2019/03/15発行 ジャピオン1010号掲載記事

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地ビール業界で
何が起こってる?

 
2017年創業のブルックリン・サンセットパークにあるビール醸造所、ファイブ・ボロウズ・ブリューイング・コーポレーション(5ボロ)のCOO、ケビン・オドネルさんに、地ビール業界の最新の動向について聞いた。

Q 地ビール業界で最近、「コラボレーション(コラボ)」という言葉をよく耳にします。
A ニューヨークにおいて「コラボ」は、すごく大切な要素です。というのも、当地の地ビールのギルドがとても良いコミュニティーを作っていて、醸造所同士でも分からないことや材料についても聞き合ったりして、助け合う関係性が築かれています。商売としてはもちろん競い合っていますが、ニューヨークは、まだまだ地ビールが飲まれる余地があると考えられているので、健康的な競争もできています。また、うちも含めて小規模醸造所が多いので、地ビールを飲む人を増やす共通の目標のために協力しよう、という気持ちは強いです。
Q 5ボロではどんなコラボをしているのですか?
A 地元の醸造所はもちろん、全米各地の醸造所、ほかにもユニークパートナーとのコラボもあります。
例えばウィリアムズバーグのミード酒(蜂蜜酒)の醸造所とのコラボではハニーラガーを作り、日本酒醸造所、ブルックリンクラとのコラボではライスラガーを作りました。
最近はブロードウェーのショー「Come from Away」ともコラボしました。ショーに触発されて考えたビールを、ショーのキャストとスタッフと一緒に仕込みました。カリフォルニアの醸造所、シエラネバタ・ブリューイングとのコラボは、カリフォルニアの山火事被害の援助が目的で、彼らが公開したレシピを使って、ここで醸造、提供して、利益を寄付するという試みでした。
コラボは新しい客層にリーチできるという利点がありますが、お金もうけ以上に、素晴らしい地ビール文化を分かち合おうという気持ちがニューヨークでは強い気はします。
Q 最近は缶販売もはやっているように見受けます。
A タップルームで生ビールを提供することと、缶販売は、まったく違う客層をターゲットにしています。
小規模の醸造所はおそらく同じですが、うちも最初はタップルームで出来立ての生ビールを提供することに注力しました。近所の住民、近くで働いている人、そして多様な文化背景を持つ人たちに、ここに来てもらうために、家族にも犬にもフレンドリーな場所にしました。みんながここに飲みに来て、持ち帰り用の瓶(グラウラー)で買って家でも飲むという流れです。
缶販売は、外でお酒を飲まない人たちに、近くのスーパーで買って、家で飲んでもらい、うちのファンになってもらうのが狙いです。昨年末、タンクや機材を増強して、生産力が上がったことで缶販売を本格的に始めました。
Q 今後目指すのは?
A 缶販売は好調で、種類も徐々に増やし、市内だけでなく、ロングアイランド、ウェストチェスターにも販路を広げる予定です。
ただ、フレンドリーなスタッフがいて、いい音楽をかけて、ゆったりとした時間を過ごせる場所、そして、もちろんおいしいビールがある場所を作りたいと思って始めたので、その思いは変わりません。

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お話を聞いた人
ケビン・オドネルさん
Five Boroughs Brewing Co.共同創業者、COO。金融業界から転身して、CEO のブレーク・トムニツさんと共に2017年に創業。 fiveboroughs.com
 
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天井が高く、広々とした空間が5ボロのタップルームの特徴。子供、犬にもフレンドリーで、週末には地元住民で混み合う


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