2017/02/03発行 ジャピオン901号掲載記事


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入念な書類準備がカギ
 2014年11月に、ミッドタウンイーストのコープを恋人と共同で購入したAさんが重視したのは、職場近くというロケーション。マンハッタンの中心エリアだが騒音もなく、意外と閑静で住み心地がいいという。徒歩圏内にレストランやバーがそろっているのもポイントだ。

 5年ほど前に不動産セミナーに参加して以来、物件購入に興味を持ったAさん。週末を利用して、エージェントと一緒にいくつもオープンハウスを見て回った。

マンハッタンは古い物件だとコープが多く、コンドより安い傾向がある。Aさんは「ボードの審査が大変だと聞いていましたが、価格が安く抑えられるなら、一時的な準備に手間を掛けたほうが得」だと考えた。安価な物件は、月々のメンテナンス料が高額でないかも細かくチェックした。

 購入を決めたコープは、「足を踏み入れた瞬間、ここが私の家だ、という運命的な出会いを感じました」。

 提出する書類の束は目次を付けて製本するなど、考えもしなかったティップをエージェントからもらいつつ、二人三脚で準備した。コープの審査は覚悟した方がいい、と多くの人から忠告を受け、細心の注意を払ったという。

 そしてボードの審査当日。「恋人とすごく緊張しながら行ったのに、ボードのメンバーが忙しいという理由で、7人中1人しか来ていなかったんです」

 しかも面接内容も、入居前のオリエンテーションのようにフランクだったという。これには拍子抜けしたというAさんだが、当時を振り返り、「書類をしっかり作ったから、信頼されたのかな」と笑みをこぼした。(取材協力=池上奈津子さん/不動産ブローカー)

ビルの1階ロビーでは、住人たちでクリスマスパーティーを行うなど、アットホームなコミュニティーだ

Aさん(女性)
【職業】銀行員
【家族構成】独身(恋人と同居)

物件情報
【エリア】マンハッタン区ミッドタウンイースト
【購入時期】2014年11月
【購入時価格】57万5000ドル
【間取り】1BR/720 Sq. Ft.
【築年数】1970年代築
【所有形式】コープ
ロケーションに先見の明
 「ニューヨークに来た時から、住むなら持ち家だと決めていました」という市嶋さん。移住後はマンハッタン区イーストビレッジでアパートを借りて、2012年に、当時勤めていた金融会社のあるレッドライン沿いのエリアで物件探しをスタート、ハーレムにあるコンドの購入を決めた。

 手続きは滞りなく進んだが、銀行のローン審査でトラブル発生。購入予定の物件が訴訟中と発覚し、ローンが下りなかったのだ。

 「アパートの退去日も決まり、荷物を段ボールに詰めていた時に、突然行き先がなくなったんです」

 焦りを感じつつ、エージェントと新たな物件探しを開始。そして出合ったのが、金融街に建つコンドだった。9・11のテロ以降、人気の落ちたエリアだが、市嶋さんは「ワールドトレードセンターが完成すれば、絶対に人気が戻る」という確信があった。その予想は的中し、今では近隣のオフィスビル群がレジデンス用に変わり、新たなビルの建設も続々と始まっている。フルトン駅にできた大型ショッピングモールも、活性化の一端を担っている。

 同物件の最大の魅力は、上階にあるルーフトップ付き共有スペース。フリーダムタワーからバッテリーパークまで一望できる。「ここから見える、美しい自由の女神像を目の当たりにした時、私の住む家はここだ、と確信しました」。

 そして、同スペースで毎朝提供される、スクランブルエッグやカリカリのベーコンなどの朝食サービスも市嶋さんのお気に入り。ここで住民同士が仲良くなるという。市嶋さんは、「この家はナーシングホームに入るまで居るつもりです」と満足げだ。(取材協力=レベルグループ)

物件は元々はオフィスビルだったものを、2007年にレジデンス用に改装した

市嶋直子さん
【職業】不動産エージェント
【家族構成】独身(恋人と同居)

物件情報
【エリア】マンハッタン区金融街
【購入時期】2013年
【購入時価格】50万ドル強
【間取り】Studio/630 Sq. Ft.
【築年数】1986年築
【所有形式】コンドミニアム
理想のビジョンを大切に
 建物の内装の仕事に携わるTさんは、「好きな写真を飾る白い壁」「リビングと寝る空間を分けられる広さ」など、最初からはっきりしたマイホームのビジョンを持っていた。これらの条件を全てクリアしたのが、昨年2月にブルックリン区クリントンヒルに購入したスタジオだ。

 寝る場所とリビングを分けて、かつ圧迫感をなくすために、上部がガラスでできた壁を取り付け、1BRに改造している。家族や友人とくつろげるリビングと、落ち着いて眠れる空間を切り離した。

 住んでいたクイーンズ区ロング・アイランド・シティーの賃貸物件の家賃が高騰し、長年考えていた物件購入に踏み切った。当初はブルックリン区パークスロープを検討したが、家族連れが多い同エリアではスタジオはなかなか見つからず、徐々に北上して、クリントンヒルにたどり着いたという。

 同エリアは歴史建造物保護地域で、年月を重ねた趣きある建物がいくつも立ち並ぶ。「街並みが素晴らしく、何より静か。住み心地は抜群です」。Tさん夫妻はエージェントは付けず、自分の足で10件ほどオープンハウスを見て回った。

 購入した部屋は「スポンサーユニット」という形態。賃貸やコンドミニアムからコープに新しく転換した物件で、ボードの審査不要で入居できる。オープンハウスで偶然見つけた、まさに掘り出し物だ。購入手続きは、不動産購入について熱心に勉強したという夫人と弁護士が進めた。

 Tさんは本紙読者に「まずは自分の予算に合った地域と物件の大きさが分かれば、いろいろ見えてくると思いますよ」とアドバイスを送った。

落ち着いた佇まいのビルは、クリントンヒルの古き良き風情に溶け込んでいる

Tさん(男性)
【職業】建築デザイン関係
【家族構成】夫婦

物件情報
【エリア】ブルックリン区クリントンヒル
【購入時期】2016年2月
【購入時価格】37万ドル
【間取り】Studio/400 Sq. Ft.
【築年数】90年
【所有形式】コープ


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