レストラン「祭り」のエグゼクティブ・シェフ小野正さん(右)と、フードジャーナリストのハリス・サラットさん(左)。新作「ニューヨークちゃんこ鍋」(23ドル)を囲んで、いざ鍋対談。
『ジャパニーズ・ホットポット』の共著者、「祭り」の小野正シェフと、フードジャーナリストのハリス・サラットさんが、鍋について大いに語る。
サラット(以下S) タダシ、今日は面白い鍋を作ってくれたね。これは何て名前なの?
小野(以下小) 「ニューヨークちゃんこ鍋」。鶏団子と豚バラ肉が入っているところがちゃんこで、缶詰と生のトマト、ニンニク、タマネギが入っているところがニューヨーク。ニューヨークにはイタリアンがたくさんあるからね。ジャパニーズ・イタリアン・フュージョンだ。締めにはパスタを入れるんだよ。
S この鍋を、店のレギュラーメニューに入れる予定はあるの?
小 そうだね。今回初めて作って食べてみたけど、なかなかいいから考えてみるよ。鍋は普通、冬に食べる料理だけど、これはトマトの酸味が爽やかだから、春や夏にもいけるかもしれない。
S 僕はほとんど毎週、家で鍋を食べているよ。タダシが言うように、“Let's DO nabe!”で“Let's COOK nabe”じゃない。妻と一緒に鍋とともに、燗酒も楽しんでいるよ。この間、友だちを10人ほど呼んで石狩鍋を作ったんだ。鍋は初めての人がほとんどだったけど、鍋を食べ終わって雑炊を作って食べさせたら、全員“crazy about zosui”!(笑)
小 家族や親しい友だちと食べる鍋は最高だね。我が家では、子どもたちも野菜を入れる係になったりして、それぞれ役割があるんだ。鍋奉行が多すぎて収拾がつかなくなることも。鍋奉行って、英語でなんて言うのかな?
S 鍋ディクテーター? 鍋ボス? ところで、「祭り」ではいつから鍋を出すようになったの?
小 3年前から。でも「ナベ」と言っても分からない人が多いので、「ジャパニーズ・ホットポット」と紹介したんだ。ホットポットならほかの多くの食文化にもあるから、緊張せずに食べられるんだ。
S どの鍋が人気なの?
小 月替わりで5種類の鍋を出しているけど、寄せ鍋、鶏の水炊き、石狩鍋は人気があるね。ほかには、牛鍋、牡蛎土手鍋、豚味噌鍋、きのこ鍋、ちゃんこ鍋も出しているよ。でも、ニューヨークでも実はまだ、鍋はそれほど知られていないんだ。『ジャパニーズ・ホットポット』を出版して、日本の奥深い鍋物の文化や、作り方についても紹介できたので、これからはファンが増えていくと期待しているよ。
S この本が出版されてから、僕のブログにたくさん反響があったよ。しかも全米から。「鍋は作るのが簡単でしかもおいしい」、「毎週のように鍋を食べるようになった」ってね。日本料理は作るのが難しいと思われているけど、鍋は簡単なんだよな。
小 鍋の楽しさを知ったら、そこからほかの日本料理や日本の食材、調味料などにも、興味を広げていって欲しいね。
『JAPANESE HOT POTS』

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