2017/07/28発行 ジャピオン926号掲載記事


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今と昔が交差する島
ルーズベルトアイランド

 

 クイーンズ住民にとっては地下鉄で通り過ぎるだけの通過点なのかもしれない。だがマンハッタンからトラム(ロープウエー)に乗り、上空から島に「舞い降り」れば、たちまち魅力的な島に見えてくるのがルーズベルトアイランドだ。

 島中央のトラム駅で降りたら、まずは2012年に開園したフランクリン・D・ルーズベルト・フォー・フリーダムズ・パークがある南に向かって歩こう。

 マンハッタン側の川沿いにのびる並木の遊歩道には、晴天の週末に訪れたせいか、家族連れを中心に多くの人が散歩を楽しむ姿があった。イーストリバーの中央にあるため、ミッドタウンの摩天楼群が近く、迫力ある景色が見られる。

 遊歩道の途中には建設が進むコーネル大学の新キャンパスがある。近代的なデザインのビル群が姿を見せ始めていて、島の開発を目の当たりにする。そのすぐ近くには国家歴史登録財で、かつての天然痘病棟の古びた外壁が独特の存在感を放っている。

 フリーダムズ・パークは、非常に近代的なデザインが施された公園。周囲がコンクリートの壁で囲われた高台の上に、三角形の芝生の広場が作られ、さらに先にはフランクリン・ルーズベルトの巨大な顔の像が設置された空間がある。台座裏には、1941年の大統領就任時のスピーチが刻まれている。ここは、張り出したバルコニーのような空間で、ま近に国連ビルが見える。ここにたどり着くまでに、島の今と昔を見てタイムスリップをしているような感覚になる。

 トラム駅から北側は住居、商業施設、病院が集中している。こちらもビルの中に、1834年建設の八角形の建物、ザ・オクタゴンがあったり、近代的な病院施設を抜けた島の北端には、国家歴史登録財で1872年建設のブラックウェルアイランド灯台がある。

 島の至る所に現れる歴史のコントラストを見ると、ついついこの島の長い歴史に思いを馳せたくなる。島内は巡回バスが走っているが、島の魅力を味わいたいならば、ぜひ歩いて回ってほしい。

マンハッタンから出ているトラムで上陸するのがおすすめ。空からは島の全貌が見渡せる。メトロカードが利用可能

フォー・フリーダムズ・パーク内の芝生の広場。対岸のマンハッタン、ブルックリンの街並みが見える

島の最南端からは、国連ビルをはじめマンハッタンミッドタウンの摩天楼を見渡せる

Roosevelt Island

■公共交通機関での行き方: マンハッタンから59St.と2ndAve.にある駅からトラムが出ている。料金は2ドル25セント(往復4ドル)。メトロカード利用可能。または地下鉄FラインRoosevelt Island下車。
(https://rioc.ny.gov/tramtransportation.
htm
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忘れられない島
スタテンアイランド

 

 ニューヨーク市を構成する5区の一つながら、住民自ら「忘れられた区」と皮肉を込めて呼ぶ。確かに開発の速度が早い市内の他の区に比べ、「忘れられた」感は否めない。ただ、だからこそ、ここに流れる穏やかな空気、独特の鄙びた感じがたまらない魅力だ。

 ブルックリン側とニュージャージー側から橋が架かっているが、小旅行気分を味わうなら必ずフェリーで訪れてほしい。おすすめは仕事終わりでの上陸。文字通り摩天楼をあとにして出航し、自由の女神を横切る航路をたどるフェリーに乗れば、すでに癒やしの旅は始まっている。

 セントジョージターミナルから徒歩5分。ヤンキースのマイナーチーム(シングルA)、スタテンアイランド・ヤンキースの試合が始まっている。リッチモンド・カウンティー・バンク・パークは湾に面しているので、外野側にはマンハッタンビューが広がっている。マイナーチームの試合は、得てして選手たちの成長を見守る熱心なファンが多いが、ここでも地元住民が詰め掛けて、温かい声援を送っている。そんな雰囲気の中でビールを飲みながらリラックスした時間を過ごせる。試合後は人気の地ビール醸造所、ザ・フラッグシップ・ブリューイング。穏やかな地元住民たちに混じり生ビールを飲む時間は、ニューヨーク市内とは思えないなごみのひととき。

 週末に出掛けるならばヒストリック・リッチモンド・タウンへ。セントジョージ・ターミナルから、バスS74で約40分。1800年代に作られた家屋や農作業場、裁判所が今も残る観光地。当時の格好をしたガイドが、建物を回りながら、1624年に入植が始まったこの島の歴史を解説するツアーがある。近くには自然保護区、グリーンベルト・コンサバトリーもある。市内でも数少ないトレッキングコースがある公園なので、家族、友だち連れにおすすめだ。

 実はセントジョージターミナルでは大観覧車と大型アウトレットモールの建設が進んでいる。心地よい「鄙びた感」を味わうなら、今のうちに訪れてほしい。

マンハッタンの騒がしさを文字通り後にして、フェリーでおよそ25分。自由の女神を横目に見ながらの航路は旅情をかきたてる

スタテンアイランド・ヤンキースの試合観戦がおすすめ。外野側のマンハッタンビューは絶景

人気の地ビール醸造所、ザ・フラッグシップ・ブリューイング。醸造所のツアーも実施している

Staten Island

■公共交通機関での行き方: マンハッタンのバッテリーパーク(WhitehallTerminal)からスタテンアイランド(St.GeorgeTerminal)行きのフェリーが出ている。無料、24時間運行。(www.visitstatenisland.com)


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