2019/01/25発行 ジャピオン1003号掲載記事

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ホットな抹茶で感じる日本
 
日本の伝統文化は敷居が高そうだが「形式張らず、気軽に楽しめますよ」。そう話すのは抹茶店「雪月華」の森夫妻だ。お店で、自宅で、心身共に温まるお茶の味わい方を教わった。

見せます、教えます!
お茶のたて方

「雪月華」はマンハッタン区イーストビレッジにひっそりとたたずむ。茶道歴20年超の森宗碧(そうへき)さんが解説しながらお茶をたててくれる。お湯を沸かす釜も、茶葉を粉末にする石臼も日本から取り寄せた。思いのこもった茶道具の数々が店内を飾る。

看板メニューの一つ、伝統的な薄茶(7ドル75セント〜18ドル)は、まず客が好みの器を選ぶ。宗碧さんが茶道の作法にしたがい、それをお湯で温めた後、麻の布で手際よく水分を拭き取る。次に粉末1・5グラムを入れた器にセ氏80度のお湯60ミリリットルを注ぎ、「茶筅(せん)でMやWの文字を描くようにたてていきます」(宗碧さん)。混ぜ過ぎるとぬるくなり、足りないとダマが残って舌触りが悪くなってしまう。

みるみるうちにお湯と粉末がいい色に混ざり合って完成。手のひらよりも大きい器から、ほどよい熱さが手に伝わり、じんわりと温かい。一口すすると体もポカポカして外の寒さを忘れさせる。「抹茶は眠気を覚ます効果も強く、持続すると言われています」と夫の絢也(じゅんや)さんが効能をPRする。

本来、3口で飲むのが流儀で、他にも器の持ち方や回し方も作法があるが、「ここではあまり気にしなくていいですよ。ゆっくりしていってください」と夫妻は話す。

自宅でアレンジ自在
来客のもてなしにも

「茶碗を気に入って買われる方もいます」。そう、飲んだ茶碗を購入もでき、他にも茶筅や9種類ほどある抹茶自体(14〜150ドル)を買って帰れる。雪月華で販売する茶筅は、10ドル台からある市販品より少々値が張るが、乾燥に強く長持ちするそうだ。お茶の購入者には一連の流れが書かれた「How to make matcha」のレシピを渡す。月4回ほどお茶のたて方のレクチャーも開いている。

「ご自宅で楽しむ場合、作法などはあまり深く考えなくてよいです」と宗碧さん。茶碗などは家庭にある物で代用でき、茶筅さえあれば難なくお茶をたてられるという。80度の目安は、沸騰させたお湯を一度他の器に移し、その後粉末に注ぐとちょうどよいといったコツも教わった。

抹茶の風味を生かした創作メニューもある。「抹茶プチーノ」は渋みが引き立つよう、無糖のアーモンドミルクを使用。上にふんわりとした泡を乗せた。

「抹茶アフォガード」はミルクジェラートに味が凝縮された濃茶をかけ、冷たさと熱さの二重奏が口の中に広がる。さらに、アフォガードに麦焼酎を加えたプレミアムメニューもある。そば焼酎や米焼酎などいろいろ試した結果、麦が一番合ったという。

自宅なら、こうした独自メニューを作り出すのも一興だろう。特に米国人の来客時など、自らたてたお茶で一服すれば、喜ばれること請け合いだ。

難しい茶道の作法はいったん脇に置き、抹茶の味の深みと、ゆったりした時の流れを感じてほしいというのが森夫妻の願いだ。「お店で4時間ぐらい滞在されるお客さんもいますよ」と笑う。

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オーナーの森宗碧さん(右)と絢也さん

 
Setsugekka
74 E. 7th St./www.setsugekkany.com
※日本でお茶を調査するため、2月中旬まで休業中
 

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手際よくお茶をたてる宗碧さん。泡立たせ過ぎないようにするのがコツ

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たてたばかり、ほどよい熱さの抹茶

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抹茶アフォガード

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派生して創作した抹茶プチーノ。どちらも抹茶の風味が際立つ仕上がり


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