

 乱射事件で建物内に犯人が侵入したときは、部屋のドアの鍵をかけ、椅子やテーブルでドアにバリケードを作り、犯人の侵入を遅らせ助けを待ちます。

 そして、コンフロントつまり戦うことをNYPDは挙げていますが、実際に武器を持った人間を相手に立ち向かうことは、訓練でも受けていない限り容易ではありません。ただ、逃げられないかもしれない状況になっても、「最後まで絶対諦めない」執念を持つことが実はとても大切なのです。

 常日頃から、「もしこの場で何か起きたら」と考え、行動の仕方や計画を持っておくことが大切です。

Q 最新の防犯対策用グッズは?

A スマホは多機能ですが、いざという時に操作に手間取ることが多い。そのため、個人の防犯対策に特化したペンダントや腕時計型の防犯アラーム(携帯用緊急通報システム)などが便利です。弊社で扱っている「PERSシステム」を使ったものは、ペンダント型で、緊急時にボタンを押すと、専用コンソールを通してモニタリングサービスにつながり、警察に通報してくれる機能があります。

 また、犯罪被害に遭わないために、最新の犯罪発生情報を知ることも重要です。スポットクライム(www.spotcrime.com/ny/new+york)などが役立ちます。

Q 火災にはどんな対策がありますか?

A 火災事故でいつも大惨事につながるのは、火災報知器が取り付けられていない、取り付けられていても電池切れで機能していないというケースです。

 ホームセンターやオンラインで購入できる簡単なものでもいいので、まず火災報知器を必ず取り付けてください。オフィス用には火災が起こると作動し、警備会社などのセントラルステーションを介して消防署に通報するシステムもあります。

 気を付けたいのは、火災報知器は、数年で電池が切れて動かなくなるということ。電池切れが近いと数時間おきに予備警報音が鳴りますので早めに電池を交換してください。

 火災が大規模になるのは、建物が密集する地区で、近所に延焼するケースです。火災報知器の多くが煙を探知するものですが、近くで火災が起こっても、煙の特性や建物の構造によっては、煙を検知するまでに時間がかかる場合があります。ですので、火災報知器としては煙探知器と二酸化炭素探知器を両方つけてください。そうすることで、いち早く火災の発生を知り、早く避難できます。

 

一般的な家庭用の簡易火災報知器には煙を探知するもの(写真上)と、二酸化炭素を探知するもの(同下)がある。20ドル程度の安価なものも手に入る。火災の発生をいち早く知るために、二つ備えておこう。

お話を聞いた人

橋本晃宏さん
SafecoRiskControl,Inc.代表。1995年からセキュリティー関連のビジネスを始め、2004年に同社設立。セキュリティーシステム・スペシャリスト、リスクアナリストとして個人・企業向けに防犯管理サービスを提供している。元カリフォルニア州立短大講師。
Safeco Risk Control, Inc.
www.safecosurveillance.com


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