2016/11/11発行 ジャピオン890号掲載記事

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お話を聞いた人


LIC Pertnership President
エリザベス・ラスキンさん
www.longislandcityqueens.com
LIC Partnershipは先月末に、新しいウェブサイト(www.LICQNS.com)をローンチ。LICを訪れる人のために、美術館やレストラン、ホテル、イベントの情報のほか、同地のビジネス動向、開発の進捗や空きスペースが分かるマップで最新情報を発信。

LICのウオーターフロントでは高層住宅の建築ラッシュが続く。ガラス張りの建物が多く、まるで近未来都市の様相だ

LICってどんなエリア?
まずは、エリアを知るべく、近年の開発、特徴について地域の経済活動を支援する民間団体、LICパートナーシップのプレジデント、エリザベス・ラスキンさんに話を聞いた。

LIC発展への道のり

 近年のLIC発展の要因は、「ニューヨーク市のほぼ中心に位置し、マンハッタンやブルックリンへ、またラガーディア空港へのアクセルが良いこと。また地下鉄N、W、R、E、F、M、G、7でエリアのどこにでもリーチしやすい地理的要素があります」とラスキンさん。これまでは「いろいろなところに近いけれど何もないエリア」という認識だったが、ウオーターフロントの再開発などを経て、多くの人が住む場所、働く場所としての価値を見出した、認識の変化が大きいという。

 ただし、この発展は、過去数年で突然起こったことではないとラスキンさん。1990年にシティグループビルが建てられ、2000年にはニューヨーク現代美術館と提携したMoMA PS1がオープン。それらを中心に街が発展してきたと語る。

 「きらびやかなウォーターフロントの再開発に目が行きがちですが、一方でそうしたものがエリアのアンカー(イカリ)となって、地域が整備され、店が増え発展を遂げてきました」

 ビジネスも同様で、2012年の航空会社ジェットブルー本社の転入など、多くの企業が、家賃が安く、敷地の広いLICに移ってきていることが大きく取り上げられるが、例えばテレビ・映画の撮影スタジオ、シルバーカップ・スタジオやアストリアにあるカウフマン・アストリア・スタジオなど、かねてからある産業も存続し、その影響で映像、デザイン、IT関連などの新興のクリエーティブ系のビジネスが増え始め、土台を作ってきたという。

 「今確かに爆発的に発展しているように見えますが、何か一つの出来事がきっかけではなく、長い時間をかけていくつもの小さなことが起こり、今ようやく花開いたと感じています」

ブランドとしてのLIC

 LICは1898年にニューヨーク市に統合される前は独立した市として存在し、当時は隣接するアストリア、サニーサイドの一部も含んでいた。現在の一般的なLICの境界線は北が36ストリート、南がニュートン川、東がバンダムストリートという認識だが、ラスキンさんは、「独立市のころと同じとまではいきませんが、地理的なものよりも意識は広い」と話す。その理由として、他のクイーンズのエリアは、住民層や文化、産業などで強い特徴を持っているが、LICにはそうした特徴といえるものがないからではないかと分析。

 それゆえ、「地理的な考えではなく、商業圏、文化圏としての『LIC』を意識しているビジネスオーナーや住民が多い」と指摘する。

 例えばノグチ美術館は、地理的に言えばアストリアだが、LICアート・アライアンスに所属していて、LICとの関わりを表明している。

 「私たちは、住民をはじめ、ビジネス、テクノロジー、観光などさまざまなものを、大きな流れとしての『LIC』として一つにするのが仕事なのです」といい、エリアとしてよりも、もはやブランドとして機能しているLICの側面を語った。今後も発展が続くLICから目が離せない。


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