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2009/09/04発行 ジャピオン掲載記事

アメリカでの出産を知る

新しい小さな家族を迎えた、幸せな新生活――その前に控えるのは、出産という大事業だ。医療制度などさまざまな面で日本とは異なり、何かと不安なアメリカでの出産について、基礎知識をまとめた。

産婦人科医/助産師を選ぶ

出産準備の第一歩は産婦人科を訪れることから始まるが、医療保険に加入している場合は、指定の医療保険を利用することになる。アメリカでは、子どもを持とうと計画した時点で、産婦人科の初回検診を受けるのが一般的になっている。出産の障害となる病気(子宮がんなど)がないか、風疹の抗体があるかなどの検査を事前に行うことで、安心して妊娠・出産に臨むことができるからだ。
産婦人科医/助産師選びは、ファミリードクターが決まっていれば、そのドクターから紹介してもらうことができる。また医療保険の種類によっては、あらかじめ医師が決められている場合もある。
産婦人科医/助産師を選ぶポイントは、自宅から近い場所にオフィスを構えており、加入している医療保険が使えること。日本語が話せるかどうかという点も決め手の一つとなる。
妊娠27週までは月に1回、28週以降35週までは2週間に1回、それ以降は週に1回のペースで診察を受ける。日本では産婦人科につき添う男性は少ないが、アメリカではカップルで来院する人が多い。一緒に赤ちゃんの心音に耳を傾けたり、超音波で赤ちゃんの映像を見たりできるので、時間が許せばできるだけ、パートナーも同伴したいところだ。

 

出産費用と保険

医療保険を利用する場合は、保険のタイプにより、カバー範囲が異なる。ネットワーク内の医療機関を利用する場合は、初回のみ30〜50ドルの自己負担金(Co-Payment)を支払えば、あとは産科でかかる費用全額を保険会社が負担してくれる。ネットワーク外の場合は、毎回自己負担金(病院により異なる)を支払い、出産1カ月後に自己負担金の全額または一部が保険会社により払い戻される。払い戻しの割合は、保険によって異なるので注意が必要だ。
また保険によっては、1年間に一定額までの医療費=免責額(Deductible、たとえば500ドル)を患者が自己負担し、超過分については保険会社が50〜100%支払うというプランもある。自分が入っている保険の内容を、しっかり確認しよう。
ちなみにニュージャージー州のジャパニーズ・ウィメンズ・センターでは、保険に非加入の場合、費用は妊婦検診+分娩費+産後検診で5500ドル。更に妊娠中の血液検査費1500ドル、超音波検査費840ドルで計7840ドル、というのが主な費用だ。加えて、実際に分娩をする提携先の同州ホーリーネーム病院で、母子の入院費が正常分娩の場合3500ドル(/1日)、帝王切開の場合は4000ドル(同)かかる。帝王切開の産科医への費用は母子合わせて2000ドルで、無痛分娩の場合は麻酔の費用も別途必要。
また、出産後は1週間程度入院する日本と比べ、アメリカでは分娩後の入院は2泊3日。保険では2泊3日しかカバーされない。帝王切開の場合でも、4泊5日で退院するのが一般的。もちろん、産後の回復には、1カ月程度は自宅で安静にしておくのが良いだろう。
なお海外旅行者保険では、出産費用は一切カバーされないので注意が必要だ。
医療保険に加入しておらず、収入・資産が一定金額以下の場合には、低所得者向け医療費免除制度であるメディケイドが利用できる。ニューヨーク・ニュージャージー州では、アメリカ国民以外でも利用可能。大きな病院などで詳細が尋ねられるほか、ニューヨーク州保健局のウェブサイト(www.health.state.ny.us/health_care/medicaid)、ニュージャージー州福祉局のウェブサイト(www.state.nj.us/humanservices/dmahs/clients/medicaid)でも確認できる。
申請に必要な書類は、記入済み申請用紙、妊娠証明書(各医療機関で発行)、タックス・リターンのフォーム(収入が少ないことを証明できるもの)、住居の賃貸料の証明、ビザ、パスポートなど。州によって規定は異なるので、確認が必要だ。
そのほか、各団体が行っている低所得者向けの各医療プログラムもあるので調べてみよう。

 

出産準備クラスを受講する

実際の出産までの間には、出産準備クラス(両親学級=ペアレンツクラス)などを受講するのも良いだろう。妊婦と配偶者を対象に、出産と育児に関する基礎知識を学ぶクラスで、日本では「母親学級」という名で市町村が行うものが一般的。だがアメリカでは各病院などで、主に平日夜2時間ほど行われている。病院によっては、クラスが5〜6種類も用意されているところもある。
ジャパニーズ・ウィメンズ・センターの「海外出産・育児準備クラス」は、全2回のクラス。セッション1では、赤ちゃんが生まれる前に準備しておきたいもの、入院中や退院後の生活のシミュレーション、出生届・出生証明書・日米のパスポート申請など、出産にまつわる各種の申請、チャイルドシートやベビーカーの選び方まで学ぶ。セッション2では、育児の実践編として、おむつの種類や換え方、お尻のケア方法、日米の沐浴の違いやミルクの種類・与え方、母乳や赤ちゃんの救急蘇生について知る。同センター外の医師にかかっている人でも、受講可能だ。

 

日本とアメリカへ出生届を

なおアメリカで生まれた子どもは、自動的にアメリカ国籍を取得できる。出産すると病院で出生証明書の申請用紙を渡されるので、その場で記入すれば病院が提出してくれる。また、ニューヨーク州、ニュージャージー州の出生証明書は、それぞれ州保健局に請求する。手続きにかかる時間は2〜4週間程度で、1枚20ドル。
日本国籍については、どちらかの親が日本国籍を有する場合に、子どももこれを取得できる。ただし、出産後1カ月以内を目安に、総領事館に出生届を提出する必要がある。出生後3カ月以上経つと、日本国籍が取得できなくなるので注意しよう。

記事協力: Lighthouse
監修: 永門洋子さん(助産師)
Japanese Women's Center
870 Palisade Ave., 3rd Fl.
Teaneck, NJ 07666
TEL: 201-747-2284
www.japanesewc.com
※記載されている情報は変更されている場合があります。
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