2016/09/16発行 ジャピオン882号掲載記事

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日本の精肉店のように肉が整然と並ぶ同店内。経験豊かな店員たちが肉を丁寧にさばいてくれる

ステーキにおすすめの部位

がっつりステーキを楽しむなら、脂身のたっぷり付いたリブアイがハズレなし。脂身があまり得意でない人は、サーロインの霜降りと歯応えを堪能しよう


和州牛ってどんな肉?
今、米国で注目されているのが、和州牛のステーキ。ブランド和牛・但馬牛と、オレゴン産のブラックアンガスビーフとを掛け合わせた、ハイブリッド牛肉だ。生産元のジャパン・プレミアム・ビーフに、その魅力を聞いた。

名実ともにプレミアム

 「和州牛の最大の魅力は、和牛の香りと柔らかさ、そしてアンガスビーフの肉のうまみの両方を兼ね備えているところです」と語るのは、ジャパン・プレミアム・ビーフのマネジャー、山口圭悟さん。バワリーにある唯一の直営店では、同社オリジナル品種、和州牛の約20部位を販売している。

 米国で一般的な赤身のステーキ肉の主流は、肉に柔らかさを加えるために専用冷蔵庫で30日前後熟成(エイジング)を施した肉だが、和牛同様、霜降りの脂が多い和州牛は、エイジングせずとも柔らかく、かつ新鮮なものをいただけるのが魅力だ。

 和州牛のリブアイは、 1ポンドあたり約55ドル。市内で流通している一般的な米国産牛と比べると高値なのは否めない。その理由を山口さんは、「和州牛を育てるのは、一般的な米国産牛の3倍のコストがかかります」と話す。

 米国産牛の多くは牧草を食べて育つ。一方和州牛は、肉に甘みを加えるために、大豆やトウモロコシなどの穀物を与えながら、特徴である「霜」(筋肉の間にある網目状の脂肪)を持たせるために、米国産牛よりも長い約28カ月から30カ月まで育てる。つまり和牛と同じ飼育方法だ。「穀物の費用や育てるためにかかる人件費を考えると、月100頭を屠畜するのが限界です」。それでも和牛の半分以下の価格であることが、米国でのニーズを高めているという。

一押しは「肉の王様」

 初めて和州牛を食べるなら、どんな食べ方がおすすめだろうか。山口さんは「もちろんステーキですよ!」と即答。「和州牛は肉そのものの香りと甘みが高いのが特徴。マリネせずに、高温でジュッと焼いたミディアムレアのステーキを、塩だけで食べてみてください」と自信たっぷりに話す。

 和州牛デビューに選びたい部位は、山口さんが「肉の王様」と呼ぶリブアイ(牛の背中部分)。筋肉の動きが少ないため肉質が柔らかく、牛独特の香りが強い肩回りにもほど近い、味、香りともにバランスの取れた部位だ。

 リブアイよりも腰寄りに広がる部位がサーロイン。こちらは肉の外側に付いた脂が少なく、さっぱりと食べられる。

 料理人としても肉の味を追求する山口さんおすすめの付け合わせは、大きめの角切りベークドポテトとのこと。

背景には2大フードブーム

 まだ和州牛の普及活動は道半ばとのことだが、2009年のオープン以来、認知度は上がり、消費も増えているという。その一因として、近年の米国での「和牛ブーム」がある。

 「米国人は和牛のコクや香りが好きですね。日本国内より、国外の方が和牛の需要が高まっています。ただレストランで食べるにはまだ勇気のいる値段です」

 本国日本では、逆に熟成肉が脚光を浴び、赤身の牛肉が主流となりつつあるという。米国への和牛の輸出量が伸びるのも納得だ。

 和牛がニューヨーカーの支持を集める背景には、もう一つのフードブームがある。ニューヨーカーで特に顕著な健康志向だ。

 「和州牛はオールナチュラル。ホルモンは投与せず、ノーストレスで育てます」

 ノーストレスでは、放牧状態でのびのび育てることで、牛が「幸せ成分」(セラトニン)を分ぴつし、肉をグンとおいしくする。さらに和州牛の取り扱いはジャパン・プレミアム・ビーフの一社だけ。まさに近年のニューヨークフードのキーワード、「生産者の見える食材」とも言える。

Japan Premium Beef, INC.
57 Great Jones St.
(bet. Bowery & Lafaye- tte Sts.)
TEL: 212-260-2333
www.japanpremiumbeef.com


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