2017/04/21発行 ジャピオン912号掲載記事


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 マンハッタン内でもざっと数えて数十軒のコミック専門店がある。大抵が一般商店の脇で隠れるように店を出しているのでファンでないと目に入らない。

 ダウンタウンの金融街にある「カメレオン・コミック」もその一つ。こじんまりとした店内の左半分は、ベースボールカードやスポーツ関係のメモラビリア(記念品)を売っている。客層こそ違えどコミックとカードは同じ「収集趣味」のジャンルに入ることがうかがえる。創業は1990年。オーナーのスティーブ・ウーさんが20代で立ち上げ、当初からコミックとカードという取り合わせで営業している。

 「かき入れ時はランチタイム。客は近郊で働くビジネスパーソンがほとんど」とスティーブさん。ちなみに顧客の9割は男性だそうだ。レジ上の特等席には1974年、マーベル発行の「超人ハルク」(「Incredi- ble Hulk Vol. 1 181」、ウルヴァリン初登場の号)がビンテージものとして丁重に「まつられ」ているが、店舗スペースが限られているため、2ドル99セント~4ドル99セントの新作が中心で、基本バックナンバーは置かない方針。

 店員のギルバート・ニエベスさんによると、最近は続々封切られるコミックを原作にした実写版映画の影響で、ここでも新手の客が増えているそうだ。コミックファンからすると、ディテールの違いは気になると言いつつも、「映画を見た人が気に入ったキャラのことをもっと知りたくてコミックを手に取るようになることはうれしい」と笑顔を見せる。

 同店での売れ筋はマーベル系なら、昨年映画化された不死身のアンチヒーロー「デッドプール」のシリーズ。DC系なら「リバース」シリーズの中から、ダークな絵柄と圧巻のファイトシーンが魅力の「バットマン」。ギルバートさん自身のお気に入りは「シルバーサーファー」(マーベル)。全身が銀色に輝く宇宙からの使者。銀のボードに乗って宇宙空間をサーフィンで移動する、というトンデモな設定だが1966年誕生の古株で、根強いファンがいる。

 「アメコミを楽しむには好きなキャラクターを見つけて、とにかくはまって、コミックでもグッズでも集めることだね」とギルバートさんとスティーブさんは口をそろえる。コミック収集道は、まずは一冊、手に取ることから始まる。

カメレオン・コミックス店員のギルバートさんのおすすめは、子供の頃から好きだという「SILVER SURFER #6」(Marvel Comics)

店内は右半分でコミック、左半分がスポーツメモラビリアを扱う

金融街の真ん中にあるカメレオン・コミックスは創業27年

Chameleon Comics
3 Maiden Ln., #1
(bet. Nassau St. & Broad- way)
TEL: 212-587-3411
www.chameleoncomics.com


1941年発行の「オールスターコミック#8」(DCコミックス)に初登場し、今年で誕生75周年となる、米国コミック界では初の女性スーパーヒーローである「ワンダーウーマン」。近年、女性が主人公のコミック作品が増えている中で、6月には待望の実写版映画が公開される。ここでは、映画をより楽しめるように、「ワンダーウーマン」の誕生や歴史を紹介。

力はスーパーマン以上
 その特殊能力は、怪力と飛行能力、動物とテレパシーで意思疎通できるといったもの。実は力はスーパンマンに匹敵、あるいは上回るとされている。当初は、架空の孤島パラダイス島に住む女性だけの一族、アマゾン族の王女ヒポリタによって土から作られ、ギリシャ神話の神々によって命と超人的な能力を授けられた設定で、プリンセス・ダイアナと呼ばれる。シリーズごとに設定も微妙に変わっている。現在の設定ではギリシャ神話の神、ゼウスの娘で、ヒポリタらに育てられたことになっている。来米した理由は、島に不時着したアメリカ人、スティーブ・トラバーを助けて介護するうちに恋に落ち、彼を故郷に帰らせる権利を得て、一緒にアメリカに移るというもの。そしてアメリカに渡ったプリンセス・ダイアナは、ワンダーウーマンとして、犯罪やドイツナチ勢力と戦ってきた。さらにワンダーウーマンは、スーパーマン、バットマンらDCのオリジナルヒーローによって構成されるユニット、ジャスティスリーグの一員でもある。

生みの親は心理学者 
 ワンダーウーマンの生みの親は、ナショナル・ピリオディカル社とオールアメリカン・パブリケーション社(のちのDCコミック社)にコンサルタントとして雇われたハーバード大学出身の心理学者で、うそ発見機の発明で知られていたウィアム・モートン・マーストン博士。「愛をもって世界の指導者となる女性像」と、そのキャラクター創造の本質を語っている。

満を持して「主演」映画登場
 元ミスユニバースのリンダ・カーターが主演したテレビドラマがアメリカでは1977年と1979年に放映されているが(日本でも77〜80年放映)、スーパーマン、バットマンに比べると格段に映像化の機会が少なく、日本人にとってはあまりなじみがない。

 しかし、昨今、女性が主人公のコミック作品が増えているという傾向もあってか、その元祖ともいえるワンダーウーマンが活躍の場を広げている。

DCのヒーローが同じ世界観の中で描かれる実写映画、「DCエクステンデッド・ユニバース」シリーズ、2016年の「Batman v Superman:  Dawn of Jus- tice」では脇役に甘んじていたが、今回の映画ではついに主役となった。同作でもワンダーウーマンを演じたイスラエル出身の女優、ガル・ガボットが主演。ちなみに監督はアカデミー主演女優賞、ベルリン国際映画祭銀熊賞などを受賞した映画「モンスター」で知られるパティ・ジェンキンス。全米公開は6月2日(金)。


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