2015/12/11発行 ジャピオン843号掲載記事


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お話を聞いた人


サンジェイ・ジョゼフさん
Sanjay Joseph, PT
理学療法士(PT=Physical Therapists)。SFMA(Se- lective Functional Move- ment Assessment)を使った最先端の背骨/スポーツ医学リハビリプログラムに注力。症状改善や健康維持のため、患者が日常的に実践できる自己療法を重視した治療を行う。

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冬の疲労予防は水分補給がカギ
理学療法士のサンジェイ・ジョゼフさんに、冬の寒さと乾燥、ストレス、運動不足などがもたらす体の疲労について、そのメカニズムと対処法を説明してもらった。

寒い→疲れ→体の痛み

冬の疲労の特徴は、乾燥(脱水症状)、寒さからくる体へのストレス、運動不足からくる体力(特に心肺機能)の低下だと、ジョゼフさんは話す。
「寒さは体へのストレスです。体はストレスを感じると、最も原始的な動きに戻ります」とジョゼフさん。「原始的な動き」とは、例えば腕を曲げることであり、踏ん張るように脚を地に押し付けること。これは、脳の自然な反応だという。「寒い中バスを待っているときなど、そうしていませんか?」。そうやって筋肉を縮め、緊張させることは、必要以上に体力を浪費することになり、その結果体の疲労となってたまり、ひいては肩、首、背中、腰などの痛みとなって現れる。
「首や肩が痛かったら、無理にほぐそうとせず、力を抜いて、縮まった筋肉の緊張を和らげてください」。仕事中もスマホのタイマーなどを使って定期的に行い、習慣化してほしいという。

冬の疲労の大敵は脱水

そして、意外な大敵が「脱水」だ。この季節、特に暖房が効いた室内では乾燥が著しい。ジョセフさんは極端なケースとして、自らの脱水体験を次のように話す。
「患者と話している最中に、フーッと意識が遠のくように睡魔に襲われたことがあります。5分ほど横になることで回復しましたが、原因は脱水だと後で気付きました。冬の乾燥を考えず、コーヒーを飲み過ぎました。コーヒーには利尿作用があることは知られますが、それが脳の脱水・疲労となって、ああいう形で現れるとは思いませんでした」
こうした日常生活での軽い脱水がもたらす疲労症状もだが、ホットヨガや、スキーなどのウインタースポーツでの極端な発汗からくる脱水にも要注意。
「冬は転倒による骨折や捻挫の患者が増えます。単に凍った道で滑るのではなく、脱水による疲労症状も原因の根底にあると考えられます」
脱水で疲れた体は、周辺環境への反応も鈍くなる。ちょっとしたことで足がもつれて転倒し、とっさに手や肘をつき骨折する。最も危険なのが顔から転倒するケース。脱水状態では脳内(頭蓋骨内)の水分も少なくなった状態。その状態で転倒して頭を打つと、頭蓋骨内壁に脳がまともにぶつかるという。
「脱水状態になると、喉の渇きも空腹も感じません。ただただ疲労感があります。そうなる前に、この時期は夏と同じように水分補給を心掛けてほしいです」。コーヒーやアルコールを飲むときは、必ず一緒に水を飲むようにすることが大事だ。
人気のホットヨガも、軽い気持ちでやらないこと。「1時間で5ポンドもの水分を汗として失います。それが気持ちいいのですが、ホットヨガをやる日は、朝から寝るまでのコンディショニングが欠かせません。塩分過多の食事を避け、クラスの最中はもちろん、1日中水分補給を意識して行うことです」。
冬のジョギングやスキーも、寒いから感じないだけでかなり汗をかいている。水分補給と、適切な肌着・防寒衣類の着用が必須だ。

体力つけて疲労撃退

疲労をためない究極の方法は、基礎体力をつけることだとジョセフさんは力説する。軽い運動はどんな妙薬にも勝るという。「1日15分でいいので、何らかの有酸素運動をすることをすすめます」。心肺機能を上げることで、掃除や雪かき、階段の昇降など、日常生活での活動が楽にできるようになるという。
「そうすれば、1日の終わりにもっと体力が残っています。運動で適度に疲れるとよく眠れ、疲労回復にもつながります」。4週間続けると違いが実感できるという。

冬に気を付けるべきポイント

寒さで体が委縮することで首、肩などに痛みが起きた場合、無理にほぐさず、力を抜き縮まった緊張を和らげること

暖房で室内が乾燥していると、知らぬ間に脱水症状を起こすことがある。また寒さで感じなくも、冬の運動では思ったよりも汗をかいていて水分を失っていることがある。脱水症状は疲労の原因になるので、水分補給をこまめに行うこと

日頃の有酸素運動で心肺機能を上げる

 


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