2018/01/26発行 ジャピオン951号掲載記事

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ハイテクで海中を「体感」する
ナショナルジオグラフィック•エンカウンターハイテクで海中を「体感」する

昨年10月オープンのナショナルジオグラフィックが仕掛ける展示「エンカウンター〜海のオデッセイ」。その最新型の海洋博物館では一体何に「遭遇」できるのか。

 総発行部数850万で世界一のグラビア科学雑誌「ナショナルジオグラフィック」が肝入りでプロデュースした「エンカウンター〜海のオデッセイ」の展示は、タイムズスクエアから徒歩0分のビルの地下にある。予備情報ゼロで飛び込む。

最新技術と海のコラボ

 テーマパークのライドばりの整列入場で最初に案内されたのは、何の変哲もない小部屋。ところが暗転してエキサイティングな音楽が鳴ると、床から壁から、みるみるソロモン諸島のサンゴ礁の浅瀬に変わってゆくではないか。

 陽光が降り注ぐ海中には極彩色の熱帯魚が泳ぎ回り、時折足元をよぎるエイたちは、見学者の足の動きに反応する。ドキュメンタリー映像でも定評のある「ナショナルジオグラフィック」だからてっきり実写かと思いきや、全てインタラクティブなコンピューターアニメーションだそう。

 「まずあったのは最新技術を使うという試みと、見学者を絶対に行けないような場所に連れてゆくというコンセプトです。通常の博物館の展示ではあり得ないような、いままで誰も見たことがない視点から大自然の素晴らしさを見せるのが狙いです」と話すのは同展のマーケティング&セールス部のシャノン・ヘバートさん。

 ガイドの案内で次々に現れる展示室には、「夜のサンゴ礁の発光生物」「カリフォルニア沖巨大コンブの森とアザラシ」「ハワイ沖カタクチイワシの大群」など、常人ではとても目にすることができない状況が再現される。しかも見学者は展示を外から眺めるのではなく、展示の中に「イマースする(=身を浸す)」。こればかりは筆舌を尽くしても伝えきれない感覚。しかも、あまり書くとネタバレや先入観を招くので、「百聞は一見にしかず」。とにかく足を運んでほしい。

科学的裏付けを重視

 「エンカウンター~海のオデッセイ」は構想5年、ビジュアル制作2年。建物を展示用に改築するために1年の歳月を費やして、昨年10月にオープンした。ニューヨークタイムズ紙やCNNも絶賛している。向こう15年はこの場所で同様の展示を公開していく計画だそうだ。

 圧倒的なビジュアルゆえに「新手のエンタメ」とも思えるが、海洋生物の生態は全てナショナル・ジオグラフィックに所属する研究者と専属カメラマンたちが持つ、膨大な資料と科学知識に基づいている。例えば、目玉展示の一つにどう猛なアメリカオオアカイカ(体長1・5メートル、体重50キロ)の共食いを間近に体感するコーナーがある。まるで怪獣映画の決闘シーンのような大迫力だが、イカの動きや生態は全て科学的事実の通り。映像体感の後で研究者の証言やイカの実写を見せるなど、学術面のフォローも抜かりない。

 海の素晴らしさを再認識させ、興味を抱かせるだけにとどまらず、海洋環境への配慮まで意識させてしまうところが、さすがナショナルジオグラフィック。

 

目玉の一つ3Dで見る8K映像の「カタクチイワシのベイトボール」。捕食者に対抗して小魚たちが作る、球状の群に包まれる感覚は他では味わえない。絵本「スイミー」の世界そのもの

素早く足元をかすめるエイたちに大人も大はしゃぎ

デジタルとは思えない世界にいつしかどっぷり

National Geographic Encounter
226 W. 44th St.
(bet. 7th & 8th Aves.)
www.natgeoencounter.com
入場料:一般・前売り39ドル50セント、12歳以下・前売り32ドル50セントなど


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