2017/11/24発行 ジャピオン943号掲載記事

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 凍結している、または雪が積もった路面は低摩擦になるため、運転の仕方を変える必要があると指摘するのは、自動車整備工場セイロ・モータース代表でメカニックの高橋龍太郎さん。

 雪国、秋田県の生まれで、冬の運転に慣れているという高橋さんは基本中の基本として、「発車するとき、そっとアクセルを踏み込んで、タイヤのグリップ(摩擦力)を得ること」とアドバイスする。さらに、「スノータイヤを履いていても、時速50マイル以上になると車が勝手に滑りだします」と注意を促す。自身も、「雪が残った道路を知らず知らず時速50マイルを超えて走ってしまい、何もしないのに車が滑り一回転し、あわや大惨事」という経験をしたそうだ。冬の運転は、装備を整え、とにかく優しく、ゆっくりが基本。

装備の基本はタイヤ

 降雪後、除雪作業がすぐに行われるニューヨーク市内のドライバーたちは、多少の積雪・凍結路面も通常のタイヤ(4シーズン/オールパーパス)で乗り切る人が多いようだが、安心して運転するにはスノータイヤに履き替えておくのが基本だ。スノータイヤは通常のタイヤに比べ、素材が柔らかいためグリップ力が高く、低摩擦の路面でもより滑らずに走ることができる。ただし路面温度が上がると一気にタイヤが減るので、「11、12月に履き替え、3、4月に戻す人が多いです」と高橋さん。鉄びょうを打った、日本でいうスパイクタイヤは禁止ではないが、各州で使用期間が設けられている。またチェーンは緊急時か、特殊車両にのみ使用が制限されている。

 思い込みにも気をつけたい。「前輪駆動車だから、前輪だけスノータイヤを履かせればいいと思っている人もいますが間違いです」という。「前輪だけグリップがあると下り坂でテールが振れて非常に危ない。2本だけなら後輪、でも4本履くのが基本」。

 また装備への過信も避けたい。「四輪駆動(4WD)でも滑るときは滑りますし、スピードを出して凍結路面に乗ったらABS(アンチロック・ブレーキ・システム)も効きません」と指摘する。

気温低下の影響

 気温が急激に下がると車両自体にもいろいろな影響が出てくる。タイヤもその一つで、カ氏10度下がるごとに空気圧が1パウンド減ってしまう。空気圧が下がるとタイヤの外径が小さくなり、燃費が悪くなる。またバッテリーは、屋外に駐車することが多い場合や、たまにしか動かさないと一気に寿命が縮むことがあるので注意。いざ使うときに車が動かない事態になる。また、ウォッシャー液の相談もこの時期増える。冬用の液でないと凍ってしまうそうだ。

 最近、エンジンオイルは、長持ちする化学合成オイルが主流で、オイル交換の頻度が減った。そのため「この機会に」という基本的なメンテナンスがおろそかになりやすいのだとか。

「安全に運転するため、本格的に寒くなる前に、一度メンテナンスをしておくのがおすすめです」と高橋さんは注意を呼び掛けた。

お話を聞いた人

高橋龍太郎さん
セイロ・モータース代表兼メカニック
Saeilo Motors
480 Old River Rd.
Edgewater, NJ 07020
TEL: 201-840-0010
www.saeiloautorepair.com

タイヤの状態

オールパーパスのタイヤでも、山が減れば滑りやすくなり、雪、凍結路面ではさらに危険。雨の中でスリップを感じるならば、1カ月以内が替え時。

タイヤの空気圧
気温の低下でタイヤの空気圧は下がる。

バッテリー
4年程度でパワーが落ち始める。さらにたまにしか使わない場合、電力がチャージされないので劣化が早い。

ウォッシャー液
冬は不凍タイプで、カ氏マイナス20度でも凍らないものを使うこと。

洗車
当地では凍結防止のため、降雪の際に撒く塩が、ボディーだけでなく、車の下部にも付着する。放っておくと2シーズンほどでさびるので、3、4月になったら利用できる、下部も洗える洗車所を探しておくこと。


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