2016/07/22発行 ジャピオン874号掲載記事

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小泉聡之さん

「和参」「和参ブルックリン」のオーナーで、同店の酒ソムリエを務める。きき酒師、ワインソムリエの資格を保持し、幅広い視点から、日本人、非日本人にお酒の魅力を伝える努力をしている。

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暑い季節のにごり酒

この季節に合わせた楽しみ方について、酒ソムリエで「和参ブルックリン」オーナーの小泉聡之さんに聞いた。
 
さまざまなタイプの「にごり酒」

 「にごり酒」の楽しみ方を探るには、まずにごり酒とは何かを知ることから始めよう。にごり酒とは、日本酒にもろみ(製造の過程で発酵が進んだ米)の一部が混ざった状態のものを指し、一般的には荒い目のフィルターでこすと、もろみの一部も目を通って液体部分に混ざってできる。しかし、小泉さんによると、にごり酒の製造方法は他にもあるという。

 「細かい目のフィルターで完全にこした後に、もろみを再度混ぜ込んでにごり酒にするものや、後で砂糖を足しているものもあります。また、スパークリングにごりには2種類あって、人工的に炭酸ガスを加えているものと、火入れ(加熱処理)をせずに、瓶内発酵をさせて自然に炭酸が発生するように作られたものがあります。二つを比べてみると、口の中で感じる一粒一粒の泡の大きさ、グラスに注いだ時の泡の大きさ、泡の消える時間などが全然違いますよ」と小泉さん。

 また、日本酒は一般的にアルコール度数は15〜16度だが、にごり酒の中には度数が5%程度のものから20%を超すものまであり、またフレーバーのついているものもあるので、異なるタイプのにごり酒をいろんな場面で楽しみたい。

夏に適した飲み方は?

 では、暑いときはどんなタイプのにごり酒をどんな風に楽しんだら良いのだろう。「爽やか系」「まったり系」「どっしり系」など、人それぞれ好みがあるので、もちろん好きなものを飲むのが一番だが、夏ならではの飲み方を小泉さんにいくつか教えてもらった。

 通常は日本酒に氷を入れるのはタブーだが、「アルコール度数が高くてしっかりした味のものは、オンザロックで飲んでもおいしいですよ」と小泉さん。そしてユニークな飲み方として、フルーツジュースや梅酒と割ったカクテルや、チョコレートソースと混ぜた「チョコ酒」を提案してくれた。

 また、なんとアフォガート風にアイスクリームにかけたり、フローズンフルーツの上にかけたりして、「にごりデザート」として楽しんでもいいそうだ。「異なるにごり酒を使えば、ジュース割りやにごりデザートの味わいも変わるので、いろいろ試してみてほしいです」と話す。

 和参ブルックリンでは現在「〝おまかせ〟にごりフライト」(18ドル)を提供中。小泉さんが、その人の好みや食事の内容などを考慮して、おすすめのにごり酒やにごりカクテルを3種類出してくれる。にごり酒の通も初心者も、新しい味に出合える絶好の機会だ。

和参ブルックリンの
「“おまかせ”にごりフライト」を体験

 日本酒にはうるさいジャピオン編集部員2名が「“おまかせ”にごりフライト」を体験。小泉さんが選んでくれた1本目は、瓶内発酵が進んだ白川郷スパークリングにごり。「少しずつ栓を開けないと破裂しちゃうので、開けるのに5分ぐらいかかります」と言いながら少し栓をひねると、プシューっと音がして瓶の中で湧き上がるしゅわしゅわの泡が見え、グラスに注ぐとシャンパンのような細かい泡が立ち、口に含むとシャープなスパークリングが刺激する。

 2本目はあらかじめ作っておいた梅酒の凍結酒に、にごり酒を目の前で注いでくれるという趣向の凍結梅酒にごりカクテル。梅酒だけだと夏は少し甘ったるく感じるが、そこに雪のようなにごり酒が混ざると、がぜん夏風に。

 最後はデザート酒にぴったりのチョコにごり。ほろ苦くて甘く、そしてとろりとした口当たりがクセになりそうなこのカクテルは、実はシンプルにチョコレートソースとにごり酒をブレンドしただけ。今回はハーシーズのソースと、菊水パーフェクトスノーを使ったが、使うソースと酒によって味を変えてみてもいいそうだ。


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