毎年夏に名古屋市で開催されているWCSは、日本政府も後援する一大イベント。出場各国の代表が、数分間のパフォーマンスのために扮するキャラクターの研究を重ね、コスチュームを自作する。今年は、13カ国の代表、計14チーム(日本からは東京と大阪の2チーム)が集結、世界の頂点を目指して、研究と練習の成果を披露した。
2008年米国代表の二人が選んだ作品は、『ジョジョの奇妙な冒険』。レネー・グローガーさん(左下写真・中左)がジョルノ・ジョバァーナ、ソニア・パズさん(左)が空条ジョリーンに扮し、同作品の見どころでもある「スタンド」(擬人化された超能力)を使った格闘シーンも再現、1万人を超える観客から喝采を浴びた。入賞はしなかったものの、「ヨーロッパのチームはコスチューム制作に、アジアのチームはパフォーマンスに重点を置いている」などの違いを発見することができた。
コスプレを通した国際交流も進んでいる。「各国代表が皆友好的だったのが印象的」と話すグローガーさん。特に仲良くなった大阪代表は、9月に開催されたニューヨーク・アニメフェスティバルに来場し、再会を果たしたという。「大阪代表はとてもクールよ。再会できてうれしかったわ」とパズさん。
インディア・デイビスさん(右)とエリザベス・リカタさん(中右)は、同フェスティバルで『XXXHOLiC』のキャラクターに扮し、09年代表の座を獲得した。「うれしすぎて泣きそうだった」と言うデイビスさんにとって、来年のWCSは初めての日本訪問となる。ファッション業界で働く彼女は、「スタイリッシュでクリエイティブなものが好き。日本のファッションにすごく興味があるわ」と話す。一方、大学と大学院で日本美術史を専攻し、横浜市に半年間住んだこともあるリカタさんは、日本に対する造詣も深い。「宝塚歌劇団の大ファンなんです」と話す彼女のコスプレには、その影響を垣間見ることができる。きらびやかなガウンを着た淑女や、シンプルな制服を着た若い男性に扮するのが好きだという。
来夏、コスプレ文化の中心、日本に向かうリカタさんとデイビスさんに対し、「友達を作って、とにかく楽しんで!」とグローガーさん。パズさんは、「ベストを尽くして!」と激励し、「露出度の高いコスチュームを着るのよ!(笑)」と具体的なアドバイスも。
「手の込んだコスチュームほど、やる気が湧くの」とリカタさん。その闘志に加え、日本文化への情熱を武器に、09年アメリカ代表は名古屋へ向かう。 |