2017/08/04発行 ジャピオン927号掲載記事

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ニューヨークのピクルス文化

まずはニューヨーカーが楽しんでいるピクルス(酢漬け)について知ろう。日本の漬物や酢のものとはちょっと違う食べ方に注目!

ジューイッシュグルメ、
ソウルフードの名脇役

 ニューヨークの夏野菜の漬物といえば、キュウリのピクルスを置いて他にはないだろう。ハンバーガーやパストラミサンド、ルーベンサンドの脇にデンと鎮座するキュウリのピクルスは迫力すらある。これはコーシャー・ディル・ピクルスまたはロシアン・ディル・ピクルスと呼ばれ、ジューイッシュの食生活に欠かせない食材。もともとロシアや東欧に住んでいたジューイッシュたちが作り始めたものが、移住とともにアメリカに伝わり、ニューヨークに定着したというのが経緯だ。実際今でもニューヨークのピクルス製造業者のほとんどがジューイッシュだ。

 爽やかな酸味とシャキシャキ感が特徴のコーシャー・ディル・ピクルスには、塩と水で漬けて自然に醗酵させて酸っぱくするものと、初めからホワイトビネガーで酸味をつけているものがある。酸味の度合いはさまざまだが、どれも塩気が強くうま味のしっかりしたパストラミやスモークサーモンにぴったり。味の相性がいいだけでなく、ピクルスの乳酸菌の働きで消化も助けるので、理にかなっている。

 南部のソウルフードとピクルスもまた切り離せない。揚げ物の多いソウルフードの油っこさをピクルスが相殺し、次から次へと食べ進めるという仕組み。南部名物のフライドチキン&ワッフルにもピクルスを添えて楽しむし、またコーシャー・ディル・ピクルスに衣をつけて揚げたフライドピクルス(フリックルス)も南部発祥で、今ではニューヨークで人気のバーフードだ。

ニューヨークで楽しむ
夏のピクルス

 ニューヨークでピクルスを楽しむなら、まずはジューイッシュグルメの老舗「カッツデリ」でサンドイッチと一緒にコーシャー・ディル・ピクルスを。パストラミやコーンビーフとのバランスを考えた薄味のピクルスだ。同じく老舗の「ラス&ドーターズ」のカフェでは、フルーツや野菜のピクルス液で作った飲み物「シュラッブス」を試してみよう。

 フライドチキンの味に定評のある「ルート&ボーン」の「フライドチキン・ビスケット」には、タバスコのジェリーや自家製のピクルスが添えてあり、南部の気分が味わえる。

 エレガントにアレンジされたピクルスなら「ザ・ウェイフェラー」の「スイカのピクルス・サラダ」にトライしてみて。甘酸っぱいスイカのピクルスに夏野菜、そして塩気の強いフェタチーズをトッピング。8月14日までのレストランウイークの期間限定メニューだ。
 もちろんグリーンマーケットで好きな野菜を買って、自分でピクルスを漬けるのもおすすめ。(基本のレシピは右コラム参照)

基本のピクルスの作り方

酢、水に砂糖、塩を溶かしてピクルス液を作る。野菜と一緒にハーブやペッパーをアクセントとして入れてもよい。通常は無色透明で癖のないホワイトビネガー(穀物酢)を使うが、ホワイトワイン・ビネガーやアップルサイダー・ビネガーでもおいしく作れる。分量の割合はお好みで。

xxxxxx 注意点 xxxxxx

●広口瓶は熱湯消毒する
●ピクルス液を作る時は酢に反応する鍋は避ける。(土鍋、ガラス、ステンレス製の鍋はOK)
●キュウリやオクラなどはそのままピクルス液に漬けてもいいが、根野菜などの硬い野菜は、ピクルス液を作る際に一緒に少し煮るとよい。

ピンクと白のコンビネーションが鮮やかな「スイカのピクルス・サラダ」はThe Wayfarerの期間限定メニュー

コーンビーフ&パストラミサンドとコーシャ―・ディル・ピクルスはゴールデンコンビ(写真上)。「ラス&ドーターズ・カフェ」の「シュラッブス」はフルーツや野菜のピクルス液を炭酸で割ったユニークなドリンク(写真下)

Katz’s Delicatessen

205 E. Houston St. (at Ludlow St.)
www.katzsdelicatessen.com

Russ & Daughters Café
127 Orchard St. (bet. Delancey & Rivington Sts.)
www.russanddaughterscafe.com

Root & Bone
200 E. 3rd St. (bet. Aves. A & B)
www.rootnbone.com

The Wayfarer
101 W. 57th St. (at 6th Ave.)
www.thewayfarernyc.com


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