2016/04/01発行 ジャピオン858号掲載記事

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お話を聞いた人

中村武彦さん
BlueUnited社長兼CEO。FIFAマッチエージェント、MLS選手・国際関係コンサルタント、Jリーグヒューマンキャピタル国際事業開発担当。MLS国際部マネジャー、FCバルセロナ(FCB)国際部ディレクターを経て、リードオフスポーツマーケティング社入社。昨年10月に独立。


Blue United
www.blueutd.com


ニューヨーク・レッドブルズの開幕戦。レッドブルアリーナはチームカラーの赤を身にまとったファンで埋め尽くされた

進化するMLS
今年の見どころは?

スポーツマーケティング会社、ブルーユナイテッド代表の中村武彦さんに魅力を語ってもらった。

動員数を毎年更新
NYには新チーム

 毎年観客動員数の記録を塗り替える成長を見せています。2015年の1試合平均の観客動員数では、NFL、大リーグに次いで3位の2万1574人。同年の日本のJリーグ(J1)の1万7803人も上回っています。

 特にニューヨークは世界各国から人が集まりますから、サッカーファンも多い。昨年当地に誕生したNYCFCの所有権を持つ、マンチェスターシティー・フットボールクラブのCEOフェラン・ソリアーノはチーム創設に当たり、「ニューヨークが世界最大数のサッカーファンがいる街であることは分かっていた」と発言しましたが、その言葉通り、NYCFCは昨年、1試合平均2万9016人の観客を動員しました。

 MLSが誕生し20年。生まれたときから、あるいは子供の頃から身近にMLSがあった10代から30代が現在のコアなファン層です。

有名選手が続々
日本人もプレー

 ここ数年の目に見える変化は、MLSに移籍してくる選手の知名度、レベルが格段に上がったことです。NYCFCでいえば、アンドレア・ピルロ(元イタリア代表)、フランク・ランパート(元イングランド代表)、ダビド・ビジャ(元スペイン代表)といった、世界的に知られる選手がずらりと並びますが、それが珍しくなくなっています。そうした選手を身近な場所で生で見られるのは魅力ですね。

 また日本人にとっては、今年は史上最多の4人の日本人、遠藤翼選手(トロントFC)、工藤壮人選手(バンクーバー・ホワイトキャップス)、小林大悟選手、ザカリー・エリボー選手(ともにニューイングランド・レボリューション)がプレーすることが注目ポイントです。

毎年各チームにチャンス
MLSが盛り上がる理由

 米国プロスポーツリーグでは後発なので、これまで培われた知恵と過去の反省を生かして始まり、さらに方向修正しながら進化してきました。当初は大学の指導者を監督に据えるなど、我流で推し進めてきました。しかし、それでは発展がないことに気づき、指導者のレベルを上げるために、研修に海外に送り出すなどして育成してきました。

 構造としては、下部リーグとの入れ替えがないので、応援するチームのリーグ優勝の可能性を常に感じられ、プレーオフがあるので、リーグ序盤でつまずいても、挽回の機会があり、シーズンの最後まで盛り上がれるのも特徴です。

 さらに、お金のあるクラブだけが強いという状況がありません。戦力が均衡になるよう選手の年俸予算は各チーム同じで、新人選手の獲得はドラフト制。特別枠が3枠ありますが、一定額分(年俸の金額に関わらず、16年は45万7500ドル)は計上されるので、全体の予算のバランスを取りながら獲得する必要があります。さらに、各チーム八つ外国人枠を所有していますが、枠はチーム間でトレードできます。チーム方針や戦略によって、他チームから枠を獲得し、スタメンを外国人選手でそろえることも可能です。

 こうした規定を考慮して、知恵を絞り、いいチームを作るので、毎年、シーズンが始まるとき、ファンは「うちのチームは今年勝てるかも」と思えることが、このリーグの最大の特徴です。


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