まずは、子供向けワークショップなどでたこ作りを教える「たこ名人」、カイト・フライヤー/ビルダーのチャールズ・スチュワートさんに、たこの魅力について聞いた。
――たこ揚げを始めたきっかけは?
子供の頃たこを作ってみたことはあったけれど、理論を知らないから高く揚がらなくて、それっきり触っていなかったんだ。ところが12年前、たまたま友達に誘われて行ったロングアイランドの「ニューヨーク・スタントカイト・チャンピオンシップ」で、たこを自在に操って色々なトリックをする人たちを初めて見て、衝撃を受けてね。早速競技用カイトを買って先輩に教わりながら練習して、大会にも参加し始めた。初めてたこを自作したのは2000年。カイト・フライヤーの中には、自分で設計図を引いて、たこを作って、揚げるまでを楽しむビルダーもたくさんいるんだよ。
――どんな種類のたこがあるの?
まず、1本のたこ糸で操る「シングルライン・カイト」、2本の糸で動かす「2ライン・カイト」、4本の糸でより複雑な動きができる「4ライン・カイト」に分けられる。シングルラインは、一番シンプルで歴史が長い。ダイヤモンド型や、三角形の「デルタ」があって、どちらも揚がりやすいから、初心者が遊ぶのに向いているよ。
2ラインには、音楽に合わせてたこを操り、様々なトリックをする「バレエ」、四角や円など、決められた形を描いて完成度を競う「プレシジョン」といった競技に使われる、「スタント・カイト」や「スポーツ・カイト」がある。たこを使ったサーフィン、「カイトボーディング」などのスポーツに使われる大型で強力な「パワーカイト」は、ほとんどが4ラインだね。
ボックス型や動物型、カーボン製やナイロン製と、形も材質も本当にいろいろあるんだ。和紙でできた日本のたこ、龍や鳥などの形をしたデコラティブな中国のたこなど、国によっても特徴があるね。
――たこ揚げの面白さとは、ズバリ何?
たこの「言葉」を理解できて、たことコミュニケーションできると面白いよ。「たこ語」は、サイエンスがベースなんだ。例えば簡単なダイヤモンド型のたこでも、2本ある骨の長さの比率や、それを十字に交差させる点の位置など、一定の数式に従って計算し、正確に測って作る。何かが間違っていたら、たこは揚がらなかったり、片側に傾いたりして、そのことを伝えてくるんだ。
カイト・フェスティバルでも、全然揚がらずに困っている子供によく会うけれど、僕がたこを見てその言葉を聞いて、糸の位置を変えたり、しっぽを長くしたりと少し直してあげるだけで、高く揚がるようになる。それで子供たちが喜んでくれるのが、一番の楽しみだね。
――たこ作りってサイエンスなんですね。
そう、だから楽しいだけじゃなく、子供の教育にも良いんだ。でも複雑なたこ作り、揚げるのが難しい高価な巨大たこ、そして競技となると、大人の趣味の世界だね。
たこ愛好会は全米にあるから、仲間が欲しい人、分からないことがある人は、近くの団体(5ページ参照)に連絡してみると良い。みんな歓迎するはずだよ、カイト・フライヤーが増えすぎて困るってことはないからね! |