2017/02/03発行 ジャピオン901号掲載記事

Pages:      

 登場する住宅形式 

● コンドミニアム(コンド)
(Condominium)
分譲集合住宅で、日本でいう分譲マンション。オーナーが物件を個別に所有し、オーナーによる賃貸も可能なものが多い。

● コープ
(Co-operative, Co-op)
集合住宅だがコンドミニアムと違い、物件の所有権を株として所有する。株主からなるボード(Board)があり、物件購入には、ボードによる審査、承認、面接が必要。各物件によって基準が違う。コンドミニアムよりも安い物件が多い。賃貸ができない、もしくは条件付きの場合も多い。

売却の元手で現金購入
理想の家と運命の出会い

 「家賃を払うかい性があるなら、住宅購入も非現実的な夢ではありません」

 そう語るのは、2014年8月にマンハッタンのコンドミニアムを売却し、同年12月にクイーンズ区キューガーデンズでコープを購入したSさんだ。

 1990年代半ばに成り行きで購入したコンドミニアムは、親に頭を下げて、ダウンペイメント(頭金)分のお金を借りた。苦労してローンを払い続けたかいあって、「そろそろ別の場所に動きたい」と思ったころ、物件価値は数倍に膨れ上がっていた。売却すれば、30万ドル強が現金として手元に残る計算だ。

 だが、マンハッタンで不動産を買うには不十分な額にも思えた。「ローンを組もうにも、収入が低いフリーランスの私には銀行が融資しないだろう」と踏んだSさんは、売却手続きを進めながら、賃貸物件を探し始めた。

 一気に「買い」にシフトしたきっかけは、クイーンズ区ジャクソンハイツで1ベッドルーム(BR)のコープを購入した、友人の「運命」の一言だった。

 「何で買わないの?この辺なら1BRは20万ドルくらいだよ。現金で買えるじゃん」

 手始めにエリアを、昔住んだことがある同区フォレストヒルズとキューガーデンズに絞った。条件は、現金購入できる20万ドル以下の1BRで、ペット可。そして入居時のボード審査で、収入面や家族構成が言及されない、「ゆるめ」の物件だ。条件が限られていたため、逆にあれこれ迷う必要がなかったという。2日で4軒見て、さっさとフォレストヒルズの物件に決めた。

 ここからSさんのドラマが始まる。書類審査では収入証明書や銀行の残高証明書に加え、フリーランスというだけで追加書類を求められた。厚さ3センチにもなる購入申請書類を7部、ボードに提出。ところがあっさり却下された。エージェントも「いける」と思って手続きを進めた物件なだけに、驚いたという。却下の理由は不明だ。

 しかし1週間後、現在住んでいるキューガーデンズの物件が市場に上がってきた。壁が頑丈で厚く、天井が高く、間取りも広い。南西向きで明るいことも、自宅で仕事をするSさんには重要なポイントだ。傷心のSさんに、運命と思えるタイミング。

 書類審査も通り、ボードの面接から1カ月後にはクロージング(支払い)とトントン拍子。ローンを組まない分銀行が絡まず、迅速にクロージングできた。

 Sさんはプロセスを振り返り、「自分の事情を包み隠さず話せる、信頼できるエージェントを雇うことが重要です」と語った。

ハート・オブ・キューガーデンズと言われるエリアに立つ、れんが造りの10階建て。街づくりが始まった当時の豪華ハイライズ住宅だ
天井が高く、明るいリビングがお気に入り

Sさん
【職業】フリーランスライター
【家族構成】独身(猫と同居)

物件情報
【エリア】クイーンズ区キューガーデンズ
【購入時期】2014年12月
【購入時価格】19万5000ドル
【間取り】1BR/890 Sq. Ft.
【築年数】1929年築
【所有形式】コープ


Pages:      

過去の特集

NYジャピオン 1分動画


利用規約に同意します
おすすめの今週末のイベント