森田祥広(よしひろ)さん日本では今、ハイボールがブームだ。女優・小雪らのCMからこれを仕掛けたサントリーは、日本最古のウイスキー蒸留所を擁する会社。同社米国法人の森田祥広さんに、ウイスキーの今と嗜み方を聞いた。
森田さん(以下森) 水割りやソーダ割りが主流の日本とは違い、米国ではロックやストレートが多いですね。最近は、ウイスキーカクテルもまた飲まれ出しています。日本ではウイスキーの国内市場が年々縮小する中、サントリーは若い方にも良さを伝えたいと、さわやかで飲みやすいハイボール(ウイスキー&ソーダ)を、「古くて新しい飲み方」として打ち出してきました。昨年夏のキャンペーン開始以降、これを飲める店は実に4倍、6万店に増えています。
森 複雑で微妙な香りの、不思議なお酒。一言では語れない、さまざまな表情を見せる点です。知れば知るほど奥が深い。原料、ブレンドや蒸留法から熟成の時使われる樽の材質、産地の風土や時代背景まで、さまざまな要因が味に影響します。美術館で絵画を鑑賞する時のように、飲みながらそれらについて思い巡らすのが楽しいですね。
森 日本人には、やはりその繊細な味覚に合わせて造られた、日本のウイスキーが飲みやすいと思います。というのも日本では、サントリーの「山崎蒸溜所」から、スコットランドの製造法を基にウイスキー造りが始まりました。通常シングルモルト・ウイスキーは、単一の蒸留所で数種類の原酒から造られるので、産地の特徴がはっきり出た、個性の強い味になるんです。ところが日本では、気候も好まれる味も違う。そこで山崎では、数十種類もの原酒を造ってブレンドするなどの工夫を凝らして、尖らず繊細で複雑な、日本向けの味を作ってきました。アメリカでも「ジャパニーズ・ウイスキー」の味はどんどん認知・評価されてきていて、飲めるバーも増えています。
森 ハイボールやカクテルから入ると良いのでは? 日本のウイスキーなら、同じ日本のユズやシソなどを合わせたカクテルを頼んでみると、バランスが良くおいしいと思います。女性には、チョコレートとウイスキーのペアリングもおすすめ。自宅で飲む場合は、氷はミネラルウォーターを使い、溶けにくいよう硬く大きめに作るとおいしいですよ。ハイボールは、ウイスキー1対ソーダ3の割合がベスト。炭酸が逃げないよう、混ぜすぎないのがコツです。
