2016/11/11発行 ジャピオン890号掲載記事


Pages:      
LIC散策
LICに住んだ経験がある編集Tが、ラスキンさんの話をもとに、今、注目されているという場所を歩いて回ってみた。

 「まずはフェリーからウオーターフロントの開発を見てほしい」というラスキンさんのすすめに従い、マンハッタンから30分ほどかけ航路LICに向かった。到着すると、まず度肝を抜かれるのは巨大な壁を築いているかのような高層住宅群と整備された遊歩道と公園の数々。6年ほど前、まさに「この辺り」を訪れたときは建設現場と空き地ばかりだった。

 今は広大な芝生が広がり、公園には子供の遊具が充実している。この日は週末とあって子供連れの家族や若者の姿が目立つ。何より対岸のミッドタウンビューは絶景だ。

古いものも存在感

 未来都市のような高層ビル群が並び建つ中で堂々たる存在感を放つのがペプシコーラのネオンサイン。1936年に当時のペプシコーラ瓶詰め工場の屋上に掲げられ、2009年に今の場所に移され、今年2月、市の史跡建造物の指定を受けている。その近くには「LONG ISLANS」とペイントされた1925年建造の可動式貨物橋がある。船と鉄道の荷物の積み下ろしに活躍したが、今はおしゃれなオブジェに。「古いものと新しいものの共存」の象徴といえる。

若者と食の最前線

 発展の中心は、バーノンブルバード、ジャクソンアベニュー、コートクスエア、そしてクイーンズボロプラザ周辺だということで足を伸ばす。地下鉄7ラインのバーノンブルバード駅から北へ伸びる商店街は、ウォーターフロントの裏手にあり、今も残る古い建物を上手く生かしたレストランや小売店が軒を連ねる。それが大通りのジャクソンストリートになると少し様相が違う。ブルックリンまで目と鼻の先とあってか、今高層住宅の建築が急ピッチで進行中。80年代然とした内装がおしゃれなカフェ「スイートリーフ」に若者たちが集う。ブルックリンにも店舗を構える「ひびの食堂」や昨年開店の「MuRa- men」もあり、おしゃれ街道に変身する匂いを感じた。

「足りなさ」に将来性

 一番驚いたのは、コートスクエア駅周辺とクイーンズボロプラザ駅周辺。前者は雑然とした雰囲気できれいとは言い難い住宅が連なっていたし、後者に至っては閑散としていて降りたいと思わない駅の一つだった。それが活気あるエリアとなってるのは、PS1やシティグループビル、ジェットブルー本社といった「アンカー」の力なのだろう。この近辺も高層ビルの建築が続いていて、住民、ビジネスがどんどん転入してくることが予想される。「まだ小売店が少ない」とこぼしていたラスキンさんだが、街を実際に見てみると、逆に、だからこそ将来性があると思わされた。

Water Front of LIC
1925年に作られた可動式貨物橋があるガントリープラザ州立公園。来年はシティーワイドフェリーの乗り場になる予定
現在のペプシコーラの看板は1936年に作られたオリジナルではなく、1994年に作られたもの
ウオーターフロントは遊歩道、公園、芝生には子供を連れた家族、若者の姿が多い
ガントリープラザ州立公園埠頭にはベンチが配されマンハッタンビューを楽しめる
Court Square
発展著しいコートスクエアの中心に鎮座するシティグループビル。地下鉄コートスクエア駅は2011年に4700万ドルをかけて改装され複合線駅となった
PS1はMoMAと提携し、20 00年に再開館して以来、年間約15万人の来館者がある
Queensboro Plaza
クイーンズボロプラザ駅の前にある航空会社ジェットブルーの本社。地下鉄の高架下も小売店やレストランがひしめく
クイーンズボロプラザ駅周辺も高層ビルの建築ラッシュ。この周辺は住居、オフィス以外にホテルの建設も進んでいる


Pages:      

過去の特集

NYジャピオン 1分動画