2016/04/15発行 ジャピオン860号掲載記事

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お話を聞いた加藤吏一郎さん


4月から5月にかけてお茶の新芽が出て、それが香り豊かな新茶になる


すがすがしい香りの新茶をいただけるのはこの時期ならでは

新茶の魅力って何?

京都に本店を構える日本茶専門店「一保堂茶舗ニューヨーク店」のマネジャー、加藤吏一郎さんに、新茶の定義や、おいしいいただき方を聞いた。

――春は新茶の季節といいますが、そもそも新茶とは?

全ての日本茶は、 4月から5月にかけて新しい芽が出ます。その新芽が新茶になります。今では保存技術の発達により、通年でおいしいお茶が味わえるようになりましたが、昔から芽が出たての、摘みたてのものが一番フレッシュで味がよかったんです。「夏も近づく八十八夜…」という茶摘みをテーマにした文部省唱歌がありますが、あれは立春(2月4日)から数えて八十八夜、2カ月以上過ぎてから摘んだお茶がおいしいということです。

――新茶のおいしさとは?

一番の持ち味はグラッシーで、すがすがしい香り。これは青葉アルコールという成分です。ただ非常に揮発性が高く、ちゃんと製造して、しっかりパッケージングしても、香りが飛んでいきやすいものです。あと当然農作物なので、その年の冬から春にかけての天候具合で味が変わります。その年その年の味を楽しむのも醍醐味(だいごみ)です。

――生産地によって新茶にも違いがあると思いますが、一保堂が取り扱っている宇治の新茶の特徴は?

日本列島の中でも気候の差があり、桜前線のように、お茶にも新芽が出る時期が異なります。一番早く出るのは鹿児島など南の方。ただその次が、京都を飛ばして温暖な静岡になるんです。宇治は山間部に茶畑が多く、春の訪れが遅いためです。山間部は朝晩が冷えて昼が暖かくなり、寒暖の差が激しく、その温度の変化が葉に強いエネルギーを与えるため、華やかでフレッシュな香りやうま味のある新茶になります。

――おいしい入れ方は?

新茶はやはり香りが持ち味。温度が高いお湯で入れるとより香りを感じやすくなるのですが、新芽は非常にデリケートなので、長く待ち過ぎると、渋みが出てしまいます。そこで、いつもより少し熱めのお湯(セ氏85~90度)で入れて、待ち時間を気持ち短めにして(40~50秒)さっと出していただくとよいでしょう。

もう一つおすすめなのが水出しの新茶。例えばおしゃれなガラス容器に茶葉と氷水を入れて、20~30分置いていただければ、リッチな甘みのある味が出ます。ガラス容器越しに新芽のきれいな色を楽しめますし、初夏に新茶で涼を感じていただくのもおすすめです。

――新茶をニューヨークで手に入れる方法は?

弊社の小売店ではもちろん取り扱っていますし、お茶を取り扱っているスーパーマーケットやオンラインショップでも売られています。どこのメーカーも販売はだいたい6月いっぱいまでですね。

――新茶の保存方法は?

室内の涼しい場所で保存してください。冷蔵庫でもよいのですが、ご家庭の冷蔵庫だとにおいがつくので長期不在にするとき以外は避けた方がよいでしょう。通常お茶は半年から1年は持つとされていますが、新茶の青葉アルコールは、未開封のものでも飛んで行きやすいので、6月中には飲み切っていただければと思います。

――抹茶にも新茶はあるのでしょうか?

あります。ただお茶屋さんによって発売するところとしないところがあり、弊社では取り扱っていません。個人的には抹茶の新茶は本当に良い香りがして、季節が感じられるので好きです。ニューヨークではちょっと手に入りにくいですけどね。

Ippodo Tea, New York Store
125 E. 39th St.
(bet. Lexington & Park Aves.)
TEL: 212-370-0609
www.ippodo-tea.co.jp


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