ドイツのハウス・レーベル「YORE」より、ジャジーなサックスが効いた1曲、Andy Vaz feat. Alton Millerの『Hurry, Hurry』。「甘ったるい飾りの音楽じゃない、聴き込みがいのある深い曲だよ」とダグさん。
ブルックリンはキャロルガーデン、ゴワナス運河沿いの建物の間にぽつんと位置する「ブルックリン・ヤード」。木陰にベンチやテーブルが並び、のんびりした空気が漂う、誰かの家の裏庭風イベント・スペースだ。ここで夏の間、日曜の午後に開かれているのが「サンデーベスト」。昨夏に始まったばかりの、今注目のハウス/テクノ・イベントだ。
開始は午後3時。ベビーカーを押したカップル、子ども連れのグループなどが、近隣から三々五々集まってくる。「仕事や子育てで、普段夜遊びできない、という人が多く来てくれるんだ」と話すのは、オーガナイザーの一人でDJのダグ・シンガーさん。「子どもももちろんウェルカム。最初に踊り出すのは、いつも子どもたちだよ」
ダグさんとイーモン・ハーキンさん、ジャスティン・カーターさんのレジデントDJ3人が、交代でプレーして場を温め、ゲストDJが登場するころには、20代、30代のお客さんが増えていく。ゲストには、DJハービーやミスター・スカルフ、オマーSなど、その道のファンならば「おっ」と目を留める人々も。彼らのサウンドをきっちり生かす機材も整っており、間口を広げつつ耳の肥えたオーディエンスの心もしっかりとつかむ、質の高いイベント作りが「サンデーベスト」の特徴だ。
「クラブ大好き」という常連のビッキーさんは、ビーチサンダル姿でひとしきり踊ると、「これから両親とご飯なの」と言って帰っていった。開始直後からDJブース脇に陣取っていたジェイソン君は、18歳。音楽が好きで、郊外の自宅から毎週通って来ているそうだ。「アンダーエイジの僕でも、仲間外れ感を持たずに楽しめる。ファンタスティックなイベントだよ!」
この日の終了は夜9時。ゲストDJのセットまで、たっぷり踊って帰宅しても、月曜日の朝も無理なく仕事に行ける時間だ。「いい音楽を聴いて、のんびりして、踊って、楽しんで帰ってくれたら、僕らにはそれが最高なんだ」
のんびりとした雰囲気の中、音楽を楽しむ。ガンガンに踊るというより、木陰に座っておしゃべりしつつ聴いている人多し。
会場には、オーガナイザーのこだわりがうかがえるフード屋台も。「アジア・ドッグ」は、変り種ホットドッグを販売。写真は豚の角煮が入った「WANG‐DING」(4ドル)。
