2015/01/30発行 ジャピオン798号掲載記事

谷古宇俊子さん
インテリアデザイナー、建築家

高島屋NYの建築に携わり、その後キタノホテルをはじめとする日米企業の改装プロジェクトから、個人宅のリフォームまで手掛ける、空間づくりのエキスパート。建築・リフォーム事務所「VOU Design Corp.」のオーナー。

ポイントは「自分らしさ」の見極め
 自分が住む空間をがらりと変えると、気分もリフレッシュする。そこで、部屋の模様替えをする際の基本と秘策をインテリアデザイナーで建築家の谷古宇俊子(やこう・としこ)さんに聞いた。

部屋のリフォームや模様替えをするに当たって、最初に準備すべきことは?

 まず、希望するテーマやイメージを思い浮かべてみてください。華やかにしたいとか、落ち着いた部屋にしたいとか。ファッション誌やインテリア雑誌などを参考にすると、ぼんやりとしたイメージがビジュアル化されて、自分の好みを明確に把握できるようになるでしょう。生活する場所の第一条件は〝心地良さ〟です。流行の色や素材に左右されず、自分の趣向を反映させた空間作りをしないと必ず失敗します。

 その後は、頭の中で考えていることを具体化することが大事です。リフォームしたい部屋のサイズを正確に測ることは、とても大事な作業です。部屋の大きさ、窓やドアの位置やサイズなどを把握しておくことが、リフォームを成功させる重要な鍵となります。サイズを把握した後は、簡単なものでいいので、部屋の構図を描いたり、縮小模型などを作ったりして、どこに何を置くかを遊び感覚でシュミレーションすることを強くお勧めします。デパートの家具売り場やショールーム、専門店などを小まめに回って、買い替えたいアイテムを実際に見たりするリサーチも必要だと思います。


時間がない、予算が少ない、でも部屋の印象を変えたい、という場合はどうしたらいいでしょうか?

 手持ちの家具の位置を変えるだけで、空間はガラリと変わりますよ。家の中にある物の置き場、位置を変えることは、それだけで生活習慣に変化をもたらすことにつながります。カーテン、クッション、ベッドカバーなどのファブリック類を新しくするだけでも、雰囲気はかなり大きく変化しますし、雑誌などで気に入った写真や絵などを見つけて、フレームに入れて壁に掛ければ、素敵なアート作品になります。単に気分転換ということであれば、これだけでも充分効果的ですね。


トレンドを取り入れるヒントは?

 去年は、畳を空間に取り入れた「和モダン」やクルージング人気を反映した「豪華客船」のイメージのインテリアなどが話題になりましたが、やはり〝自分の好み〟で本人が納得して選んだ家具で囲まれ、長く付き合える空間のリフォームや改装が大前提です。その時の気分で流行に飛び付くと、後で必ず〝飽き〟が来るからです。一生ものの家具を購入するのか、毎年模様替えすることを想定したプロジェクトなのか、その基本ラインを決めてから、流行を取り入れるのは賛成ですね。大きな改装は、やはりプロと相談するのが一番確実です。


谷古宇さんが手掛けたリフォーム例

ケース1:バスルーム
優しい雰囲気だが、少々古臭いデザインのバスルームが、強化ガラスのパーティションをつけて、便器を角張ったものに取り替えるだけで、ぐっとシャープなイメージに。

ケース2:キッチン
改装前は暖かみのある色、丸みを帯びたパーツを使ったキッチン。リフォーム後はやや角張った取っ手、冷蔵庫、オーブン、換気扇をシルバーでコーディネート。カウンタートップも全体的に柔らかい色ではあるが、濃いグレーのマーブリングが入ったものを合わせ、モダンに変身。

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