2016/11/04発行 ジャピオン889号掲載記事

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お話を聞いた人: モルテン・ソールバーグさん

ノルウェー出身。デザイナーとして活躍した後、オンラインデザイン教育サイトを立ち上げ、その後食関連の事業に方向転換。アメリカではまだFarm toTableの考え方が知られていなかった2000年代前半から、自営農場の野菜を使った、新鮮な料理を提供し続ける。

「シアード・スカロップ」は出汁をベースにしたソースで優しく味付け。チリの漬物と青のりがアクセント

赤トウガラシのグレーズと紫キャベツの酢漬けをあしらって色鮮やかに仕上げた「フライドチキン」

ブレンハイム農場産のアイスランディック・ラムを使ったメーンディッシュ

自然と共存し、海と大地を味わう

 北欧料理といえば、スモークサーモンや酢漬けのニシン、ミートボールを想像してしまうが、ここ数年ニューヨークをざわつかせているモダンなスタイルのものもまたその一つ。北欧料理の魅力、そしてその神髄を探るべく、ウェストビレッジの「ブレンハイム・レストラン」に向かった。

ワイルドかつ繊細に
季節を堪能する

 お話しを聞いたのはオーナーでエグゼクティブシェフのモルテン・ソールバーグさん。ノルウェー出身で、同レストラン以外にも市内各所にある「スモーガス・シェフ」「クレープ・ドゥ・ノルド」も経営している。
 「北欧料理の本質は、季節ごとにその土地で採れた、新鮮なものを食べる、いわゆるファーム・トゥ・テーブル(=地産地消)です」とソールバーグさん。動物なら頭のてっぺんからしっぽの先まで、野菜なら根から葉っぱまで食べるというから、かなりたくましくワイルドな料理だ。

 同時に「料理の中に季節ごとの色が出るので、今なら秋色のお料理になるんです」とも。そして出してくれたのが「ビーツ・ブルギニョン」(右のとびら写真)。ビーツの深いワインカラーとクリスピーポレンタの鮮やかな黄色、そしてポーチドエッグの白が織りなす秋色の一品は、仕上げにフェンネルリーフの素揚げをあしらい、まさに森の中に迷い込んだ気分になる。フォークをさっと入れると、とろりと黄味が流れ出し、ビーツの「土臭い甘さ」を柔らかく包む。

 またトルティーヤの代わりにコールラビのスライスを使ったユニークな「ポークタコス」(表紙写真)は、柿のサルサでポークをあえて、さわやかな秋の風味をプラス。シンプルな「フライドチキン(左写真中央)」ですら衣に赤トウガラシを加えて、紅葉をイメージさせる演出。もちろん味もボールドで、寒い季節には体が温まる。

食材は自営農場で栽培

 地産地消を実践するため、同レストランではキャッツキルにある、店名の由来ともなっている自営農場「ブレンハイム」で野菜や家畜を育てている。例えば、左下の写真は同店自慢の子羊料理で、ブレンハイム農場で飼育しているアイスランディック・ラム(羊の原種といわれる)を2種類の調理法(ステーキとソーセージ)にして供する。ラム特有の臭みが少なく、うま味があり、スモークソルトとの相性がいい。

 「ブレンハイム・レストランでは、アメリカ人が大好きで、なじみのあるメニューを、北欧料理特有のアプローチで再現しています」とソールバーグさんは話す。

 一見アメリカンなメニュー構成だが、「自然と共存して、自然を味わう」という、北欧の人々の食への考え方が、レストラン全体から伝わってくる。「北欧料理とは何か」を知りたければ、まず「ブレンハイム」に足を運ぼう。

Blenheim Restaurant
283 W. 12th St. (bet. W. 4th & 8th Sts.)
TEL: 212-243-7073
www.blenheimhill.com

Smorgas Chef
www.smorgas.com

Crepes du Nord
www.crepesdunord.com


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