2017/03/17発行 ジャピオン907号掲載記事

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Maikoさん
九州大学農学部大学院卒。約8年間、日本の大手化粧品会社で研究開発に携わった後、ニューヨークへ移住。肌ケアの専門家として、本紙で「NY流美肌ゲット術」「すっぴん美人はお化粧美人」などのコラムを執筆した。
maikoskincare@gmail.com

パラフィン
石油原油を蒸留し、精製したもの。一般的にはロウソクのこと。脱毛剤など幅広く使われる。
 
シリコーン油
さらさらした感触で、撥水(はっすい)性や耐水性に優れている。ファンデーションやアイシャドウにも含まれる。
 
タール色素
石油から作られた合成着色料。食品添加物や化粧品に使用される。

くちびるを彩るために
知っておきたい基礎知識

潤ったくちびるを春色の口紅で彩りたい。今回は楽しくくちびるを彩るために知っておきたい基礎知識を、肌ケアの専門家であるマイコさんに聞いてみた。

口紅の中身は?
 
 「口紅の成分はブランドによって若干の違いはありますが、主な構成成分は基本的に同じです」と語るのは、肌ケアの専門家マイコさん。口紅を構成する成分は主に三つあり、口紅の形を作るワックス(パラフィンなど)、くちびるの保湿をするオイル(シリコーン油など)、くちびるを着色するための顔料(タール色素など)で作られている。

 「化粧品の安全基準は国によって違いますが、各ブランドとも安全に使用できるように、厳しい検査を行った上で商品として販売しています。とはいえ、食品の成分ではありませんので、100%安全という訳ではありません」という。またある調査では、女性は化粧を通して、生涯で5~10本分の口紅を口に入れてしまっているという。

 「ですので、そうした事実を理解した上で、極力安全に楽しむのが基本姿勢」とマイコさんはアドバイスする。
 
肌に合った口紅探し
 
 最近はオーガニックの原材料を使った口紅も広く流通し、多くの人が安全だと考えているが、そこでも使用には注意が必要だというマイコさん。原材料の植物オイルなどでアレルギー反応を起こす人も多いのだとか。「例えば、ウルシにアレルギーがある人が、ウルシ科の植物であるマンゴーの種を主原料とするマンゴーバターに反応をしてしまったというケースもあるようです」。

 また、「落ちにくい口紅」は、くちびるに塗ったあと、アルコールが揮発して、色素のみがくちびるの上に残るタイプや、くちびる自体を染める成分が配合されているタイプ、くちびるにフッ素加工して水と油を弾くタイプがあり、一般的なものよりもさらに多くの物質が含まれているという。

 オーガニックの商品も含め、口紅は数多くの原材料が使用されているため、成分表示を見ても、一般の人が成分を完全に理解するのは難しい。そのため、自分の肌に合う合わないを判別するには、「サンプルを入手して、使用前に必ず上腕の内側の皮膚でパッチテストを行うことをすすめています」とマイコさん。

 「自分の肌に合ったものを選ぶこと、そして『口紅は必ず落とす』のが、安全に口紅を楽しむために一番重要なことです」と語る。
 
クレンジングと保湿
 
 「1日を終えて行うクレンジングは、肌ケアの5割を占めるというほど大切」と語るマイコさん。

 「口紅は1日の終わりには落ちてしまっていることが多いので、ついついクレンジングを忘れる人が多いという調査結果があります」という。クレンジングが不十分だと、くちびるに残った色素が酸化し、シミの原因にもなる。また、口紅の落とし方にも注意が必要で、ゴシゴシと拭ってしまうと、くちびるのしわに色素が入り込んでしまう。

 「クレンジング剤をたっぷり染み込ませたコットンをしばらく口に当てて汚れを浮かし、くちびるのしわに沿うように縦方向に拭き取るのがコツです」

 クレンジング後のケアは、基本的には肌に良いといわれる成分(ビタミンやヒアルロン酸など)を含むリップクリームなどで行う。オイルよりもワックスを多く含むものの方が保湿力が高く、荒れた肌に効果的だそうだ。また、口紅を塗る際には、下地にリップクリームなどを塗ることもすすめている。ヴァセリンのように粘り気があるものはくちびるを守るだけでなく、口紅が流れにくく落ちにくいと語る。

 おすすめは「ながらメーク」。朝メークをする際に一度にメークを仕上げるのではなく、基礎化粧品を肌になじませるために時間を置く方法だ。「例えば、口紅の下地にリップバームをつけたあと、その日に着る洋服を準備したり、必要な物を準備したりと、別の作業をしている間に自然と美容成分が肌になじんできます。こうすると化粧のノリも良くなりますよ」とアドバイスする。


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