2017/12/01発行 ジャピオン944号掲載記事


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 特にニューヨーク在住の人にとって、ニヤリとするシチュエーションで映画に登場することが多いのが、5アベニューにあるニューヨーク公共図書館の本館。ボザール様式の荘厳な雰囲気は、まさに英知の宝庫と言った風貌だが、なぜか物語の中では読書以外に利用されがちだ。

 一番有名なのは、コメディー映画「ゴーストバスターズ」(1984)で、読書をしている老女の幽霊を退治するシーンだろう。パニック映画「デイ・アフター・トゥモロー」(2004)では、凍り付いたマンハッタンでの希少な避難所になっていて、人々が炎の中に蔵書を投げ込んでいる。さらにドラマシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」(08)の映画版では、キャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)が結婚式を挙げた。

 建物については、司書のジョン・ビリングス博士の7階建ての草案から構想が膨らんだ。コンペを勝ち抜いた建設事務所、カレール&ヘイスティングスが設計を担当。フリックコレクション美術館の設計者だ。大理石でできた建造物としては当時の米国最大規模。2年の工事予定はズルズルと延びて、16年もの大工事に。1911年に一般市民に向けて開館した当初、館内に詰め込まれた本棚の長さは、全長約120キロメートルにもおよんだ。

 図書館は2010年に史上最大級の資金難に見舞われ、運営が困難に。そこで図書館は、先述の「ゴーストバスターズ」を利用したプロモーションビデオを製作した。館内に出没した幽霊(白い布を被った職員)を、バスターズが退治するというユニークな手法で、図書館の存在と財政難をアピール。読書以外に使われたことが、図書館の危機を救う結果となった。

 この建物は来年から21年まで、3億1700万ドルを投じた大規模な改修工事を予定している。新しい館内で、次はどんな映画が撮影されるだろうか。

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住所: 476 5th Ave.
竣工: 1911年
設計者: カレール&ヘイスティングス社


実際に泊まれる! あの有名ロケ地のホテル

プラザホテル
 「華麗なるギャツビー」(2013)や「アメリカン・ハッスル」(13)など、億万長者たちの華麗なる暮らしを反映したり、かたや「ホーム・アローン2」では庶民憧れのホテルとして描かれたりと、プラザホテルは映画でもその絢爛(けんらん)なデザインを惜しみなく見せている。設計者はヘンリー・ジェーンウェイ・ハーデンバーグ。ダコタハウスも手掛けており、改めて二つの建物を見てみると、屋根などに似通ったデザインが見て取れる。1907年竣工で、国定歴史建造物に指定されている、市内でも数少ないホテルだ。

 このプラザホテルは現在、前述の「ホーム・アローン2」製作25周年を記念して、来年10月まで特別宿泊プラン(1泊895ドル~)を展開中。同作のアニバーサリーエディションのDVDセットが付いてきたり、ルームサービスで実際にケビン(マコーレー・カルキン)が食べたサンデーが振る舞われたりと、ファンにはたまらない内容だ。詳細はホテルまで要問い合わせ。www.theplazany.com

 

ルーズベルトホテル
 映画のロケ地としてもう一つ忘れてはならないのが、ルーズベルトホテル。「メイド・イン・マンハッタン」(2002)では、マリサ(ジェニファー・ロペス)がメイドとして働いていたのが、何を隠そうこのルーズベルトホテルだ(撮影は現在休業中のウォルドフ=アストリア・ホテルと併用)。1924年開業で、証券取引所と同じく、ジョージ・B・ポストが建物の設計に携わっている。外観はレンガと石造りで素朴な一方、内観は白を基調に金の装飾や赤じゅうたんでまとめ、クラシカルな落ち着きを見せる。泊まるなら、やはり「崖っぷちの男」(12)の劇中でニック(サム・ワーシントン)が飛び降り騒ぎを起こした、21階だろうか。www.theroosevelthotel.com

 

◆エド・コッチ・クイーンズボロ橋
(クイーンズ~マンハッタン)

1909年竣工。エンジニエアのグスタフ・リンデンタールとヘンリー・ホーンボステルが設計した、約1135メートルの橋で、イーストリバーに架かる橋としては最長。1973年に国定歴史建造物に指定された。映画「ダークナイトライジング」(2012)では「ゴッサム橋」として登場する。
◆マンハッタン橋
(ブルックリン~マンハッタン)

1909年竣工で、全長約1762メートル。エンジニアのレオン・モイセイフが設計を担当し、マンハッタン側の入り口は、公共図書館本館の設計者、カレール&ヘイスティングス社がデザインしている。映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」(2011)で、主人公オスカーがタンバリンをたたきながら走っている橋がここ。

 

◆ブルックリン橋
(ブルックリン~マンハッタン)

市内で現役で活躍する橋としては最も古い歴史を持ち、1883年竣工。長さはウィリアムズバーグ橋に次いで長い、約1825メートルだ。映画「マーシャル・ロー」(1998)では軍隊が行進する様子がポスターにも起用された他、「トランスフォーマー/リベンジ」(2009)ではメガトロンが登っている。
◆ウィリスアベニュー橋
(ブロンクス~マンハッタン)

オリジナルの橋は1901年竣工で、老朽化に伴い再建、2010年に工事が完了した。全長は約979メートル。先述の橋たちに比べると、映画での露出が少ないが、「真夜中のカーボーイ」(1969)で主役二人が歩いている姿が有名だ。

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