ニューヨーク現地発信の総合情報サイト/特集 - eジャピオン

Home
特集
グルメ
トラベル
美容
スクール
リビング
クラシファイド
トップ > 特集
2008/11/07発行 ジャピオン掲載記事
   
インディー・ロックのプロモーター
和製英語の“Cosplay(=CostumePlay)”は今や世界に普及し、「コスプレーヤー」たちの層も厚くなっている。「世界コスプレサミット(以下WCS)」に今年出場したアメリカ代表の二人と、来年の代表に選ばれたばかりの二人に話を聞いた。

日本を中心とする、アジアのインディー・ロックバンドをニューヨーカーたちに知らしめるため、「カラテライス」というプロモーション組織を運営しているヘイデン・ブレレトンさん。彼が日本の音楽に興味を持ったのは10代の頃。テレビで見たテイ・トウワの映像がきっかけで、「渋谷系」の音楽に夢中になった。

日本の音楽を幅広く聴く中で出合ったインディー・ロックにも、共通する特徴が見られるという。「古い音楽を取り入れて、まったく新しい音楽を作っているのが良い。あと、CDのパッケージデザインも凝っていて好きだよ」。そして、彼らの熱心さもブレレトンさんを引きつける要素だ。「彼らは、自分の音楽に全身全霊を傾けているのが分かるんだ。音楽を象徴するようなファッションだけでなく、ライフスタイルにもその影響が表れていると思う。彼らの世界は本当にディープだね」。日本人の応用力や真面目さが、少し形を変えて音楽の中にも表れているのかもしれない。

そんな彼らのプロモーションをするため、2003年にウエブサイト「カラテライス」を開設。間もなく、市内のライブハウスでイベントも主催するようになった。

カラテライスでは、極東(日本)と米東海岸のバンドを共演させる“Far East To East Showcase”などのイベントを、年に十数回開催している。コンセプトはイベントによってさまざまだが、日本人だけでなく、地元のバンドも出演させる。日本のバンドが、ニューヨークのトレンドに触れられるようにすることと、地元バンドのファンたちに、日本のバンドを見せることが目的だ。「ニューヨーカーの多くは、日本の無名なバンドを見たことがないけど、見たら絶対に気に入るはず。僕たちがそういう機会を作るんだ。演奏する側、見る側、その間に入る僕たち、皆がハッピーになれるといいね」とブレレトンさん。

「一昔前は、日本は西洋の音楽を『輸入』して、作り変えていたように思う。でも、今はアニメの広がりとシンクロして、日本の音楽も世界で注目を集めてる。どんどん『輸出』する側になったんだよ」。

 
 

ヘイデン・ブレレトンさん
トリニダード・トバゴ出身。「カラテライス」を運営する他、二つの会社経営に携わり、更にDJとしても活動。ニューヨークを拠点とする日本人バンド「サクラマダムス」のマネージメントも昨年から行っている。日本の音楽を幅広く知るため、今は時代をさかのぼって、ザ・スパイダース、山本リンダ、ピンク・レディーなども聴きあさる毎日。 www.karaterice.com

カラテライスの主催するイベントでは、ニューヨーカーたちが日本のバンドに熱狂する。

 

ブルックリン植物園での「桜祭り」にDJとして出演し、好評を博した。

 
 
カワイイ小物アーティスト
ハローキティーに代表される、日本発の「カワイイ文化」は米国にすっかり定着し、“kawaii”も英語として通じるようになってきた。カワイイ文化の影響を受け、手芸を中心とする作品を制作している、イスモヨ・グリーンさんの「カワイイ」とは?

ぬいぐるみやアクセサリー、グリーティングカードなどを制作しているアーティスト、イスモヨ・グリーンさんは、日本の「カワイイ文化」から大きな影響を受けた一人。昨年7月、アムステルダムから念願だったニューヨークに移住を果した。自身の名前を冠した「イスモヨ」ブランドを早速立ち上げて、作品を販売し、来月には初の手芸ハウツー本『100 Appliqué Motifs』を刊行するという、新進気鋭のアーティストだ。新刊の中では、手芸の基本テクニックや、100種類以上のアップリケ・デザインのアイデアなどを紹介している。和風柄の布を使ったり、こけしやスシなどをあしらった、日本的なデザインも多い。

イスモヨさんの自宅兼仕事場には、物や動物を擬人化したキャラクターや、色使いなどから、「日本的カワイイ」を感じさせる小物がずらりと並ぶ。よく知られたキャラクターグッズ以外でも、日本の物が多い。「『カワイイ』と思って買ったものが、日本製であることに後から気付くことも多いの」。また、彼女の作品である「カップケーキ」シリーズのように、日本発のキャラクターと同列に並んでも、まったく違和感のないものも多数ある。

アートの専門教育を受けたことはないが、服飾デザインなどを手掛ける母親の影響で、イスモヨさんは幼い頃から手芸品に触れて育った。オランダでは、日本製品を中心とするカワイイ小物の輸入販売をしていたこともある。日本を訪れたことはないが、日本を旅行した友人などから「どこに行ってもカワイイものがある」と聞かされている。「100円均一ショップにも、カワイイ商品が山ほどあるのよね」と、妄想を膨らませる日々だ。

イスモヨさんにとって、日本とはカワイイもので溢れた夢の国。「私が日本に行ったらきっと大変よ。『あれも買わなきゃ、これも買わなきゃ』って感じで、お金がいくらあっても足りないでしょうね」。近年、状況は変わりつつあるが、西洋ではまだまだ「カワイイ小物は子供向け」という考えが主流。「でも、日本では大人の女性がそういう物を身に着けていても許されるでしょう? うらやましいわ」。

 
 

イスモヨ・グリーンさん
オランダ出身。ニューヨークとアムステルダムを行き来する数年間を経て、昨年移住。オンラインショップでアクセサリー、ぬいぐるみ、ステッカーなどの作品を販売中。「カワイイ」系の他、自身が「ビンテージ」と呼ぶアメコミ風キャラクターをモチーフにした作品も制作している。ウエブサイトでは新刊の予約も受 付中。 www.ismoyo.com

イスモヨさんの作品「カップケーキ」シリーズ。

 

『100 Appliqué Motifs』を12月9日に出版予定(一部の国・地域では既に販売中)。

 
 
特撮ヒーロードラマ愛好家
日本男児なら誰でも夢中になったことのある、特撮ヒーロードラマ。「日本の特撮ヒーローたちの中には、『自己犠牲』の精神がある」と語る、ヘンリー・ビロンさん。『仮面ライダー』を始めとする、特撮に夢中な彼の熱き「ヒーロー論」とは?

「僕は特撮に恋してしまったんだ」と言うヘンリー・ビロンさんは、特撮ヒーローの代表格『仮面ライダー』に畏敬の念すら抱いている。アーティスト志望の彼が持ち歩くスケッチブックは、好きな人物のポートレートでいっぱいだが、普段、仮面ライダーを描くことはないという。「心から愛しているから、描く際に一点でもミスをするのが怖い」。

ビロンさんの自室には、日本の特撮ヒーローたちのフィギュアやDVDなどがびっしり並ぶ。米国にもスパイダーマンやバットマンといったヒーローはいるが、ビロンさんが好きなのは飽くまでも日本のヒーロー。理由は、「日本の特撮ヒーローには影がある」から。悪の組織によって、改造人間にされたことに苦悩した仮面ライダーや、事故で死なせてしまったハヤタ隊員に、自分の命を吹き込んだウルトラマンなどがその例だ。「日本の特撮では、孤独や心の痛みがよく描かれている。アメリカでは派手なアクションとハッピーなストーリーに終始しすぎていると思う。文化が違うから仕方ないのかもしれないけど」とビロンさん。「僕は、自己を犠牲にして、人々のために戦う日本のヒーローの姿に感銘を受けたんだ」。

ビロンさんの母国ペルーでは、日本のテレビ番組が多数放映されており、『秘密戦隊ゴレンジャー』で有名な「スーパー戦隊」シリーズや、『宇宙刑事ギャバン』から始まった「メタルヒーロー」シリーズを見て育った。長年、そのことを忘れていたが、2005年に『仮面ライダー』に出合い、「幼い頃の記憶が、一瞬で蘇った」という。以来、オリジナルの言語で作品を楽しみ、関連書籍を読むため、日本語もだいぶ覚えた。ドキュメント『仮面ライダーを作った男たち』(KCデラックス)の中にある、「英雄はね、風のように現れて、嵐のように戦って、そして必ず、朝日と共に帰ってくるんだ」というセリフは、お気に入りの一節だ。もし日本を訪れたら、「東映の映画村に行きたい。仮面ライダーの巨大な像があるんだ。あと、(主演の)藤岡弘にも会いたいね」。

「日本では毎年、新作が出ている。特撮がこんなに根付いている国は、他にないよ」。

 
 

ヘンリー・ビロンさん
ペルー出身。デジタルデザイン専 攻の大学生。3年前にチャイナタウンで見つけたDVDがきっかけで、「『仮面ライダー』に恋した」。『ウルトラマン』や『ゴジラ』といった、日本の特撮ヒーロードラマにのめり込み、日本語もだいぶ覚えた。「ジャピオンもたまに読んでますよ」。フィギュアなどのコレクションが増えすぎたため、「欲しい物もあるけど、しばらくは買わないよ」。

コレクションの一部。「レア物ばかりなので、『一番お気に入り』を選ぶことはできない」。

 

仮面ライダー新1号変身ベルトは、「日本の友達に頼み込んで、送ってもらった」。

 
back前のページへ
※記載されている情報は変更されている場合があります。
読んだら面白かった読んだら面白くなかった
この記事に関する感想・コメント
今後特集して欲しいテーマや要望
CYBERCAPのDSLに申し込もう! へーベルハウス
新着記事 rssフィード
最新巻頭特集:
特集
日本で大ブームの「キャラ弁」を、ニューヨークでも流行らせよう! と、ジャピオンが初のコンテストを開催。読者ら4組が制作したさまざまなキャラクターのお弁当を、キッズ審査員が食べ比べる。果たして、優勝は誰の手に?
今週の最新求人情報 rssフィード