2017/11/03発行 ジャピオン940号掲載記事


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 グランドセントラル駅から電車で20分のニューヨーク植物園にある、植物学専門のマーツ図書館もおすすめだ。駅前の「モショル門」から入園したら並木道の奥に佇むヨーロッパ調の荘厳な建物を目指そう。1899年に研究目的で創立された同館は、55万冊超の蔵書を誇る。特筆すべきは、希少本コレクションに収められた植物画(ボタニカルアート)の数々。写真のない時代に素描や水彩、着色版画で細密に描かれた新大陸の植物たちのリアルさには目を見張る。

 他にも19世紀に同園を設計したロード&バーナム社が残した膨大な造園プランやダーウィンの日記など収蔵資料には興味が尽きない。4000冊以上の貸し出し図書もあるのでガーデニングや植物に関心のある人はぜひ利用するといい。

全米でも最大規模を誇る植物学専門の図書館。植物園の有力支援者であったラエスター・マーツ氏の名を冠する

Mertz Library
2900 Southern Blvd.
Bronx, NY 10458
www.nybg.org/learn/mertz-library

 19世紀の内装スタイルを最も美しく残す空間として名高いのがブルックリン歴史協会のオスマー図書館だ。1881年竣工。設計はニューヨーク証券取引所やシティーカレッジ校舎をデザインしたジョージ・ポスト。ステンドグラスや高級木材をふんだんに使った品格ある作りが特徴。吹き抜け天井の閲覧室を囲む書庫には、書籍3万3000点をはじめ、古地図、写真、映像から地元企業の社史や帳簿まで、ありとあらゆるブルックリン関係の資料が並ぶ。

 図書館にその名を冠するハロルド・オスマー博士は、コダック社に多大な功績を残した化学者。ブルックリンをこよなく愛した博士は同協会の理事を務め、自身の持つ150もの特許で得た巨万の富の一部を図書館に捧げた。入館料は一般10ドル(推奨)。

入館は有料だが、19世紀の雰囲気を味わえる閲覧室にはぜひ足を運んでおきたい

The Othmer Library
128 Pierrepont St.
Brooklyn, NY 11201
www.brooklynhistory.org


 公立図書館本館から2ブロックの位置にある客室数60の「ライブラリーホテル」は文字通りロビーやラウンジをはじめ、館内至る所に本が並ぶ。その数6000冊超。しゃれているのは客室フロアの呼び方で、社会科学(300)、言語(400)、数学・科学(500)…、と図書館よろしくデューイ10進分類法のカテゴリー分けを使っている。

 しかも部屋の形態(シングル、ツイン、スイートなど)によってサブカテゴリーの番号まであり、合わせて客室番号となっている。例えば、9階(歴史学のフロア)のシングルなら「900・004アジア史」が部屋の呼称。さらに、部屋に入ると本棚には、アジア史関係の書籍が並んでいるという凝りよう。図書館好きにはたまらない。

        

Library Hotel New York
299 Madison Ave.
(bet. 41st & 42nd Sts.)
www.libraryhotel.com

 図書館好きにとって、本に囲まれた独特の空間は心が落ち着くもの。自宅にもこんな雰囲気を持ち込みたいという人におすすめなのが、書店「Strand Book Store」が提供している「Books by the Foot」というサービス。

 専門家が要望に合わせてアート本や希少本などをそろえてくれる。基本的には商業スペースのインテリアなどを作る目的のものだが、もちろん自宅を飾るのもあり。本は色、ジャンル、スタイルなどで選べて、お値段は1フット(約30センチ)ごとに決まる。革製の表紙のアンティーク本ならば500ドルなど値の張るものもあるが、ポケットペーパーバックシリーズなどは55ドルと安価なものもある。

 プロのセンスに任せて、自分だけの図書館を作ろう。

Strand Book Store
828 Broaway
www.strandbooks.com


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