ガバナーズアイランドの魅力
ニューヨーク市内屈指の絶景を誇る島の管理団体、ガバナーズアイランド・プリザベーション・アンド・エデュケーション・コーポレーション(GIPEC)のエリザベス・ラプアノさんに、島の変遷や見どころなどを聞いた。
――ガバナーズアイランドはなぜ、一般の人に閉鎖されていたのでしょうか?
島はニューヨーク港の真ん中にあり、入植者たちが敵の侵略を防ぐために要塞を作るなどしてきました。そういった歴史的経緯もあり、昔から軍や沿岸警備隊に使用されてきたんです。1996年に沿岸警備隊が去り、島は2003年に連邦から州と市に1ドルで譲渡されました。05年から期間限定で一般開放しています。今は誰も住んでいませんが、以前は島自体が軍関係者の小さな町だったので、いろいろな施設が残っています。
――空きビルやアパートがたくさん残っていますが、誰も住めないのですか?
州と市が島を買い取る際に、「居住地としての再開発をしない」「カジノを作らない」などの約束をしたんです。住むことはできませんが、イベントなどで施設を使用できます。貸し出し申請をGIPECのウェブサイトで受け付け中です。私たちは島を教育とレクリエーション目的に使用することを決めており、その再開発を進めています。計画案のコンペを勝ち抜いた、世界各地の都市デザインで有名な「ウエスト8」チームが、6月上旬に再開発のマスタープランを発表します。また、来年にはブルックリン区ブッシュウィックの公立校「ニューヨーク・ハーバースクール」が島に移転することが決まっています。
――島の見どころは?
島の北部には、19世紀に建てられた歴史的な建物がたくさんあります。ガイド付きのウォーキングツアーもありますし、マップを見ながら自分で散策するのもいいでしょう。また、南部からの景色も最高です。自由の女神像を、陸上で最も近いところから眺められるんですよ。島の一番外側をぐるりと1周できるようになっているプロムナードもおすすめです。長さは2・2マイルあって、今年から自転車で島を1周回れるようになったんです。島に自転車を持ち込むことができますし、レンタルもしています。それに、島内には緑もいっぱいで、一般の車も入ってきません。マンハッタンからたったの7分で来られるのに、まるで別世界。約200年間も一般開放されていなかったこともあり、数年前に開放するまで、島のことを知らなかった人も多いと思います。この隠れていた「宝」をみなさんに知ってほしいですね。

島には緑がたくさん。家屋やアパートの建物なども残されているが、その多くは、現在使われていない。

ローワーマンハッタンまで約750メートル。島の北端にあるフェリー乗り場の隣にある駐車場が、この夏、ビーチに変身する。イラストは完成予想図。
Elizabeth Rapuanoさん
Governors Island Preservation and Education Corporation (GIPEC)
www.govisland.com
GIPECは、面積172エーカー(東京ドーム約15個分)のガバナーズアイランドのうち、Castle WilliamsとFort Jayを除く大部分の施設や、再開発計画などの管理を担当。