2017/06/16発行 ジャピオン920号掲載記事

 

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ハワイ出身シェフに聞く
ポケとはどんな料理なのか

「ポケ」が生まれた背景や、今なぜニューヨークでブームなのか、ブルックリンのハワイ料理店「オノメア」のオーナーシェフでハワイ出身のクリスタリン・コスタ・フィリポビッチさんに話を聞いた。

――ポケとはどんな料理ですか?

 ポケはハワイを代表する庶民食です。魚市場や海鮮料理店で余った魚や切り落とし部分を有効利用した料理で、現地で「アヒ」と呼ばれているキハダマグロをさいの目に切って、しょうゆとごま油でマリネしたものがデフォルト。(ハワイには日系移民が多いため)刺し身や海鮮丼など日本料理の影響も大きいです。

ハワイでは気軽な前菜

――ハワイ料理の中ではどのような位置付けですか?

 ハワイ料理は、ポリネシア系の先住民の郷土料理に、プランテーション労働のためにやって来た世界各地からの労働者が持たらした料理が合わさってできたものです。中には石焼きするものなど、非常にユニークかつ調理が難しい料理もあります。

 その中でポケはシンプルで簡単に作れるので、前菜(ハワイ語でプープー)の大事な一要素としてさまざまな場面で登場します。

――ハワイではどんな時にポケを食べますか?

 日常的に食べますね。家族や友人が集まったら、まず、ビールのつまみにポケを出します。ポケをつつきながらテレビでスポーツ観戦、カラオケなんていうのもよくあるハワイでの光景です。 

組み合わせ自由で流行

――ニューヨークでなぜ今ポケがブームになっているのでしょうか?

 複雑な技術や器具が不要で、手軽に家庭でも作れるからでしょう。米国本土でのブームは最初に西海岸で火がつき、じわじわと東進しました。ニューヨークに流行が到達した時には、ポケはかなり洗練された料理に生まれ変わっていました。ですから、私が故郷ハワイで食べていたポケとはだいぶ違いますね。

――ハワイとニューヨークのポケの違いは?

 最近、ニューヨークではアボカドやスイカが入ったポケをよく見掛けますが、これはハワイでは見ない組み合わせです。

 「オノメア」では、本場のポケを意識して、丼にせず、ご飯なしの前菜として提供しています。キハダマグロのぶつ切りとタマネギをしょうゆとごま油でさっとマリネして、青ネギ、乾燥ノリなどと合わせるシンプルなものです。

――今後もっとはやりそうですね。

 はい。ポケの深みが、ニューヨークでじわじわと浸透しているのはうれしいことです。これまでのように、「パイナップルがのっていればハワイアン」という時代は終わったのだと実感しています。2012年に「オノメア」を始めた時には、誰もポケを知らなかったのにね(笑)。

 店名は私の故郷にある「オノメア湾」(ハワイ島)から取りました。ハワイ語で「大好きな場所」という意味です。ポケはもちろん、多種多様なハワイ料理を提供していますので、ぜひ食べに来てほしいです。

〈話を聞いた人〉

 

クリスタリン・コスタ・フィリポビッチさん

「オノメア」オーナー兼シェフ。ハワイ島ヒロ出身。「オノメア」ではロコモコ、カルアピッグ、スパムむすびなどハワイで親しまれている料理を提供している。

▲キハダマグロのポケ。しょうゆとごま油のシンプルな味わい。ディナーのみ提供(13ドル)
 
▶︎店内にはハワイのビーチの写真が飾られている

Onomea

84 Havemeyer St.
Brooklyn, NY 11211
TEL: 347-844-9559


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