2015/01/09発行 ジャピオン795号掲載記事

ライザ・ワイスタックさん

『ウイスキー・マガジン』の編集業務に加え、フリーランスのスピリッツ・ライターとして『ウイスキー・アドボケイツ』や『ボストン・グローブ』『ワシントン・ポスト』などに寄稿。各種スピリッツ批評会の審査員なども務めている。
www.lizaweisstuch.com

スピリッツ・ライターに聞く
最新トレンド

『ウイスキー・マガジン』などの専門誌を中心に、スピリッツ・ライターとして活動するライザ・ワイスタックさんに、ニューヨークにおける最近のウイスキー・トレンドについて話を聞いた。

火付け役は『マッドメン』

アメリカでは、ウイスキーの売り上げが長く低迷していました。

 そうですね。1990年以降は特に、クラフトビールやワインの人気が高まり、ウイスキーは通好みの酒といった感じで消費量が伸び悩んでいました。それでもいつの時代にも、揺ぎないファンに支えられてきたのが、ウイスキーです。


ブーム再来のきっかけは?

 ずばり、2007年放送開始の大ヒットテレビドラマ『マッドメン』が火付け役でしょう。1960年代のニューヨークを舞台に、敏腕広告マンたちが格好良くウイスキーやカクテルグラスを傾けるシーンに、多くの人がシビれたようですね。酒、タバコに成功と、欲望が渦巻くあの世界に、自分も少しばかり浸ってみたい、と。

 また、情報があふれている今だからこそ、本物にこだわる人が増えているのも事実。ウイスキーブランドの多くが、長い歴史やものづくりへの強いこだわり、傑作商品の製造秘話など、興味深い逸話を持っています。ウイスキーそのもののテイストだけでなく、そういうストーリーに耳を傾け、五感で楽しむという魅力に引き込まれた人も多いようです。

続くカクテル人気

ニューヨークにおける最近のトレンドは?

 ここ数年は、とにかくウイスキーを使ったカクテルが大人気。今後しばらくは続くでしょう。カクテルはオン・ザ・ロックや水割りよりも飲みやすいので、ウイスキー入門者にも向いています。「マンハッタン」や「オールド・ファッションド」などクラシックなもの以外にも、最近はウイスキーに関する知識が豊富で、かつ冒険心あふれるバーテンダーが増えているため、見て、飲んで楽しむ個性的なカクテルも次々と誕生しています。

 またこの〝ウイスキー・ルネサンス〟を証明するのに十分なのが、専門バーやクラフトウイスキー蒸留所の出現でしょう。ここ数年はニューヨーク市内でもこれらが相次いでオープン。生粋のファンだけでなく、アミューズメントパークに行く感覚で足を運ぶ若者や女性の数も飛躍的に増加しています。


音楽を通じて伝えたいことは?

 私は50年の音楽人生の中で、世界各国の歌を紹介してきました。世界の国々には素晴らしい音楽があり、人々は日々を真剣に生きていて、人々が抱き合うことができます。その美しさを音楽を通じて広めていきたいと思っています。

魅力いろいろ

確かに、ウイスキーと言えば裕福なおじさんが嗜む敷居の高いお酒というイメージが強かったです(笑)。ちなみに、ウイスキーを飲んで得することは?

 一概に健康に良い!とは言えませんが(笑)、例えば私の場合、バーボンをオン・ザ・ロックで飲むときや、シングルモルトスコッチに数滴の水を入れて飲む場合、味や香りを堪能しながらゆっくりと嗜むので、ビールやワインを飲むときよりアルコール摂取量は減ります。それゆえに二日酔いにもならないことが多いです。要するに、間接的には肝臓に良いということでしょうか(笑)。

 また、バーとかで偶然知り合った人と会話を始めるにも、打ってつけのお酒。ウォッカについて語るより、もっとずっと奥の深い、すてきな会話を生み出してくれますから。


ウイスキー初心者には何がおすすめ?

 多くの人が「アードべッグ」や「ラフロイグ」などアイラモルトを試しているようですが、ピートの強いスコッチはおすすめしません。まずは癖が少なく、飲み心地がスムーズなスペイサイド地方の「ザ・グレンリベット」や「グレンロセス」、芳醇な香りと独特の甘みが特徴のバーボン「メーカーズ・マーク」などがよいでしょう。カナディアンやジャパニーズ・ウイスキーも飲みやすいです。


『マッドメン』シーズン4の一幕。

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