2017/09/08発行 ジャピオン932号掲載記事


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 血糖値を下げるには、オメガ3を含む魚介類や鶏肉などの良質なタンパク質と、野菜や穀物に含まれる食物繊維(玄米やキノア)が勧められる。ただ、「それまで暴飲暴食していた人が、急にこうしたものを食べても、効果が出るまで時間がかかります」と宮下さん。じっくり取り組む覚悟で、加工食品を避け、魚中心のタンパク質や豆類、野菜を中心に献立を考えよう。「野菜炒めに豚肉を入れるだけでもOK」。

 玄米を含む雑穀がいいとされる理由も、きちんと理解して取り組みたい。精製された白米だと摂取後すぐに糖に変わり、それを分解するためにインスリンが一気に大量分泌されるが、玄米は糖への変換に時間がかかる分インスリンの分泌も緩やかで済むのだ。そうすると、膵臓への負担が軽くなる。

 食事の取り方も重要。理想は、▽3食を定期的に腹八分目、▽午後3時くらいにスナック(ナッツなど)を取る(夜のドカ食いを避けるため)、▽寝る3、4時間前に食事を終える。逆にタブーは、▽食事を抜く▽一気にドカ食いする▽寝る前に飲み食いする。

 「特に、食事を抜くのは危険です。空腹で低血糖になると、体が欲するまま一気に食べてしまい、そうするとインスリンが大量分泌されます。それを続けていると膵臓に負担がかかり、インスリンを制御できなくなり、糖尿病へとつながります」

 そして、コレステロール値を食事で下げるには、かなり見直しを覚悟した方が良さそうだ。よく卵のコレステロールが悪者にされるが「1日1個くらい問題なし」と宮下さん。放牧飼育のオーガニック卵は栄養価も高いからだ。「それより飲酒量や揚げ物を減らすなど普段の食生活の方を気にすべき。調理油に良質な油(オリーブオイルなど)を使うことも重要です」。

タマネギなどに含まれるケルセチンは、悪玉コレステロールと血糖値を上げる原因の一つ「血液ドロドロ」の改善に効果的

朝食にスムージーを作るなら、緑黄色野菜、レモン、ショウガ、果物なら糖分が少ないベリー類やリンゴ、オーガニックのヨーグルト(写真は「Kefir」)などで。糖分が高いバナナを入れるなら半分だけ

 
 
 

お話を聞いた
専門家

宮下麻子さん
Asako Miyashita, MS, RDN, CDN
米国登録栄養士。コロンビア大学教育大学院で栄養教育学修士号取得。専門は甲状腺や糖尿病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病、体重管理など。

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TEL: 212-575-891
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ブログで情報発信
https://ameblo.jp/foodfortruebeauty/


 運動には、①体脂肪を燃焼することによる減量、②血糖値を下げる、③善玉コレステロール(HDL)を増やす、④ホルモン、特に男女の性ホルモンを刺激し分泌を活発にするーーこの4つの効果がある。これらは血糖値とコレステロール値を下げることに直結している。

 そして成果を上げるためには、正しい運動メニューを正しくこなし、それを継続する必要があると、理学療法士のジョセフさんは説明する。運動しないのは問題外だが、やり過ぎも逆効果。有酸素運動と筋肉トレーニングを組み合わせたメニューを、1日30分、週3回程度行うのが理想だ。

 その際、重要になるのは心拍数。上の表が示す年齢別「運動時最高心拍数(平均・男女共通)」の、50〜85%の心拍数に達する運動を、20〜30分続けることが最も効果的だという。「リストバンド型の心拍数モニターを装着して、運動中にチェックしながらやると楽しいですよ」。

 「万歩計で歩数をカウントする人がいますが、あれは健康維持には大いに結構。でも、心拍数が上がらない、だらだら歩行でいくら万歩歩いても、血糖値やコレステロール値は下がりません。そういう次元の話ではないのです」とジョゼフさんは言う。

 有酸素運動には、ジョギングやバイク、ダンスがある。ジムに行かなくても、自宅のテレビやユーチューブ、WiiでダンスをするのもOK。筋トレは、上腕筋だけを強化する部分筋トレではなく、スクワットやチェストプレスなど、全身を使うものを。

 自宅にマシンを購入するのも手だが、人気のローイングマシンは腰を痛める人が多いので要注意。血糖値やコレステロール値が危ないレベルで高い人は、病院が提供する減量プログラムで、徹底的に専門家から運動指導を受けることが勧められる。

スクワットは自宅でできる効果的な筋トレ

心拍数モニターにアップルウォッチも大活躍

アメリカン・ハート・アソシエーションが
勧める年齢別の運動時心拍数

 
 
 

お話を聞いた
専門家

サンジェイ・ジョゼフさん
Sanjay Joseph, PT
理学療法士。SFMA(Selective Functional Movement Assess- ment)を使った最先端技術背骨、スポーツ医学リハビリプログラムが専門。けがの症状改善や、健康維持のため、患者が日常的に実践できる自己療法を重視。

E 53 Wellness Studio
211 E. 53rd St.
(bet. 2nd & 3rd Aves.)
TEL: 212-980-4211(日本語対応)
http://e53wellnessnyc.com


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