2015/01/30発行 ジャピオン798号掲載記事

自分の手でお店を改装
 自分の趣味やイメージを思う存分投影したインテリアを自らの手でこつこつ作り上げた二つのお店を紹介する。家具選びから取り付け方法まで、私たちにもまねできるヒントがたくさん隠されている。


 昨年9月にパークスロープにオープンした「J+Bデザイン&カフェ」は、日本の工芸品、雑貨、衣料品を扱うセレクトショップ兼カフェ。以前は撮影用のセットや大道具を作るスタジオだったという巨大な倉庫を、守田美穂さんをはじめとするスタッフ全員が、5カ月かけて改装した。本業は画家の守田さんのセンスが生かされたアーティスティックな空間だ。

 壁はレンガ、ドアは大きな鉄製、床はコンクリートといった、どっしりとした印象に合わせ、色も落ち着いたトーンのブロンズやコパーをキーカラーにしたという。

 「ブルックリンと日本の文化の交差点のような場として、人々がにぎわうスペースになっていってほしいという思いで改装に携わりました。J+Bのオーナーの佐賀関等さん、下田幸知(さち)さんをはじめ、スタッフみんなと一緒に時間をかけて作り込んでいったので、その中で方向が自然に固まってきた感じです」と守田さんは語る。

 マテリアルはほとんど佐賀関さんが譲り受けてきた家具や器具、廃材など。当然それぞれのイメージやスタイルはばらばらだったが、それに手を掛けてトータルイメージに合わせるように作り上げていった。キーカラーはもとより、色の塗り方を工夫したり、やすりをかけたりして質感や光沢もコントロール。インダストリアルな中にも、ぬくもりのある店内に仕上がっている。ショッピングやカフェで一休みするついでに内装もチェックしよう。


店内の改装を手掛けた中心メンバーの守田美穂さん(中)、田代文雄さん(右)、佐藤昂大(たかひろ)さん(左)。レストランやオフィスからのいただき物や廃品を使って作ったとは思えない、おしゃれなスペースだ。「買ったのはペンキぐらいです」と守田さん。



▲積み木のように箱を重ねて作った棚は、箱そのものが不均衡にカットされた不思議な形なので、並べただけで幾何学模様のコンテンポラリーアート風に仕上がった。一見ただの白に見える色は、守田さんのアイデアで異なる色を布でたたくように重ね塗りし、深みを出している。

▲守田さん自慢のカフェカウンター。廃材の板を短く切って、ランダムに組み合わせ、鳥の巣のようなイメージのL字型の台に。



▲展示台の取り付け方に注目!壁側はL字の金具で強化プラスチックのカウンタートップをぴたっと留め、手前は廃材の木を足にして支える。左側の足は木の柱の間にカウンタートップを差し込んで乗せているだけ。

▲カウンタートップとして使った強化プラスチックは傷があちこちについていたが、絵の具をジャクソン・ポロック風に飛ばしてモダンに変身。





Tokuyama Salon East Village

627 E. 6th St.
TEL: 212-260-7607

Tokuyama Salon Upper East

230 E. 83rd St.
TEL: 646-666-8565

www.tokuyamasalon.com

 店に入ってまず気付くのは、至るところに置かれたアンティーク家具。しかし、実は本物のアンティークだけでなく、アンティーク風に作られたアイテム、写真撮影用のライト、また水道パイプや、テーブルとして使われていた板など、さまざまな物が空間作りに使われている。これをトータルコーディネートしたのが、オーナーでヘアスタイリストの徳山隆偉(たかひで)さん。壁や天井は自分たちで塗り、家具や装飾は徳山さんの趣味でそろえた。「ダウンタウンという場所柄、アッパーイースト店とは少し違った、カジュアルビンテージの雰囲気のアンティーク調で統一するように考えました」と話す。

 中でも自慢はエントランスに飾られたビンテージ風のアート。徳山さんの自作で、ニューヨークのレストランやカフェからインスパイアされて作ったのだとか。いろいろな物が置いてあるのに、統一感があるのは、「カジュアルでコージーなサロン」を目指すというコンセプトがぶれないからだろう。


徳山さん自作のアート。板に新聞紙をはり、その上からニスを塗り、さらにステンシル方式で絵を描いた。



▲アンティーク調のレリーフが施された天井が気に入って物件を決めたという徳山さん。オリジナルの天井は真っ白にペイントされていたが、レリーフの柄を生かすために一度茶色を塗り、その上からクリームをラフに塗って、柄を浮き立たせ、敢えて手作り感を出した。

▲ハードウエアストアで買った水道パイプのつなぎ目と、木の板を使って作った棚は、目からウロコのアイデア。水道パイプの部品はこの他にも、BOSEのスピーカーを置くのに使われている。



▲撮影用のライトは上下に伸縮自在。また左右に自由自在に動かすことができるように、自分でレールを取り付けた。

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