2017/01/20発行 ジャピオン899号掲載記事

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中国の伝統的な蒸し餅のデザート

韓国系スーパーに並ぶ餅スイーツ

年齢問わず好まれている日本の切り餅

アジアの餅事情

私たちはこう食べる

ここでは中国、韓国、そして日本の餅事情について、当地で餅料理を提供しているレストランで話を聞いた。

「自分を高める」
縁起良い中国の餅

 「中国では、餅を食べる機会は多いですよ」と教えてくれたのは、中華レストラン、「チャイナブルー」オーナーのワン・イーミンさん。「旧正月に食べる餅に始まり、2月の『元宵の節』には団子を、6月の『清明の節』はちまきを食べます」と、シンプルな餅はもちろん、ちまきなど、レシピを変えて祝い事の際に度々登場するとのこと。

 中国の餅は、主に2種類、「蒸した餅」と「調理した餅」がある。「蒸した餅」は蒸した後、そのまま食べられるもので、点心やデザートでよく使われる。後者の「調理した餅」はもち米の他、うるち米などもプラスされ、調理前は硬いが、料理して熱を通すことにより柔らかくなる餅のことである。

 また、日本で「餅」といえば「粘り強く、伸びやかに」などと祈願して食べられることも多いが、イーミンさんによると、「中国語で餅は『年糕』と書くのですが、この糕という漢字の発音が『高』の字と同じことから、餅を食べると、『高い位置まで登りつめる、自分を高める』といわれます」と中国でも縁起のよいものとされているそうだ。

祝い事に不可欠
神聖な韓国の餅

 「餅は韓国で敬意、感謝、あいさつを表すものです」と話すのは、韓国料理店「ハンバット」のマネジャーのジェイ・キムさん。「引っ越しのあいさつとして餅を近所の人に配ったり、先祖への感謝を祈る『チョサン』という行事では餅を供えます」という。また韓国では行事ごとに餅の持つ意味も変わるそうで、「正月に食べる餅入りスープのトックグックは、一杯食べると1歳年を取るという言い伝えがある」とのこと。また、米は元々高い身分の人しか食べられなかった歴史があり、今もその名残から、米で作られた餅は高貴な、神聖なものというニュアンスもあるそうだ。

 日常で食べられているのは、うるち米で作った餅が主流だが、もち米で作る蒸し餅もポピュラー。子供の1歳の誕生日には、ペクソルギという、もち米粉から作る蒸し餅を食べ健康を祈願するという。

 また「韓国では伝統を守りつつ、餅を使った新しい料理もどんどん創りだされています」とジェイさん。トウガラシソースと餅を炒めて作る「トッポキ」はその代表格。当地でもおなじみのメニューだが、韓国では若者に好まれ屋台フードとしても売られているそうだ。

ニューヨーカーにも
認知度高い日本の餅

 日本人にとって餅は正月には欠かせないものの一つだが、大福やだんご、餅アイスなど餅を使った食べものは、一年中目にする身近なものだ。

 日本料理店、「炉端屋NY」マネジャーの柘原勇友(つげはら・ゆうじん)さんは、「日本人にとって餅はもはや特別な行事でなくても食べるものです。そしてニューヨーカーの間でも認識されていますよ」と語る。

 同店では餅を炉端で焼いた焼き餅をメニューで提供しているが、「日本食といえば、すしやラーメンが広く知られていますが、今はニューヨークでも、日本の柔らかい餅は『Mochi』で通じます」と語る。

 次ページからアジア各国の餅料理と餅デザートの数々を紹介する。どうぞ召し上がれ。


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