2015/01/23発行 ジャピオン797号掲載記事


チーズの季節性について教えてください。

 季節による気候や気温の変化は、チーズの味や質にも影響します。チーズの原料となるミルクを出す乳牛、羊、ヤギ、水牛などは牧草や植物を食べているので、食料源が変わると、おのずと乳製品の味も変わります。

 通常、雌は出産に伴う自然な授乳サイクルに従ってミルクを出しますが、消費者が1年中チーズを入手できるようにするため、今はこのサイクルを人工的に変えています。ただ、小規模な職人スタイルで生産しているチーズは、人工的な操作をしていないので、季節によって色も味も舌触りも違い、季節感を楽しめます。


例えばどんな違いがありますか。

 春はフレッシュなゴートチーズが出回ります。冬の間ヤギはミルクを出さないので、3、4月がフレッシュなチーズの新しいサイクルの始まりなんです。色が明るくて、口当たりも軽いです。生産地にもよりますが、夏のミルクで作られたチーズはナッツのように香ばしいですね。秋はミルクの生産量がだんだん少なくなる時期で、徐々に脂肪分も増え、味もまろやかになっていきます。


冬のチーズの特徴は?

 冬は1年の中で最も季節限定のチーズが多い時期です。生産量が少ない冬のミルクで作られた、どっしりしていて、脂肪分の多いチーズは希少価値があります。例えば、冬だけにしか作られない「モン・ドール」はホリデーチーズの定番。冬のチーズの傾向としては、軟らかめのテクスチャーのものは味がリッチで濃厚。一方、パルミジャーノ・レジャーノのような熟成チーズは、この時期はマイルドに、そしてやや軽めになります。


お勧めの冬のチーズや楽しみ方は?

 特に寒い時期は温めて食べるといいでしょう。アルパインチーズ(アルプス地方のチーズ)は伝統的に調理したり、溶かしたりして食べます。例を挙げると、フォンデュは寒い夜には最適の熱々ディッシュで、通常3種類のアルパインチーズ(グリュイエール、コンテ、アッペンツェラー、エメンタールなど)を、ワインかチェリーブランデーと混ぜて溶かし、角切りにしたパン、ピクルス、サラミやスライスした肉、リンゴなどと一緒に食べます。

 もう一つのアルプスの郷土料理ラクレットは、溶かしたチーズをゆでたジャガイモの上に乗せて、ピクルスやタマネギと一緒に食べます。

  スナックとして楽しむなら、スティルトンとポートワインのペアリング。これはイギリスの古典的な食べ方です。またバレンタインには、リッチなトリプルクリームチーズをスパークリングワインやシャンパンと合わせるといいですよ。


とろけるような口当たりのブリーチーズ。中でも、冬はより濃厚で甘みのあるトリプルクリーム系がお薦め


スイスの郷土料理チーズフォンデュは、3種以上のチーズをブレンドするとよい

過去の特集

NYジャピオン 1分動画


利用規約に同意します
おすすめの今週末のイベント