2017/05/12発行 ジャピオン915号掲載記事

 

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魔法修行を始めるには

  ローブをまとった魔法使いが、呪文を唱えながら杖を一振り。ハリー・ポッターの世界は、さまざまな奇跡を起こす魔法であふれている。非魔法使い(作中で「マグル」)の家族に育てられ、ある日突然、魔術学校に入学することになったハリーの冒険を読んで、「自分も魔法が使えたら」と妄想にふけった人も多いことだろう。

 「ハリー・ポッターはもちろんフィクション。でも魔法は実在するよ」

 真剣なまなざしでそう語るのは、1982年創業、ニューヨーク市内最古の魔法用品店(オカルトショップ)「エンチャントメント」店員の、デービットさん。Tシャツを着た気さくな「魔法使い」だ。イーストビレッジにある小さな店内では、魔法の知識を集めた本や同店が独自に調合した薬草、魔法の杖や色鮮やかなパワーストーンが手に入る。

 「魔法が本当にあるのかをよく聞かれるけど、店がこんなに長い間続いているのが証拠さ」とデービットさんはにっこり。

強い思いを魔法に乗せて

 割れた眼鏡を修理したり、扉の鍵を開けたりといったハリーの物理魔法は、やはり現実には存在しないもよう。代わりに同店が教えるのは、強力な「思い」の魔法。ハリーの母親も「愛」という魔法で、邪悪な魔法からハリーを守った。

「自分の願いや意志を正しく理解するのは実は難しいこと。でも理解することで、魔法は強力になる」とデービットさん。「そして実現させるための行動が伴って、初めて魔法が生きるんだ。新しい仕事が欲しいと願っても、履歴書を出さないと始まらないだろ?」

「アロホモラ(開け)」など、作中ではさまざまな呪文の唱え方をハリーが練習しているが、現実では言葉よりも「念じる」要素が強いという。それぞれの願いに合わせると効果があるとされる色や香りをまとい、自分に「宇宙からの力を引き寄せる」のが秘けつとのこと。例えば勇気が欲しいとき、現実世界の魔法使いは刺激をくれる唐辛子やコショウの香り、色なら赤を使い、自分を鼓舞する力を呼び寄せる。

 デービットさんおすすめの初級魔法は、キャンドルをたいたり、特別に調合したハーブを湯船に浮かべること。意外と敷居が低い。

「同じ色や香りを使っても、現れる効果は一人一人違うことがある。結局本人の思いが重要で、魔法はそれを最大限引き出す手伝いをするだけだよ」
 ちなみに、ハリーが使う魔法は杖の先端から出てくるが、現実の杖は「自然の力を引き寄せる」ための補助用具で、必ずしも必要とは限らないのだとか。

闇の魔術に打ち勝とう

 作中で鍵となる魔法に、ハリーの宿敵ウォルデモートが使う「闇の魔術」がある。ウォルデモートと果敢に戦うハリーを見習って、デービットさんに、闇の魔術に打ち勝つ「反射魔法」の教えを乞うた。

 「アンクロッシング(un- crossing)と言って、風呂にシーソルトを入れて浸かるだけ。簡単だろ? 邪悪な力が宿るということは、本来の自分らしさが失われるということ。アンクロッシングで自身を清めて、邪悪な力を寄せ付けないようにするんだ」

 デービットさんによると、1年半ほど前から、魔法に興味を持つ人が増えているという。「社会情勢が変化して、みんな不安を感じているのかも」とデービットさん。邪悪な力に負けないように、まずはアンクロッシングから始めてみよう。

魔法使い兼「エンチャントメント」店員
Enchantment
424 E. 9th St.
(bet. 1st Ave. & Avenue A)
TEL: 212-228-4394
www.enchantmentsincnyc.com
ハーブ講座や、占星術に基づいた季節の魔術イベントも定期的に開催している。

魔法教本

「入門はこの本に限るよ」とジャスティンさんがすすめる「トゥルーマジック」には、魔法の基礎知識が満載

杖(ワンド)

全て職人によるハンドメード。材木や埋め込まれた鉱石により性能が異なる点は、ハリーの世界と共通している

ソルト・キャンドル

数種類の薬草を独自に配合した、同店特製シーソルトも取り扱う。キャンドルは1本約2ドルとお手ごろ価格

パワーストーン

ルーン文字に願いが込もっている。ジャスティンさんは「旅の安全」を愛用。「この街の移動は危ないからね」


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