2015/10/02発行 ジャピオン833号掲載記事


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知る人ぞ知るブーツ専門の老舗
三代目店主が薦める今年の4足

ニューヨークでブーツを売って半世紀以上、老舗の名物店主に、これからブーツを新調しようと考えている読者に向けたお薦めを聞いた。

 ブーツの王道、レッドウィングには憧れるけど、高くて手が出ない、と嘆く人は、ブルックリン区サンセットパークにあるブーツ専門店「フランケルズ」を訪ねるといい。

 創業1890年の同店は市内でも老舗中の老舗。目利きの三代目店主、マーティー・フランケルさんが厳選した各種ブーツの品ぞろえの良さと、リーズナブルな価格設定が特徴の知る人ぞ知る店だ。ブーツ好きのヒップスターなどの来店も多い。

 生まれも育ちもブルックリン区のマーティーさんは、1963年に軍隊を退役後、祖父の代からの家業を継いだ。以来、半世紀以上、ブーツに情熱を注いできた。

 実はブーツ好きな日本人の来店も多い。「先日も、日本からの観光客が空港から直接来店したよ。閉店後だったけど、どうしても欲しいブーツがあるって言うから開けてやったさ」とマーティーさん。

 ブーツのことなら、メーカーの歴史から素材、製造工程に至るまで、話し出したら止まらないマーティーさんに、100〜200ドルの価格帯で、今冬の「お薦め」を用途別に紹介してもらった。

お話を聞いた人


Frankel’s 店主
マーティー・フランケルさん

3924 3rd Ave. Brooklyn, NY 11232
TEL: 718-768-9788



Muck Boot Muckmaster
悪天候も何のその これが無敵の防水防寒


 「防水性で群を抜くのがマックブーツ。膝の高さまで雪が積もる最悪のブリザードの中でも楽々歩けるよ」とマーティーさん。

 マックブーツ社はテキサス州グランベリーで1999年に創業した比較的新しいメーカーだが、現在、全米の水産、畜産、酪農の現場で絶大な支持を得ているそうで、「ニューヨークでは衛生局の作業員の間でも人気だね」。

 お薦めは17インチ(膝丈)の「マックマスター」。ソールには、2ミリ厚の保温フォームと柔軟性抜群のエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)クッション装備で、作業用ゴム長靴とは思えないほどの快適性。大胆カットの靴底で滑り止め効果も高い。強化表面加工のゴム部分はスネまで、上部は合成樹脂とデザイン的にも洗練されている。ふくらはぎをがっちり包むライニングは、断熱効果はもちろん、エアメッシュなので通気性が良く、防湿機能にも優れている。「悪天候の日でも、これを履けば無敵だよ」



Thorogood Men’s 814-4200 American Heritage 6″ Moc Toe Boot
ファッション性で選ぶなら ヒップスター御用達


 「米国製ブーツにこだわる日本人の愛好家にはこれだろう。伝統製法の手作りワークブーツで、技巧的にも最高水準なんだ」とマーティーさんが太鼓判を押すのは、ソログッドのアメリカンヘリテージ(6インチ・モックトウ)814-4200。

 ソログッドは1892年にウィスコンシン州ミルウォーキーで創業したワインブレナー社製ブーツの看板ライン。電線敷設工事用のワークブーツ(ラインマンブーツ)を皮切りに名声を確立した同社は、今でもさまざまなプロ用ワークブーツを製造する。中でもアメリカンヘリテージ・コレクションに属する同品は、認定付きのメードインUSA。本革製で、感電防止加工。コットンのライニングも入っており耐寒も完璧だが、スタイルにはハイカットのバスケットシューズに似たカジュアルさがあるため、秋冬の「普段履き」としても好適だとマーティーさんは薦める。

 「あのジェイZやセレブも愛用しているらしく、ヒップスターと呼ばれる若者はみんなこれを買ってくね」とのこと。



Chipewa 24941
履き心地の良さ満点 古き良きアメリカの「味」


 「『格好つけるためだけにゴツいプロ用ワークブーツを履くのはちょっと…』とちゅうちょする君には、チペワ24941がお薦めだ」

 ウィスコンシン州チペワに本社を構えるこのメーカーは創業1901年。「チペワもソログッドに比肩する米国ブランドだ。自分たちのブーツは、森林伐採労働者や土木作業員など米国を切り開いた人たちの血と汗と共にある、と考えている誇り高い会社だよ」とマーティーさん。

 24941の特長は何よりも履き心地の良さ。とにかく軽くてフィット感が素晴らしいとのこと。素材はアッパーが水牛の皮、つま先がサメ皮とシャレている。スタイルはどちらかというとモダンで機能重視。ウオータープルーフでありながら、通気性が高い自社開発の薄皮防水加工「チパテックス」が全体に施され、ライニングには同じく通気性の良い自社断熱材「ドライレックス」を搭載する。

 「114年に及ぶ手作りの伝統をリスペクトしつつもハイテクを導入し品質向上を目指すチペワのブーツは、ニューヨークによく似合う」



Carolina CA5021
一足は持っておきたい 万能型でお買い得


 「機能、スタイル、値段の全てにおいて優れた万能ブーツはありますか?」と質問すると、マーティーさんは迷わずこのカロライナの6インチ幅広メンズ防水防寒ブーツCA5021を取り出した。

 「米国のブランドだけど製造は中国。でも、ブーツの完成度に遜色はない。今冬に向けてブーツの新調を考えている人にお薦めのデフォルト商品だね」

 ブーツは、アッパーに耐久性に優れた牛革「クレージーホース」を使用。新断熱材「シンシュレート」(3M社が開発)と防水裏地「スキューバライニング」(自社開発)を装備しているので、真冬のハードな気候にも十分耐えられる。インソールにはピロークッションを効かせた上、着脱可能の中敷き「AG7フットベッド」でさらに快適度をアップ。

 「過去3年、ニューヨークは厳冬で大雪の日も多かった。だからといって今年もそうなるとは限らない。スタイルや機能のどちらにも偏らず、どんな天候にも対応できる、こういうブーツで備えるのが一番だよ」



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