2018/01/01発行 ジャピオン948号掲載記事

Pages:      

TiAさん(歌手)

一歩ずつ着実に進む先に
素晴らしい未来がある

 マクドナルド・ゴスペルフェストなど数々のアメリカのシンガーコンテストで優勝、日本のカラオケバトル番組に出演など、3年前にニューヨークに拠点を移してから日米双方で目覚ましい活躍をする歌手のTiAさん。2017年はアメリカ最大級のゴスペルフェストで1万人の候補者の中からファイナリストに選ばれ、スタジアムで歌った。

 18年の目標はアメリカのコンテストで優勝か、もしくは日本でカラオケ女王かと思いきや、返ってきたのは意外な答えだった。「18年は今のところ、どの大会にも参加する予定がないんです。コンテストはもう受けなくていいかなと思って」。そう言い切る理由は、彼女の音楽に対する信念につながっている。

 2004年、16歳で日本で歌手デビューし、14年に来米したTiAさん。ニューヨークに来た目的は歌の技術を磨くためではなく、歌を諦めるためだった。

ゴスペルと出合い転機

 「その頃歌手活動がうまくいかなくて、とにかくどん底で。日本から逃げたくてたまらなかったんです。ニューヨークを選んだのもただの直感でした」

 来米後は歌うことをやめていたが、本場のゴスペルと出合い心揺さぶられる。日々落ち込んでいた中、愛犬の死というさらなる悲しみに見舞われ、泣き暮らした彼女を救ったのもまたゴスペルだった。

 「教会でゴスペルを聞いて、本当に励まされたんです。これまで仕事として歌手をやっていたけど、私はただ歌が大好きだったんだと子供の頃の気持ちを思い出して。ニューヨークでの生活は私に歌うことの楽しさを教えてくれた。私を私に戻してくれた。だからゴスペルを歌うことは私にとって感謝の気持ちを伝えることなんです」

 再び歌うことを決めて、小さなバーや数人の観客の前で歌い始めたときも、ゴスペルフェストで2万人の観客を前に歌ったときも、一貫して心にあったのは喜びでも緊張でもなく感謝だった。この感謝の気持ちをもっと伝えたい、自分にしか表現できない音楽を届けたい。その強い思いが、コンテストで挑戦者として評価されることに区切りをつけさせたのだという。

個性を発揮したい

 日本のカラオケ番組出演を辞退する理由は、求められることがアメリカで学んだことの真逆だから。

 「楽譜通りに歌い、音程を絶対に外してはいけない採点機のルールがあって。どう崩してかっこよく見せるかを大切にするアメリカではありえない。そもそもアメリカのカラオケに採点機械なんてない。カラオケの枠の中に入らなきゃいけないのがつらかった」

 日本でカラオケ女王を目指すことは、今の彼女を形作る経験や信念に反すると悟ったのだ。「決められた通りに歌うんじゃなくて、個性を発揮したオリジナルの歌を届けたい気持ちが強くなりました」。

 彼女の今年の目標は、1月発売予定のシングルに続き、アルバムをリリースすること。そしてニューヨークで2度目のワンマンライブをする。10年後の目標は「特にありません。大きな目標を決めて追い掛けるんじゃなくて、失敗を恐れず今できることを精一杯やっていけば、ちゃんと良い方向に歩いて行ける。結果的にすてきな所にたどり着ける自信があるんです」

 思いを届けるために今日も歌うTiAさんから、今年も目が離せない。

JAPANFes秋の陣に出演した際の様子。初日はマンハッタン、2日目はブルックリンで自らステージを企画し盛り上げた

マクドナルド・ゴスペルフェスト2017での様子。2016年は、グループ枠で「おむすびシスターズ」として日本人初の優勝


Pages:      

過去の特集

NYジャピオン 1分動画


ただいま配布中2018/09/14発行

巻頭特集
今回は、ヘルスケア&クリニックリストに関連して...

   
Back Issue ~8/24/2018
Back Issue 9/14/2018~
利用規約に同意します
おすすめの今週末のイベント