2018/02/09発行 ジャピオン953号掲載記事


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知りたい! 平昌グルメあれこれ
平昌とその近隣地域で有名な料理を、韓国出身の編集者・ライターのジェームズさんが解説。ニューヨークで身近に味わえるかどうか「レア度」も一緒に紹介する。

ジェームズ・パクさん■オンラインメディア「Eater」編集員。韓国出身。13歳で単身来米、2013年にニューヨークに移住。自身のウェブサイトやSNSでも、韓国フードをメーンにグルメ情報を発信(www.cookingmyfeelings.com)

 

平昌では純そば粉製!
冷麺(マックッス、막국수)

 レア度 ★★ 

 平昌は、そば(韓国語でメミル)の実。「そばの実の花咲くころ」という有名な韓国の短編小説の舞台でもあり、国際そば学会も開かれるなど、国内外の認知度も高い。

 そば粉を使ったパンケーキやクレープも有名だが、やはり代表格は韓国のソウルフード、冷麺だろう。うだる夏の暑さが似合う料理だが、元々は寒い季節に、暖房のよく効いた屋内で食べられていたそうだ。

 「ニューヨークの韓国料理店のメニューでも、そば粉(バックウィート)の冷麺はよく見掛けますが、実はそば粉の比率で大きく種類が変わります」とジェームズさん。

 「でん粉や小麦粉を混ぜた、コシのある麺を使った冷麺は『ネンミョン』と言われ、牛で取ったスープを使ったものが定番。一方、そば粉だけで作った、平昌文化寄りのものは『マックッス』。ダイコンキムチ(トンチミ)から取ったスープに入れた、全くの別物です」

 この二つは外国語に訳すと判別しづらくなるのが難点で、メニューを見ただけでは分からないことが多々あるとか。マックッスのトッピングとして定番は、ダイコン、ゆで卵とキュウリの三つだが、レシピはバラエティー豊かだ。

 「そばの実は安価なので、マックッスは元々、貧しい人々の食べ物だったようです」とジェームズさん。台所にある分の食材で作るというスタンスが発祥で、汁がほとんどなかったり、逆にたっぷり浸かるように入っていたりと、食べ方に明確なルールはないそうだ。


庶民の知恵に人気爆発
タッカルビ(닭갈비)

 レア度 ★ 

 カルビ(韓国語で「牛のあばら骨周りの肉」)といえば、コチュジャンなどのソースに牛肉をマリネして鉄板で焼く、韓国のソウフフルード。これを鶏肉(タッ)にアレンジしたのが「タッカルビ」だ。

 牛肉を切らした韓国のとあるレストランが試しに鶏肉で提供して、大ヒットとなったのが始まりとか。ジェームズさんによると、鶏肉はカルビよりも手頃な価格なので、韓国では学生を中心とした若い世代に人気だという。

 「江原道で生まれた料理で、冷麺とセットで頼むことが多いですね」とジェームズさん。

 発祥の地とされる、江原道の道庁所在地・春川(チュンチョン)市には、タッカルビの専門店が20店以上も軒を連ねる、「タッカルビ通り」がある(隣の洪川郡が発祥とする説もある)。

 ぶつ切りの鶏肉と野菜を、コチュジャンベースのタレでからめ、じっくり時間をかけて炒めるのがスタンダード。最初は網焼き料理として誕生したらしいが、普及するにつれて最近は鉄板焼きが主流。ニューヨークの韓国料理店でも定番メニューであり、ピリ辛でコクのある味付けは奇をてらわず、日本人にもなじみやすい。

 また近年、若者を中心に人気なアレンジレシピは、同じ鉄板の上でチーズを溶かし、フォンデュのようにして食べる「チーズタッカルビ」だ。人気は日本の女子高生にも波及し、ちょっとしたブームとなっているようで、日本でも提供するレストランも増えている。


冷凍? 乾燥? 新たな食感
ファンテ(황태)

 レア度 ★★★ 

 日本でもすり身としてよく使われるスケトウダラは、韓国では国民食とも言える存在。韓国語では「ミョンテ」と呼ばれており、日本語の「明太子」は、このミョンテという言葉から来ているとか。

 加工法によって名前が変わる。例えば、生の状態は「センテ」、冷凍になると「ドンテ」、乾燥させたものは「プゴ」。

 「その中でも平昌の名物である『ファンテ』は、半冷凍・半乾燥という珍しいミョンテです」とジェームズさん。「屋外に干して乾燥させている間に、冷たい風に吹かれて凍り、また溶けて乾燥を繰り返します。すると柔らかくも弾力のある、全く新しい食感が生まれます」

 ジェームズさんが幼い頃、センテやドンテは煮魚として食卓に並ぶことが多かったそうだ。「子供なので煮魚は嫌いだったのですが、ファンテは生臭さもないため、よく食べていた記憶がありますね」。

 土地の気候で作られるので、平昌の外で食べられるのは非常にまれ。ニューヨークでその魅力を楽しみたい人にジェームズさんがオススメするのが、乾燥させたプゴ。韓国系スーパーで入手できる。あの独特の食感の再現は難しいが、風味は最も近いのだとか。

 ミョンテとプゴの最もポピュラーな食べ方はスープだ。韓国では特に、二日酔いにきく料理として知られている。ジェームズさんも、「食べると体にじんわりしみて、心も体も楽になりますよ」とオススメしている。


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