2016/05/06発行 ジャピオン863号掲載記事


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ABTで活躍する日本人に注目!

ABTでは現在、4人の日本人が活躍中。その中で、バレエダンサーの相原舞さんと、ワードローブ・スーパーバイザーの上田ダンバー智子さんに話を聞いた。


上田ダンバー智子さん
ワードローブ・スーパーバイザー
大阪府出身。同志社女子大学卒。在学中から舞台監督集団ザ・スタッフに所属。ABTが来日公演をした際に、日本サイドのスタッフとして参加。小道具担当をしている現在の夫と出会い、結婚を機に来米。メトロポリタン歌劇場のドレッサーを経て、2013年から現職。

衣装管理をする上田さん。持っているのは今季の演目の一つ、「シルヴィア」でプリンシパルが着るピンクのチュチュ

 バレエ公演の成功に欠かせないのが、ドレッサーと呼ばれるスタッフ。舞台裏でダンサーたちの着せ替えを手伝い、衣装の直しやメンテナンスを担当する。そのトップに立ち、全ての動きの指示を出しているのが、上田ダンバー智子さんだ。

 「バレエは動きがあるため、ストラップは特に傷みが激しいです。また男性ダンサーに高くリフトされたときなどに、衣装がビリッと破れてしまうことも。そうなったら、ダンサーが舞台袖に下がってきたときに仮補修をして、その後の出番に支障がないようにし、公演後にしっかりと直します」と語る。

 バレエの衣装は非常に高額なため、公演ごとに新調できず、また他のバレエ団と共有しているものもあるので、ダンサーが変わるごとにサイズ調整をして使い続ける。「『ロミオとジュリエット』の衣装は35年選手。客席からは分からないですけどね」と笑う。

 ドレッサーの香盤表(こうばんひょう)を作るのも上田さんの仕事。各ダンサーが上手と下手のどちらにはけ、次に何を着るか全て把握し、各ドレッサーや衣装の配置を決める。「ゲネプロ(初日公演の本番間近に舞台上で行う最終リハーサル)を経て、すぐに本番だから、何度も練習できません。各ドレッサーに仕事の流れを紙に書いて渡し、公演が円滑に進むようにしています」と語る。

 日本で舞台監督の仕事をしていた経験を生かし、ニューヨークのみならず、各地で開催されるABTのツアーでも大活躍の上田さん。今後も舞台裏でダンサーたちを支え続ける。


相原舞さん
コール・ド・バレエ
山梨県出身。佐々木三夏バレエアカデミー在籍中の17歳のときに、第38回ローザンヌ国際バレエコンクールでセミファイナリストに選ばれる。ドイツのシュトゥットガルトバレエ団付属のジョンクランコスクールへ留学。ゼンパー・オーパーでの研修生を経て、2013年12月ABTに入団。

「ロミオとジュリエット」の舞台裏で、ジュリエットの友人役を一緒に演じるダンサーたちと撮った1枚。相原さんは左端

 コール・ド・バレエとは、ソリスト以外の、群舞や大人数の情景を担当するダンサーのこと。相原舞さんはその一員として、2013年から活躍。今期で3シーズン目の登場となる。

 3歳からバレエを習い始め、高校生のころには実家のある山梨県から、神奈川県にある名門バレエアカデミーまで、毎日片道2時間半かけて通っていた。ローザンヌ国際バレエコンクールでセミファイナリストに選ばれるなど、めきめきと頭角を現し、スカラシップをとってドイツへ留学。ゼンパー・オーパー(ドイツ・ザクセン州の州都ドレスデンにある州立歌劇場)で研修生をしていたときに、ABTで以前プリンシパルを務めていたバレエマスター(コーチ)から、ABTのオーディションを受けないかと誘われ、見事合格し、いまに至る。

 「ヨーロッパのバレエ団は身長に制限があったりしますが、アメリカでは各ダンサーの個性を生かす傾向があり、さまざまな人種の人がいます。そこが楽しいところ。ダンサー同士の仲もいいし、バレエしやすい環境です!」と笑顔を見せる。

 コール・ド・バレエは一度の公演で何役もこなすので、気持ちの切り替えが大切だという。また公演日によって出番が異なるので、全ての振り付けをマスターする必要がある。ちなみに今シーズンの一番の見せ場は、「白鳥の湖」の4幕に登場する、有名な「4羽の白鳥たちの踊り」。毎日ではないが、タイミングが合えば相原さんが華麗に舞う白鳥の姿を見ることができる。


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